不採用通知書の書き方完全ガイド│相手の心に寄り添う上手な伝え方を解説【例文テンプレートあり】

不採用通知は、受け取る側の気持ちを考えると心が重くなる文書です。どのように書けばよいのか悩んでいる方も多いでしょう。
「どうすれば相手の気持ちを傷つけずに伝えられるのか」「適切な言葉遣いは何か」など、様々な疑問や不安があるかと思います。
このコラムでは、受け取る側への配慮を忘れない、丁寧で適切な不採用通知の書き方を詳しく解説します。これを読めば、あなたも安心して不採用通知を作成できるようになるでしょう。
すぐに使えるテンプレートもご用意したので、ぜひ参考にしてください。
不採用通知とは
不採用通知とは、書類選考や面接などで選考から落ちた応募者に、不採用となったことをお知らせするための文書です。
書面を郵送するのが基本ですが、応募書類を返却しない場合は、メールで送付しても問題はありません。
不採用通知で失礼にならないためには?作成時のポイント5選
不採用通知は、相手に配慮した内容でないと企業のイメージが悪くなるリスクがあります。ここでは、不採用通知を作成する際、相手の失礼にならないために押さえておきたいポイントを紹介します。
選考結果はすぐ伝える
選考結果はすぐに伝えることが重要です。通常、3日以内には連絡しましょう。遅くても1週間以内には結果を送付するように心がけてください。
不採用の連絡が遅れてしまうと、応募者の次の就職活動に影響を及ぼす可能性があります。その場合は、応募者からの心証も悪く、企業の信頼性を損なうことになりかねません。
年末年始や夏季休暇など企業の都合で、万が一選考結果の連絡が遅れる場合は、事前にその旨を応募者に伝えるようにしましょう。
選考参加に対する感謝を伝える
選考に参加した応募者は、多くの企業から自社を選んでくれた人です。対面での面接の場合は、会場まで出向く時間やお金もかかっています。
そのため、不採用通知には「当社に応募いただき」「会場まで足を運んでいただき」などの文言を入れ、選考に参加してくれたことに対する謝意を伝えるようにしましょう。
選考段階によって内容を変える
不採用通知の内容は、選考段階に合わせて変えることも大切です。選考を重ねるにつれて、応募者が費やした時間は多くなり、選考にかける思いも強くなります。
これまで参加してくれた応募者の誠意に企業側も応えるつもりで、不採用通知は選考段階に合わせた内容にしましょう。選考段階を3つに分けて、意識する点と具体的な導入例文をご紹介します。
①書類選考時
書類選考段階での不採用通知では、興味を持って応募してくれたことに丁寧な謝意を示しながら、手短に結果を伝えましょう。
[導入例]
弊社に興味をもっていただき、ありがとうございます。
②最終面接前
一次面接後、最終面接前までの参加者には、それまでの選考に参加し、面接に足を運んでくれたことに感謝の気持ちを込めてメールを送りましょう。
[導入例]
先日はお忙しい中、ご足労いただきまして誠にありがとうございました。
③最終面接後
最終面接で不採用となった参加者には、数回にわたる選考に参加してくれたことに対する感謝の意を丁寧に伝えましょう。
[導入例]
先日はお忙しい中、弊社の最終面接に足を運んでくださり、ありがとうございます。
不採用通知を電話で行う場合でも、適切な時間帯を選んで連絡しましょう。午前中に連絡すると、電話に出られなかった場合でも午後に折り返せるためおすすめです。
また、電話の内容をメールでも残すことで、すれ違いや誤解を避けられます。
不採用となった応募者の心情に配慮する
不採用通知を作成するときには、応募者の心情に配慮することも大切です。今回不採用になった応募者でも、別の業務で必要な人材だったり、自社の顧客になったりする可能性があるためです。
不採用通知の印象が悪いと企業のイメージまで悪くなり、せっかくの人材や顧客を失ってしまうかもしれません。単に「不採用」と書くのではなく「ご希望に添えず」「採用を見送らせていただくこととなりました」など、できるだけやわらかい言い回しを心がけましょう。
また、不採用の理由を説明する必要はありませんが、なぜダメだったのかがわからないと納得しにくいものです。「経験・スキルが求めるものと違った」など、簡単に不採用の理由を伝えるのも良いでしょう。
