不採用通知の書き方と雛形

受け取った人の気持ちを考えると、何とも気持ちが重くなる文書である不採用通知。どのように書いたら良いのかと悩む人も多いでしょう。
そこで本コラムでは、不採用通知の書き方や雛形についてご説明します。
不採用通知とは
不採用通知とは、書類選考や面接などで選考から落ちた応募者に、不採用となったことをお知らせするための文書です。書面を郵送するのが基本ですが、応募書類を返却しない場合は、メールで送付しても問題はありません。
不採用通知作成時のポイント
不採用通知は、内容に配慮しないと企業のイメージが悪くなるリスクがあります。ここでは、不採用通知を作成する際に、とくに押さえておきたいポイントを紹介します。
選考参加に対する感謝を伝える
選考に参加した応募者は、多くの企業から自社を選んでくれた人です。対面での面接の場合は、会場まで出向く時間やお金もかかっています。 そのため、不採用通知には「当社に応募いただき」「会場まで足を運んでいただき」などの文言を入れ、選考に参加してくれたことに対する謝意を伝えるようにしましょう。
不採用となった応募者の心情に配慮する
不採用通知を作成するときには、応募者の心情に配慮することも大切です。今回不採用になった応募者でも、別の業務で必要な人材だったり、自社の顧客になったりする可能性があるためです。
不採用通知の印象が悪いと企業のイメージまで悪くなり、せっかくの人材や顧客を失ってしまうかもしれません。
単に「不採用」と書くのではなく「ご希望に添えず」「採用を見送らせていただくこととなりました」など、できるだけやわらかい言い回しを心がけましょう。
また、不採用の理由を説明する必要はありませんが、なぜダメだったのかがわからないと納得しにくいものです。「経験・スキルが求めるものと違った」など、簡単に不採用の理由を伝えるのも良いでしょう。
不採用通知書の書き方と書式・文例
不採用通知の書式に決まりはありませんが、以下の構成で作成するのが一般的です。
- 作成日
- 宛名(フルネーム)
- 差出人名(企業名+部署名)
- タイトル
- 頭語
- 選考参加に対するお礼
- 選考結果
- 応募書類の取り扱い
- 締めの文言
- 結語
不採用通知の送付が遅くなった場合は、連絡が遅れたことへのお詫びも記載しておきましょう。
具体的な文面については、選考のどの段階で不採用となったのかによって異なります。下記にて書類選考・最終面接前・最終面接の、各段階で不採用になった場合の文例を紹介します。
また、紹介者がいる場合やメールで送る場合の文例も紹介しますので、それを参考に作成してみてください。
書類選考で不採用になった場合
〇〇年〇〇月〇〇日
〇〇 〇〇様
〇〇株式会社 〇〇部
選考結果のご通知
拝啓
〇〇株式会社 採用担当の〇〇でございます。
この度は数多くの企業から弊社にご応募いただき、誠にありがとうございました。
また、履歴書等の選考書類を送付いただき、重ねてお礼申し上げます。
さて、〇〇様について慎重に書類選考を重ねました結果、誠に残念ながら今回はご希望に添いかねる結果となりましたことをお伝えいたします。
大変恐縮ではございますが、ご了承くださいますようお願い申し上げます。
なお、お預かりしました選考書類につきましては、本通知に同封しておりますのでご査収ください。〇〇様が今後より一層ご活躍されることをお祈り申し上げます。
敬具
最終面接前に不採用になった場合
〇〇年〇〇月〇〇日
〇〇 〇〇様
〇〇株式会社 〇〇部
選考結果のご通知
拝啓
〇〇株式会社 人事部の〇〇でございます。
〇〇様には先日、当社採用試験にお越しいただき誠にありがとうございました。数ある会社の中から弊社をお選びいただき、ご応募いただきましたことに深く感謝申し上げます。
厳正なる選考の結果、今回は採用を見合わせていただくこととなりました。ご希望に添えず誠に恐縮ではございますが、何卒ご了承賜りますよう御願い申し上げます。
なお、お預かりしました履歴書等の書類については、弊社で責任をもって破棄いたしますことをご了承ください。
〇〇様の今後のより一層のご活躍をお祈りいたしております。この度は本当にありがとうございました。
敬具
最終面接で不採用になった場合
〇〇年〇〇月〇〇日
〇〇 〇〇様
〇〇株式会社 〇〇部
選考結果のご通知
拝啓
〇〇株式会社 人事部の〇〇でございます。
先日はお忙しい中、弊社の最終面接にお越しいただき誠にありがとうございました。
