研修報告書の書き方を徹底解説! 簡単に作成できるテンプレートも紹介
社内・社外問わず研修へ参加すると、研修報告書の提出が求められることがあります。受講内容をどのようにまとめるべきか、所感をどう書けば良いか悩んでいる方も多いでしょう。
しかし、正しい書き方とポイントを押さえれば、誰でも分かりやすい報告書を作成することができます。
本記事では、研修報告書の詳しい書き方や注意点についてわかりやすく解説します。すぐに使えるテンプレートもご用意したので、ぜひ参考にしてください。
研修報告書とは
研修を受けると、その成果としてどんなことを学び、どんな仕事に活かすことができるのかを会社・上司へ報告しなければなりません。
会社は、社員をスキルアップさせ、業績を上げてもらうために社員を研修へ参加させます。そのため、研修に参加したことでどんな成果があったのかを報告する必要があります。
研修に参加していない上司が読んでも内容がわかるように、ポイントを押さえて書きましょう。研修報告書を書いておくことで自分自身の記録にもなり、学んだ内容をより有効的に使うことができるというメリットもあります。
報告書を後日読んで受講内容を思い出せるように、正確かつ簡潔に、わかりやすくまとめる必要があります。
研修報告書の必要性
研修報告書は、研修の主催者側と受講者側の双方にとって、重要な文書です。以下では、双方の観点から、研修報告書の必要性について解説します。
研修内容を復習し整理するため
研修報告書は、研修で学んだことを復習し、内容を整理するために作成します。どのような知識や情報を得られたか、内容をまとめることで、受講者は研修の成果を可視化することができます。
また、報告書の作成過程で、研修内容を復習できるので、更に理解を深めることが可能です。研修報告書は、社内で共有する書類として誰が見ても分かりやすくまとめる必要があり、アウトプットの練習としても効果があります。
研修内容の検証のため
研修報告書は、主催者側が研修内容を検証する際に、重要なデータとして活用します。
会社は、研修報告書を基に、「研修内容が業務に応用可能か」「研修内容は受講者のレベルに適しているか」などを検証します。受講者側の所感や理解度を踏まえて検証することで、次回の研修の質の向上につながるのです。
たとえば、
- 研修用の教材を変える
- グループワークの時間を設ける
- 研修時のテストに実技を追加する
などの改善策が有効か、検証します。
研修報告書の書き方
会社によってさまざまな形式があると思いますが、書くべき内容というものはほとんど同じです。必須項目として次の7点が挙げられます。
- 氏名
- 参加日時
- 場所
- 研修名
- 講師名
- 研修内容
- 感想
その他必要であれば、研修内容の評価、上司のコメント欄を設けるとより実のあるものになります。
社外研修の場合は、研修の提供会社やかかった費用も記載しておくと良いでしょう。また、持ち帰り資料やテキストがあれば合わせて添付しても良いかもしれません。
研修内容は、行ってみて初めて詳細がわかりますから、自分が期待していたものとは方向性が異なるものもまれにあります。そんなときでも研修内容の評価欄を設けておけば、次回、他の人が受講を検討する際の参考にもなります。
研修は、受けただけでは意味がありません。研修で学んだことを実務で活かすことができて初めて意味を持つのです。研修への参加がより有意義なものになるように、研修報告書も必要に応じて工夫しましょう。
体裁の準備
まずは、以下の項目を記入して体裁を整えます。
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作成日
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宛名(提出相手の名前)
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自分の氏名と所属
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日時と場所
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研修テーマ
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講習内容
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感想
序文を入れる場合は、研修を受講したことを報告する旨を、簡潔に伝えましょう。「この度、下記のとおり、〇〇研修を受講しましたので、ご報告申し上げます」というように、一文が適切です。
講習内容と感想は、研修報告書の要所です。そのため、どういった形式で書くか、どのくらいのスペース(文量)が必要かを考慮して、体裁を整えましょう。
日時・場所
研修報告書に記載すべき必須項目の1つとして、日時・場所が挙げられます。人は、使わない記憶はすぐに忘れてしまいます。
自分にとってとても有意義な研修会に参加したとしても、いつ受講したかということは案外簡単に忘れてしまうものです。時が経ってからも『○○の研修を受けたのは、いつだっけ?』と、ひょんなことから棚卸をしなければならなくなることが多々あります。
