組織変更時に使える文書の書き方
組織変更は会社法などに則り、組織形態の変更や会社分割、事業譲渡をすることや、企業内の部署を組み替えることを指します。
組織変更をする場合、その前後でどのように変化したかを明確にするために文書を作成、公表する必要があります。
このページでは組織図、組織規定、合同会社(LLC)から株式会社へ組織変更するときの必要書類、登記変更申請書など、企業の組織変更時に活用できる、社内外の文書をまとめてご紹介しています。
なぜ組織変更をするのか
組織は当初その組織を作成した目的に沿った形で形成されます。そこには経営の意思が強く反映されています。しかし、時間とともに環境や情勢また組織を構成する人の変化などが起こり、当初の目的や意思に合わない状態が生まれてしまいます。それを放置したまま経営を続けた場合、当然の結果として問題が発生することになります。従って、環境の変化や経営状況の変化に即した形で組織変更を行うことが重要です。外部環境の変化に対応する場合は、会社そのもののあり方の変更(例えば合同会社から株式会社への変更など)が実施され、会社内部の問題に対応する場合は組織の変更などが行われます。
会社法に則った変更と組織内部の変更
一般的な言葉として組織変更と聞くと、会社の中の組織の形態や構成する人員の変更などが思い浮かびます。しかし、会社法の下では「組織変更とは、株式会社がその組織を変更することにより持分会社となること、および持分会社がその組織を変更して株式会社になることをいう」と定義されています。こういった場合、登記の変更、定款の変更、組織変更計画の作成、株主の同意、総社員の同意など会社法に則った手続きが発生します。また、内部の組織変更の場合においても組織の長となる役職者が役員である場合などは、同じく法令に沿った手続きが必要になります。社員に向けては組織変更の目的や詳細の情報(組織の名前の変更や、構成、異動する社員名など)を正しく伝達する事が重要です。特に組織変更の目的や意図がいかに社員に理解されているかによって、その成功を左右することになります。
株式・合同会社設立も組織変更の1つ
既存の会社からの変更だけでなく、新たに株式・合同会社を設立する際も組織変更の枠組みでとらえる必要があります。
特に近年、ホールディング会社を新たに設立する際などに、合同会社として設立する事例も増えています。会社の事業拡大や現状からの改革などを目的として前述のような組織変更を実施する事例以外に、新たに株式・合同会社を設立して既存の事業を移管する、または新しい領域を新しい会社で目指すという選択肢もあります。この場合も、会社法上での「組織変更」と同様にとらえ、正しい手続きに則って実行されることが重要です。
≫総社員の同意書(合同会社から株式会社への組織変更)
使える文書
組織変更の際、事前にその内容を定めた組織変更計画の開示や、社員の同意を得ることが会社法で定められています。もちろん、法令で定められた手続き書類は重要ですが、それだけでなくより丁寧に説明をすることが成功のために重要です。また実際の変更が行われた後には、具体的に変更の内容を内外に向けて説明することが必要です。わかりやすい文書や、実際に組織図などで変更点を明示して説明を行えばより理解が深まります。
社員の立場からすれば、組織変更には不安がつきまとう物ですから、その目指すところなどを可能な限りわかりやすい言葉で具体的に説明することがモチベーションの向上につながり、ひいては組織を成功に導く鍵となるでしょう。
実際の文書や書式などは、慣れていないと作成が容易ではありません。近年は多くの事例や標準的な書式などが容易に入手できます。こういったものを上手く活用し効果的に進めることも重要です。