出張申請書の書き方とフォーマット
出張申請は、ほかの地域や場所に臨時に出向く際に必要になる書類です。
出張行程および経費管理申請書、宿泊旅費出張申請書兼精算書、出張届、出張報告書、海外出張旅費明細書、出張報告書などの書類を作成する必要があります。
正確に、スムーズに作成、提出できるように、出張申請のテンプレートや書き方についてご説明します。
出張旅費規程について
社員を業務で出張させるためには、予め出張旅費規程を定めておく必要があります。なぜならば、出張では通常業務では発生しない交通費や宿泊費、食費が発生するだけでなく、勤務時間も変則となるからです。そのため、日当に関する規程も重要な項目です。早朝手当、深夜手当、休日手当など、時間帯によっても支給する日当の種類と額を設定しておきましょう。
また、いつもとは違う工程で外出をしますので、思わぬ事故やトラブルが発生する可能性もゼロではありません。万一事故に巻き込まれてしまった場合の対応も入れておくと良いでしょう。
国内出張旅費規程の書式
それでは、国内出張旅費規程の書式例を項目別に見ていきましょう。
わかりやすく、条文ごとにまとめて記載します。
- 目的
- 出張の指示および承認(出張地域により役職者承認が必要である等)
- 出張の区分(日帰り、宿泊、長期、休日等)
- 順路計算(最短ルートで計算等)
- 旅券・切符等の予約方法(ビジネスクラス制限、グリーン車制限等)
- 宿泊予約方法(人事部に依頼、宿泊施設の費用上限等)
- 日当(早朝手当、深夜手当、休日手当、食事補助等)
- 精算方法(領収書提出、代休取得等)
- 出張中の事故(現地入院の場合、欠勤扱いとするか、滞在費用を実費支給とするか等)
- 出張中における死亡(遺族の現地までの旅費支給、当日までの旅費実費支給等)
海外出張旅費規程の書式
海外出張の場合は、パスポートやビザが必要になることもあり、国内出張旅費規程にプラスして規程内容を設定する必要があります。アジアなどの近隣諸国であればフライトも短時間で済みますが、欧米諸国の場合はフライトが長時間になり、時差も発生します。業務だけでなく、現地で接待を受けたり、現地風土を理解するための視察が許可されていたりもします。出張において発生しうるさまざまなケースを想定して規程を定め、随時更新するようにしましょう。
それでは、海外出張旅費規程の書式例を項目別に見ていきましょう。
- 目的
- 適用(出張期間を出発日から帰国日までとする、時差を換算する等)
- 出張の経路(合理的かつ経済的なルートにて旅程を組む等)
- 旅費(交通費、宿泊料、現地でのチップ代等)
- 旅券・切符等の予約方法(ビジネスクラス制限、旅行会社の指定等)
- 宿泊予約方法(現地スタッフに依頼、宿泊施設の費用上限等)
- 日当(早朝手当、深夜手当、休日手当、食事補助等)
- 海外出張支度金(前払い金、パスポート取得、ビザ取得費、両替手数料支給等)
- 海外傷害保険加入(自動加入等)
- 精算方法(領収書提出、代休取得等)
- 出張中の事故(現地入院の場合、欠勤扱いとするか、滞在費用を実費支給とするか等)
- 出張中における死亡(遺族の現地までの旅費支給、当日までの旅費実費支給等)
出張申請手続きのフロー
出張が発生する場合は、上司から出張命令がくるケースと社員から申請するケースが考えられます。いずれにしても出張の申請は、勤怠管理上からも必要不可欠となります。上司の了解を得ていたとしても社内手続きを踏まなければ、出張中はタイムカードを切ることができません。欠勤扱いとして処理されてしまうことも考えられます。事務手続きはつい後回しにされがちですが、忘れないようにきちんと処理しましょう。
1.出張命令票の発行
まず、出張者本人が出張の目的や大まかな旅程等の必要事項を記入し、上司の承認をもらいます。会社によっては旅券や新幹線のチケットなどを総務部や人事部などで発行しているところもありますので、必要であれば回数券発行依頼も合わせてしておきましょう。
2.出張旅費仮受金の受領
出張内容によっては、旅費の前払いが認められることもあります。現地でどうしても現金が必要な場合や、接待や贈答品に多額の費用が発生する場合等が考えられます。必要な場合は余裕を持って処理しておきましょう。
3.出張申請書の提出
上司の許可が得られたら、出張申請書を人事へ提出します。そうすることで勤怠管理上も出張として処理されますので、欠勤扱いになってしまうことはなくなります。海外出張では特に、現地の情勢などにより出張禁止令が出る国などもあります。自社の社員がどこの国へいつまで出張しているかという情報は会社として把握をしておく必要があるのです。宿泊先の予約は人事などで一括して取ってくれることもあれば、自分で取ることもあります。また、会社指定のホテル等がある場合は指示に従いましょう。
4.出張
出張前の手続きが終わったら、いよいよ出張です。出張前に同僚へ引継事項などがあれば忘れずに伝えておきましょう。また、出張期間中の連絡先や旅程も知らせておくようにしましょう。緊急の連絡があっても、フライト時間や顧客訪問時間などは避けて連絡をするなどの配慮がしやすいからです。また、出張にかかる費用は全て領収書をもらうようにします。領収書の出ないバス代などもメモしておくことが大切です。
5.出張旅費精算
出張が終わったら出張旅費の精算を行ないます。交通費、宿泊費のほか、手土産代や接待費用、両替手数料など、規程に則り精算可能な費用は忘れずに精算しましょう。その方法も、自分で処理をする場合もあれば、会社の人事や経理担当者が処理をする場合もありますので会社のフローに従いましょう。
6.出張報告書の作成
出張が終わったら、今回の出張内容や訪問場所、今後の課題等を報告書にまとめます。出張報告書も上司に承認をもらったあと、人事部長や社長などに回覧する場合があります。会社のルールに従って記録を残します。
出張申請書の書き方
出張申請書について詳しく見ていきましょう。出張申請書には具体的な日付や金額などを記載しますので間違いのないように気をつけてください。主な必要項目は下記のとおりです。
- 申請年月日
- 申請者所属・氏名
- 出張目的・出張先
- 出張期間
- 滞在先・出張中の連絡先
- 出張旅程と費用
- 日当費用
- 同行者の有無
- 出張先での業務内容
- 承認欄
クレジットカードを使用した場合
出張先では、多額の現金を持ち歩かなくても済むクレジットカードが便利です。会社でクレジットカードが支給されている場合はそれを使うと良いでしょう。クレジットカードには保険が付保されている場合もあるので、いざというときにも便利です。出張中にクレジットカードを使用した場合も領収書同様、レシートをなくさないように注意してください。精算の際にクレジット利用有無の明記が必要になることもあります。
出張申請書の保存期間について
出張申請書の保存期間は、法定保存文書として3年保管が目安とされています。近年は情報のデータ化に伴い、文書ではなくシステムデータやPDFなどで保存されていることが多いようです。紙での保管とは異なりかさばることもなく、紛失のリスクも減りますので、データ保存をおすすめします。
まとめ
長く会社勤めをしていると経験する機会がある出張。職種によっては滅多に出張の機会がないという人もいるでしょう。いきなり出張命令を受けても何から始めていいのか迷ってしまいますよね。出張規程は、出張に慣れていない人が見てもわかるように記載しておく必要があります。抜け漏れをなくすためにも是非フォーマットを利用して、出張規程や出張申請書を作成してください。