経理日報の書き方
経理日報とは会社の収益や有価証券、借入金などを日々記録するものです。
このコラムでは、経理に関する日報や月報のテンプレートと、その書き方についてまとめました。
経理日報とは
経理業務の1つとして、経理日報の作成があります。会社経営にあたっては、お金の流れを把握し管理することが大切です。経理日報は、その日にあったお金の動きを記録しておくものです。後日まとめて記録しようとすると抜け漏れが発生しやすくなるだけでなく、経営状況を把握することもできなくなってしまいます。そのため、日々の管理が必要なのです。
経理業務は大きく分けて3つあります。日次業務・月次業務・年次業務です。日次業務には、毎日の経費精算や銀行への預入れ、引出し、借入金や収益などの記録を付ける業務が含まれます。月次業務には、売掛金回収、買掛金管理、従業員の給与支払い業務が含まれます。年次業務には、決算書の作成、確定申告、年末調整業務が含まれます。
このように、適切な時期に必要な処理を行なっていくことが重要なポイントになるのです。
経理日報に必要な項目
経理日報に必ず記載しなければならないことは、最低でも4項目挙げられます。現金出納、銀行預金、手形受払、借入金です。これらは同じお金の管理でも種類が異なりますので別々に管理をします。表にしてみると分かりやすいかもしれません。
現金出納 | 入金 | 支払 |
銀行預金 | 普通預金 | 当座預金 |
手形受払 | 受取手形 | 支払手形 |
借入金 | 本日の借入 | 本日の返済 |
経理日報のテンプレート
経理日報を書くにあたってどのような項目を記載すればよいのか分からなくても、テンプレートを利用すれば簡単に日報を作成することができます。また、テンプレートをデータ管理すれば、必要に応じてグラフへの展開も簡単にできるという利点もあります。ただし、保管の際には、種類によって文書管理が求められる書類もありますので注意してください。
経理日報に記載すべき詳細は、残高、預入れ、引出し等のお金の動きや、定期預金、当座預金、普通預金の動き、小切手や手形の日々の動きです。また、特記事項があればそれも日報の中に記載しておきましょう。
経理月報のテンプレート
経理日報では日次でお金の動きを記録するのに対して、経理月報では月次でお金の動きを記録します。月ごとで見ることによって、大まかな資金の流れを掴むことができます。例えば、ある月になると預入れが多くなる、引出しが多くなる等の傾向が分かります。また、月次業務の中には売掛金回収や従業員の給与支払いなどでお金の流れが大きく動きます。そのため、経理日報よりも大きな枠で見る必要が出てきます。そして、たとえ額が大きくなっても1円単位の誤差もないよう管理する必要があります。
経理に関する日報・月報のテンプレート
経理日報のほかにも経理関係の帳簿はたくさん種類があります。現預金日報、現金出納帳、仕分日計表、売上日報などです。これらは、銀行別の預金の動きを記録したり、小口現金の出入金を管理したり、総勘定元帳に転記するために記録を付けたり、日々の売上を記録したりするもので、目的に応じて管理をしていきます。どの種類が合致するかを確認してテンプレートを選びましょう。
現預金日報
現預金日報を例に挙げてみます。現預金日報は、会社が保有する現金及び預金類の動きを一括して管理するものです。項目として、小口現金をどこの部署でいくら持っているか、当座預金がどこの銀行にいくらあるか、普通預金がどこの銀行にいくらあるか等を記載します。そして、その項目ごとに前日残高、収納金、支払金、本日残高を記録していきます。現預金日報もテンプレートを利用すれば簡単に作成できます。
経理日報の保管方法・保管期限は?
経理・財務の正式書類は、基本的には文書として保存しておかなければなりません。保管期限は書類によって下記のように定められています。それゆえ、年々膨大な書類が溜まっていき、保管場所に困る企業も少なくありません。そんな企業は、外部の保管業者に保管を委託することが多いようです。2004年に制定された『e-文書法』では、特定の文書において電子保存が認められています。会計帳簿、振替伝票等が例に挙げられます。しかしながら、紙での保存しか認められていないものもありますから、よく確認をしましょう。
<保管期限>
- 貸借対照表、損益計算書・・・10年
- 総勘定元帳、株式台帳・・・10年
- 仕訳帳、現金出納帳・・・7年
- 売掛帳、買掛帳・・・7年
まとめ
会社経営に欠かせないものが資金管理です。経営数字を見ればその会社の健康状態が分かります。経営戦略を立てる上でも資金の流れを把握することは大切です。数字を追う細かい作業が求められますが、経理業務はルーティンワークが主となりますので、業務を覚えてしまえば滞りなく管理ができるでしょう。作業に慣れていなくても使えるテンプレートを活用して、会社の資金管理をしていきましょう