特に会社内で教育記録が残されている場合や、期を通しての目標に研修受講が組み込まれている場合には後日でも研修実績の照会が求められることもあります。そんなとき、日時がわからないと手帳や資料から洗い出さなければならなくなってしまいますので必ず日時は記録しておきましょう。
場所に関しても、研修は毎回同じ場所で開催されるわけではありませんから、都度記録しておきましょう。忘れ物をしてしまったり、途中で怪我をしてしまったりという、不測のトラブルに遭遇したときでも場所の記載は役に立ちます。
日時と場所は常にセットにしてメモする癖をつけましょう。
講習内容
だらだらと研修内容を書いていても伝わりません。「人が読むもの」ということを念頭に、箇条書きを使うなどして簡潔に記録します。
ここには感想や私情は挟まずに、講習内容の事実だけを書くようにしてください。報告書を読む人が、何を学んできたのか一目でわかるように記載します。
経理実務の研修に参加した場合の一例を見てみましょう。
経理実務の研修に参加した一例
経理実務の研修概要
- (1)経理業務の概要
- 日次業務・・・出納管理、帳簿の記帳、売掛・買掛金管理、小切手・手形管理
- 月次業務・・・給与計算、源泉徴収、請求及び入金確認、固定資産管理
- 年次業務・・・決算・棚卸、納税、予算計上
- (2)決算書の取り扱いについて
- 損益計算書と利益の仕組み
- キャッシュフロー計算書と資金繰り
- 貸借対照表と資本の確保
- (3)会計伝票と会計帳簿
- 伝票会計の役割と機能
- 入金伝票と出金伝票
- 売上伝票と仕入れ伝票
受講の感想
講習内容には私情は挟まず事実を書くのに対して、感想は自分が感じた率直な意見を書くようにしましょう。
感想はあらすじとは違います。結論から先に書くと相手にポイントが伝わります。
また、『とてもためになった』等の抽象的な感想では研修の成果がわかりません。受講後学んだことを具体的にどう活用していくのかを明記すれば、上司に対しても納得感を与えることができます。
もし社外で開催される有料の研修に参加した場合、会社からはそれなりの成果を求められることになるでしょう。それに答えられるような報告書を出すことができれば、上司から良い評価をもらえるはずです。
例
- 当社の年次業務の決算スケジュール組みは同業他社と比較して余裕のないものであることがわかった。
- 今期中に予算計上のフォーマットを見直し、次回決算処理より取り入れられるよう早急に改善提案を作成する。
- 今月中にチームメンバーを招集して情報共有し、担当を決めて活動を開始したい。
ファイル形式は?
研修報告書はほとんどの企業でWord(ワード)かExcel(エクセル)が採用されています。会社によってはPowerPoint(パワーポイント)やPDFファイルでの手書き報告を求められることもありますので事前に確認しておきましょう。
特別指定がなければ、PCで打ち込めて修正も簡単にできるWord(ワード)かExcel(エクセル)をおすすめいたします。
研修報告書を作成する際の注意点
研修報告書は、社内で共有される文書です。研修に同行していない社員が確認するため、誰が読んでも研修内容を理解できる文書にする必要があります。
以下では、分かりやすい研修報告書を作成するうえでの、注意点について紹介します。
文体・サイズの統一
研修報告書は、文体とフォントサイズを統一しましょう。文体は、丁寧語の「ですます調」で統一するのが基本です。フォントに関しては、社内で規定がある場合は、それに従います。
また、英数字で全角半角のばらつきがないように、気を付けましょう。研修報告書が書き終わったら、誤字脱字がないように、しっかり見直しをすることが大切です。
具体的な表現を使用する
研修報告書は、なるべく具体的な表現を使用して作成しましょう。
特に、自身の感想を書く際は、抽象的な表現は避け、具体例や数字を盛り込むのが重要です。印象に残った体験や、自分が重要だと思った知識を具体的に記すとよいでしょう。
たとえば、
- 企画のアイデアを考える時には、フレームワークを用いて情報を整理するとよい
- 業務に優先度と必要時間を設定してマネジメントすることで、業務効率が上がる
- 結論、理由の順で記すことで、相手に内容が伝わりやすい
などが挙げられます。
研修報告書は、研修を受講していない人が読んでも、研修内容が思い浮かぶように書く必要があります。また、研修の効果や改善点を洗い出す目的もあるので、数字や具体例を用いて、分かりやすい研修報告書の作成を心がけましょう。
さらに詳しくはこちら
Excelの基本操作5選!これだけ覚えればすぐに使える
まとめ
研修報告書は、学んだ成果を簡潔にまとめて会社や上司に報告するためのものです。
社員を研修に参加させることで能力を向上し、成果につなげてほしいという思いを持って会社は投資をしています。どんな対価があったのかを、わかりやすく説得力のある研修報告書で伝えることができればその後の評価や信頼にもつながります。
ポイントを押さえた報告ができるよう、上記を参考にしてください。