送信前に連絡先のダブルチェックをする
宛名やメールアドレスなど、連絡先情報のダブルチェックを送信前に必ず行うようにしましょう。
コピペやテンプレートを利用している場合、誤って別の応募者に内容を取り違えて送ってしまう可能性があるので注意してください。
メールを送信する際は常に慎重になり、宛先と内容を確認する習慣をつけることが大切です。送信後「送信済み」フォルダの送信メールを念のため開き、送信先が正しいかどうかを再度確認するようにしましょう。
不採用通知書の書き方と書式・文例
不採用通知の書式に決まりはありませんが、以下の構成で作成するのが一般的です。
- 作成日
- 宛名(フルネーム)
- 差出人名(企業名+部署名)
- タイトル
- 頭語
- 選考参加に対するお礼
- 選考結果
- 応募書類の取り扱い
- 締めの文言
- 結語
不採用通知の送付が遅くなった場合は、連絡が遅れたことへのお詫びも記載しておきましょう。具体的な文面については、選考のどの段階で不採用となったのかによって異なります。
下記にて書類選考・最終面接前・最終面接の、各段階で不採用になった場合の文例を紹介します。また、紹介者がいる場合やメールで送る場合の文例も紹介しますので、それを参考に作成してみてください。
書類選考で不採用になった場合
〇〇年〇〇月〇〇日
〇〇株式会社 採用担当の〇〇でございます。 さて、〇〇様について慎重に書類選考を重ねました結果、誠に残念ながら今回はご希望に添いかねる結果となりましたことをお伝えいたします。 なお、お預かりしました選考書類につきましては、本通知に同封しておりますのでご査収ください。〇〇様が今後より一層ご活躍されることをお祈り申し上げます。 敬具 |
最終面接前に不採用になった場合
〇〇年〇〇月〇〇日
〇〇株式会社 人事部の〇〇でございます。 厳正なる選考の結果、今回は採用を見合わせていただくこととなりました。ご希望に添えず誠に恐縮ではございますが、何卒ご了承賜りますよう御願い申し上げます。 なお、お預かりしました履歴書等の書類については、弊社で責任をもって破棄いたしますことをご了承ください。 〇〇様の今後のより一層のご活躍をお祈りいたしております。この度は本当にありがとうございました。 敬具 |
最終面接で不採用になった場合
〇〇年〇〇月〇〇日
〇〇株式会社 人事部の〇〇でございます。 厳正なる選考の結果、今回は採用を見送らせていただくこととなりました。ご希望に添えず誠に恐縮ではございますが、何卒ご了承賜りますよう御願い申し上げます。 なお、お預かりしました選考書類については、郵送にてご返却いたしますのでご査収ください。 敬具 |
紹介者がいた場合
〇〇年〇〇月〇〇日 拝啓 貴社におかれましてはますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。 さて、先般ご紹介いただきました〇〇 〇〇様について採用選考を行いました結果、不本意ではございますが、採用を見送ることとなりましたことをお伝えいたします。 ほかならぬ〇〇様からのご紹介であり、ぜひともご希望にお応えしたかったのですが、本人様の希望される職種での採用がなく、このような結果となりました。何卒、事情をご賢察いただき、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。 なお、この結果は弊社からも本人様にご連絡し、お預かりしました選考書類等はご返却いたします。 この度は誠に申し訳ないこととなりましたが、今後とも変わらぬご厚情を賜りますようお願い申し上げます。甚だ略儀ではありますが、書中をもちましてご紹介の件のお返事申し上げます。 敬具 |
不採用通知をメールで送る場合
件名:選考結果のご通知 〇〇株式会社 〇〇部 採用担当〇〇 この度は弊社の求人にご応募いただきまして誠にありがとうございました。 厳正なる選考の結果、貴意に添えない結果となりましたことをお伝えいたします。せっかくご応募いただいたにもかかわらず、誠に申し訳ございません。大変恐縮ではございますが、ご了承くださいますようお願い申し上げます。 今後の〇〇様のより一層のご活躍をお祈りいたしております。この度は、誠にありがとうございました。 |
