決裁が通る稟議書の書き方とは? シーン別に使えるテンプレートもあわせて紹介
稟議書とは、会社が重要な施策や購入計画を決裁するために必要な書類です。上司から経営者までが閲覧するため、目的や理由、施策の内容や予算、そして期待される効果を的確に伝えることが求められます。
本コラムでは、承認を得やすい稟議書の書き方やポイントを、新規取引開始時や備品購入時など様々な状況別に詳しく解説します。
すぐに使えるテンプレートもご用意したので、ぜひ参考にしてください。
決裁が通る稟議書の書き方とポイント
稟議書を使用する意図は、提案内容の文書化により、承認までの過程をスムーズにすることです。そのため、稟議書は簡潔で理解しやすい内容でなければいけません。
また、複数の関係者が納得するような、ロジカルな説明も重要です。以下では、決裁が通る稟議書の書き方について紹介します。
起案する目的・目標を明記する
まず、立案した目的を具体的に明記しましょう。たとえば、社内備品として使用している業務用パソコンの買い替え稟議を上げるとします。
その場合「現状のパソコンでは、7年前に導入したソフトの動作が重くなり、業務効率が昨年比で30%ほど下がっているため、最新ソフトを搭載した新規モデルを購入したい」というように、現状の問題点を挙げつつ具体的に記します。
また、目的と併せて目標の明記も必要です。自動会計システムを導入したい場合、システムの導入でヒューマンエラーを減らすことが目標として挙げられます。
その際「現状は会計上、全社において月平均3~5件の人為的ミスが発生していますが、導入が実現すれば会計処理が自動化されるため、入力漏れをしない限りミスは0件近くまで削減できる見込みです」など、明確な数値を交えて目標を設定しましょう。
承認してほしい契約内容を明記する
契約内容は、要点を押さえて簡潔に明記しましょう。まず件名は、契約内容を端的に表すシンプルなもので構いません。契約内容の記載箇所には、契約する企業名・会社概要・取引内容のほか、費用や納品(発注)数などを項目ごとに分け、必要な情報に絞って記入します。
契約で生じる費用は、決裁者が特に注目する箇所です。会社や部署の予算計画・配分には必ず準拠し、できる限り実現性のある金額を提示しましょう。
業務効率化サービスなど長期的な契約の場合には、初期費用だけでなく、希望する期間における運用コストや更新時期などの詳細も記載します。
得られるメリットを明らかにする
稟議の目的と内容を踏まえ、その契約や備品購入によって得られるメリットを明確に提示しましょう。
決裁者を納得させるためには、論理的かつ具体的に書くことが重要です。可能な限り費用と効果を数値化して、ロジカルに説明することで、承認が得られやすくなります。
たとえば、「カスタマーサポートにチャットボットを導入することで、人件費の40%削減が期待できる」等です。また、他企業の事例や市場の動きなど、客観的なデータも交えると、説得力が増すでしょう。
【シーン別】稟議書の書き方・テンプレート
一括りに稟議書と言っても、その内容は様々です。稟議する内容によって、適切な書き方も異なります。
以下では、シーンごとの稟議書の書き方について解説します。すぐにでも使える稟議書のテンプレートも紹介するので、ご活用ください。
新規取引開始の稟議書、書き方とテンプレート
まず、新規取引を開始したい場合の稟議書の書き方を説明します。可能であれば、稟議書は、社内でフォーマットを統一しておくことが望ましいです。
個々の社員が別々のフォーマットで稟議書を提出してしまうと、決裁者は混乱してしまいます。フォーマットを統一していれば、決裁者側も確認すべきポイントが分かっているので、稟議の時間を短縮させることが可能です。後ほど、Excelで作る便利なテンプレートを紹介します。
新規取引開始の稟議で重要なポイントの一つは、新規取引先の情報です。会社の規模と実績、信用評価などを明記(あるいは該当資料を添付)しましょう。自社の資金を預ける相手とも言えるため、決裁者はその点を非常に気にします。
決裁者が知りたい情報が抜けていると、決裁がおりなかったり、不足の情報を調べる手間がかかり稟議書の意味に欠けたりしてしまいます。そのため、あらかじめ決裁者が知りたいであろう情報をしっかり入れておくことが大切です。
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備品購入のための稟議書、書き方とテンプレート
次に備品購入のための稟議書の書き方ですが、テンプレートの項目は基本的には同じですから、ポイントが異なる点にフォーカスして説明します。
備品購入の場合は取引先の情報よりもその備品、製品自体の説明を詳しく書く必要があるというところです。その備品を購入することでどのようなメリットがあるのか、費用対効果を数値で表すことができれば記載しましょう。
新規取引と備品購入の稟議書は、色分けをするなどして区別をしておくと使いやすいです。
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ネット広告出稿の稟議書、書き方とテンプレート
次に、ネット広告出稿の稟議書について、Wordでの書き方を説明します。
稟議書のフォーマットはExcelである必要はありません。稟議内容によっては、Wordのほうが適している場合もあります。Wordで作成する場合は、項目ごとに区切り、ブロック単位にまとめて記載すると見やすくなります。
稟議書の管理方法4つ
書類というものは日々の業務に忙殺されていると、つい紛失してしまうこともあります。見たいときにすぐ見つけられず、書類を探すのに余計な時間を割いていませんか?
過去にいつ、どんな稟議が通ったのか、いつでも確認できるように保存をしておくことをオススメします。管理方法の例を挙げてみましょう。
保管期限を設定する
保管管理するといっても、20年前の情報など、あまりに古すぎるものは必要ない場合もあります。
書類だけがどんどん増えてしまって管理しきれなくなることもありますので、必要に応じて保管期限を設けるとよいでしょう。
ファイリング管理する
稟議書が多い場合は新規取引、備品購入、ネット広告出稿など、種類別に分けて年度ごとにファイリングしておくと探す時間をかけずに見つけることができます。
サーバー上に保管する
紙でファイリング管理をするとキャビネットの場所を取ったり、紙の出力が多くなったりしますので、サーバー上でデータ保管するのもよいでしょう。
誰でもデスクにいながら閲覧できるようサーバー上にフォルダを作っておくと便利です。
ナンバリングを忘れずに
保管する際、管理IDをつけておくと時系列で管理することができて便利です。サーバーで検索をかけるときにも役に立ちます。
まとめ
稟議書は、新たな事業のために施策を講じたいときや備品を購入したいとき、決裁をもらうために必要な書類です。
決裁権限者の承認をもらうことができなければ、新規事業を進めることができません。通りやすい稟議書とは、決裁者の知りたい情報が網羅されていて、効果があると納得させることができる材料が揃っていることです。
稟議書のテンプレートを参考にして、説得力のある稟議書を作成してみましょう。