【テンプレート付き】紛失届の正しい書き方・必要な記載項目をわかりやすく解説!
大切な社員証や会社から貸与された備品を紛失してしまったとき、最初に行うべきは「紛失届」の提出です。
紛失届は、遺失物の悪用を防ぎ、会社の在庫管理を適切に行うために欠かせない書類です。しかし頻繁に書くものではないため、いざ書くとなるとどうすればいいのか戸惑う方は少なくないでしょう。
本記事では、紛失届の基本的な書き方や記載項目、さらに紛失理由を上手に書くためのポイントについてわかりやすく解説します。すぐに使えるテンプレートもご用意したので、ぜひ参考にしてください。
紛失届に必要な項目とは?
企業の中には、身分証明書・社員証・IDカードなどの悪用されやすい重要なものと、その心配がないものと、管理レベルを分けて運用している会社があります。
悪用されにくいものを対象とした紛失届に必要な記入項目は紛失者氏名、届け出年月日、紛失物、紛失日、紛失場所(思いあたる場所等)、紛失事由、その他備考を紛失者に書かせて管理部門が受け取る、この一連の行為を事務的に行なうだけでは意味がありません。
管理部門は事務的に届け出を受理するのではなく「紛失事由」に着目して同じ過ちの傾向などを分析し、再発防止策の立案に結び付けることが管理の基本です。再発防止対策案ができたら、貸出の時に対策案を実施できるように運用を改善していきましょう。
身分証明書・社員証、携帯電話などの悪用されやすい貸与品の紛失届
悪用されやすい貸与品は二次災害につながる恐れがあるため、紛失届の提出・受理をきっかけに速やかな二次災害防止策の実施が求められます。
<二次災害の想定例>
- 身分証明証・社員証
最近はICカード化されているものが多く、セキュリティー管理の面で成り済ましの事故が想定されます。機密エリアへの侵入、ICカードを利用した機密情報の漏洩、社内での物品の購入などが考えられます。社外においては金融機関での悪用なども考えられます。
- 携帯電話、ノートパソコンなどの通信機器
社内外を問わず、いつでも情報を発信できる可能性があるので、セキュリティー管理上、紛失届を受理したら即時、遺失物の利用を停止する運用を準備しておくことをお勧めします。
悪用されやすいIDや通信機器は社内・社外で問題を起こす可能性が大きいので、紛失届には前記のテンプレートに加え、下記の項目を記述させてトラブル防止の対策に結び付けるとよいでしょう。
<記載内容>
- 紛失日時
おおよその時間帯 - 紛失場所
利用者の行動経路や紛失したと思われる地名、住所 - 紛失時の形態
バッグに入れたまま、裸で、など - 警察・関連施設への届け出の有無
有は届け出時刻など
このサンプルには紛失届と共に「始末書」や「再発行申請」のような文言が追加されています。企業によっては「始末書」の活用部門と「再発行申請」の受付部門が独立している場合もあり、それぞれの起票が要求されることもあります。
備品などの紛失届
什器備品類は悪用されにくい分類のため多くの管理項目は不要ですが、社外に持ち出せるものであれば、紛失場所・時間・形態などを加えておくとよいでしょう。探せる情報があれば、遺失物回収の助けになるからです。
また貸出時に管理ナンバーを起こしている場合は、そのナンバーもこの届出書に加えておきましょう。利用者がどのくらいの期間、借用していたかも分かるようになります。
紛失届は、単なる始末書のような意味合いにとどまらず、使い方によっては「利用者がどういう状況で使用していたか」、「その期間どんな管理状態にあったか」なども把握できる書類です。再発防止策を検討できる情報収集の目的も考慮に入れて用いることをお勧めします。
紛失理由の上手な書き方とは?
これは利用者本人の不注意・管理不行き届きが原因で紛失するわけですから、ありのままを報告しましょう。報告ポイントは5W1Hです。
- When
- いつ(年月日時ころ)
- Who
- 利用者名
- What
- 借用備品名
- Where
- どこで (訪問先? 交通機関? 移動中?)
- Why
- どうして (置き忘れ、落とした、無くした、取られた、気付いた)
- How
- 借用期間を通しての管理はどんな状態?
例1:健康保険証を紛失した際の理由の書き方例
健康保険証は会社ではなく健康保険組合が管理しています。会社によっては総務部門を通して、または健康保険組合の窓口へ直接届け出ることが望ましいでしょう。5W1Hを踏まえて作成して下さい。
なお、家族がいれば保険証は個別にあるので、届け出る場合は手元に残っている保険証のコピーなどを添えて該当者の名前を明記すると、再発行時の情報につながると思います。
例2:IDカードを紛失した際の理由の書き方例
IDカードは常に身につけているものです。社内・社外を問わずに持ち歩いているものですから、5W1Hをキーワードに、自身の行動を思い出しながら作成して下さい。
警察への届け出について
やはり5W1Hをポイントにして、文書で届けると正確に伝わります。
まとめ
悪用されやすいものを紛失した場合は二次災害を踏まえ、一刻も早く警察や関連施設へ紛失の事実を報告しましょう。遺失物損害保険に入っている場合は、警察や関連施設・公共施設などの証明を添えることで、損害保険会社への保険金請求が可能になります。
またこれらの個人情報に繋がる物を紛失した瞬間から二次災害が発生するという事を認識すれば、二次災害防止策や再発防止策の検討につながります。二次災害防止策の一例では、情報通信機器の利用者に注意喚起する運動として、社内・社外にて想定できる災害の具定例を多くの人から募集して、事故防止等のキャンペーン活動を広めていきましょう。
より能動的な防止策としては、システム部門との連携をお勧めします。通信機器の個体管理ナンバーを指定してシステムから切り離したり、利用不可の状態にする緊急処置を、ぜひ検討して下さい。
紛失届に関しては、提出までのスピードが大切です。いかにスピード感を持って必要な情報を記載させるかが大事です。リスクを最小限にとどめるためにも、記入方法だけでなくフロー自体もしっかりと認識させる必要があります。
他の書類よりも、社内の連携を強化していきましょう。
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