郵送方法や封筒・送付状の書き方
不採用通知を郵送する際には、個人のプライバシーに配慮するために、封筒に「不採用通知在中」などといった文言を記載しないようにしましょう。また、本人宛の親展扱いで送付する必要があります。
送付状をつける必要はありませんが、採用結果を会社もしくは担当者として残念に思っている気持ちを伝えるために、添付してもかまいません。
不採用通知を送るタイミング
書類選考の不採用通知は応募締め切りから1週間以内、面接の不採用通知は面接終了から1週間以内を目安に送付します。
面接や筆記試験の際に、「結果を何日までにお知らせする」と伝えることがありますが、この場合も面接や試験終了後1週間以内に通知日を設定するのが基本です。
応募者は一刻でも早く選考結果を知りたいものです。まして不採用となれば次の応募先に応募しなくてはならないため、ズルズルと結果を遅らせることなく、速やかに本人に伝えましょう。
急ぎの場合は電話で伝える
不採用通知は、書面やメールで送付するのが一般的です。しかし、時間的な余裕がない場合は、電話で不採用になった旨を伝えることもあります。
採用結果について電話連絡する場合は、応募者に不快感や威圧感を与えないように、言葉使いや話し方をやわらかくするよう心がけましょう。
また、時間帯にも注意し、早朝や深夜に電話をかけることがないようにしてください。基本的には、自社の営業時間内に電話します。
電話で不採用を伝える際の会話例
もしもし、〇〇 〇〇様でしょうか? 私、〇〇株式会社人事部の採用担当〇〇でございます。今、お電話よろしいでしょうか? この度は、当社求人にご応募いただき誠にありがとうございました。選考の結果ですが、誠に残念ながら今回は採用を見送らせていただくこととなりました。 このような結果になり、誠に申し訳ございません。お送りいただいた選考書類につきましては、郵送にてご返却いたしますのでご査収ください。〇〇様の今後のご活躍をお祈りしております。 |
一度不採用にした相手をやっぱり採用したい場合の対処法
選考中に欠員が出てしまったとき、一度不採用にした相手を採用したいケースがあります。その場合は、「補欠採用」の連絡をすることで対処が可能です。
ここでは、補欠採用の連絡をする時の注意点と例文を解説します。
補欠採用の連絡を行う
まずは、応募者に対して補欠採用の連絡を取りましょう。一度不採用通知を送ったというマイナスの印象を念頭に置き、丁寧で配慮ある連絡を心がけなければなりません。
補欠採用の連絡は、まずメールで伝え、その後電話で詳細を伝えるようにしましょう。スムーズに補欠採用を連絡するためには、不採用通知の際に補欠採用の可能性を伝えておくことが理想的です。
そのために、タイミングが合わずに採用に至らなかった応募者や、自社セミナーや転職イベント等の参加者など、採用候補をデータベース化した応募者とのコミュニケーションも重要視されています。
補欠採用連絡の例文
補欠採用の連絡をする際は、不採用通知のマイナス印象を踏まえて、謝罪の意を示しましょう。また、応募者とのコミュニケーションでは対等な立場で接することを心がけるのも大切です。
[補欠採用連絡の例文]
△△ △△(漢字フルネーム)様
突然のご連絡失礼いたします。 改めまして、先日は弊社の採用選考にご応募いただきありがとうございました。 実は、以前応募頂いた職種に欠員が出ました。 一度お断りのご連絡をしたにもかかわらず、 もしご興味をお持ちでしたら、一度ご連絡をいただけますでしょうか。 何卒、ご検討の程よろしくお願いいたします。
|
補欠採用の連絡をメールでした後にすぐに反応がなければ、2~3日後などの適切なタイミングで電話をかけ、補欠採用の旨を伝えると確実です。
まとめ
不採用通知は、応募者にとって不本意なものです。書面とメールのどちらで送るにしても、応募者の心情に配慮し、ていねいな文面になるよう心がけましょう。
不採用通知の印象が悪いと、企業のイメージにも悪影響を及ぼす可能性があります。自信がない場合は、文例を参考にするのがおすすめです。
『bizocean(ビズオーシャン)』では、今回紹介した文例以外にも、さまざまな不採用通知のテンプレートをご用意しています。ぜひそちらもご活用ください。