厳正なる選考の結果、今回は採用を見送らせていただくこととなりました。ご希望に添えず誠に恐縮ではございますが、何卒ご了承賜りますよう御願い申し上げます。
なお、お預かりしました選考書類については、郵送にてご返却いたしますのでご査収ください。
人事部一同、〇〇様のより一層のご活躍をお祈り申し上げます。この度は誠にありがとうございました。
敬具
紹介者がいた場合
〇〇年〇〇月〇〇日
〇〇株式会社 専務取締役 〇〇 〇〇様
〇〇株式会社 〇〇部
選考結果のご通知
拝啓
貴社におかれましてはますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。
さて、先般ご紹介いただきました〇〇 〇〇様について採用選考を行いました結果、不本意ではございますが、採用を見送ることとなりましたことをお伝えいたします。
ほかならぬ〇〇様からのご紹介であり、ぜひともご希望にお応えしたかったのですが、本人様の希望される職種での採用がなく、このような結果となりました。何卒、事情をご賢察いただき、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
なお、この結果は弊社からも本人様にご連絡し、お預かりしました選考書類等はご返却いたします。
この度は誠に申し訳ないこととなりましたが、今後とも変わらぬご厚情を賜りますようお願い申し上げます。甚だ略儀ではありますが、書中をもちましてご紹介の件のお返事申し上げます。
敬具
不採用通知をメールで送る場合
件名:選考結果のご通知 〇〇株式会社 〇〇部 採用担当〇〇
〇〇 〇〇様
〇〇株式会社 採用担当の〇〇でございます。
この度は弊社の求人にご応募いただきまして誠にありがとうございました。
厳正なる選考の結果、貴意に添えない結果となりましたことをお伝えいたします。せっかくご応募いただいたにもかかわらず、誠に申し訳ございません。大変恐縮ではございますが、ご了承くださいますようお願い申し上げます。
今後の〇〇様のより一層のご活躍をお祈りいたしております。この度は、誠にありがとうございました。
郵送方法や封筒・送付状の書き方
不採用通知を郵送する際には、個人のプライバシーに配慮するために、封筒に「不採用通知在中」などといった文言を記載しないようにしましょう。また、本人宛の親展扱いで送付する必要があります。
送付状をつける必要はありませんが、採用結果を会社もしくは担当者として残念に思っている気持ちを伝えるために、添付してもかまいません。
不採用通知を送るタイミング
書類選考の不採用通知は応募締め切りから1週間以内、面接の不採用通知は面接終了から1週間以内を目安に送付します。
面接や筆記試験の際に、「結果を何日までにお知らせする」と伝えることがありますが、この場合も面接や試験終了後1週間以内に通知日を設定するのが基本です。
応募者は一刻でも早く選考結果を知りたいものです。まして不採用となれば次の応募先に応募しなくてはならないため、ズルズルと結果を遅らせることなく、速やかに本人に伝えましょう。
急ぎの場合は電話で伝える
不採用通知は、書面やメールで送付するのが一般的です。しかし、時間的な余裕がない場合は、電話で不採用になった旨を伝えることもあります。
採用結果について電話連絡する場合は、応募者が不快感や威圧感を感じないように、言葉使いや話し方をやわらかくするよう心がけましょう。
また、時間帯にも注意し、早朝や深夜に電話をかけることがないようにしてください。基本的には、自社の営業時間内に電話します。
電話で不採用を伝える際の会話例
もしもし、〇〇 〇〇様でしょうか? 私、〇〇株式会社人事部の採用担当〇〇でございます。今、お電話よろしいでしょうか?
この度は、当社求人にご応募いただき誠にありがとうございました。選考の結果ですが、誠に残念ながら今回は採用を見送らせていただくこととなりました。
このような結果になり、誠に申し訳ございません。お送りいただいた選考書類につきましては、郵送にてご返却いたしますのでご査収ください。〇〇様の今後のご活躍をお祈りしております。
まとめ
不採用通知は、応募者にとって不本意なものです。
書面とメールのどちらで送るにしても、応募者の心情に配慮し、ていねいな文面になるよう心がけましょう。
不採用通知の印象が悪いと、企業のイメージにも悪影響を及ぼす可能性があります。自信がない場合は、文例を参考にするのがおすすめです。
『bizocean(ビズオーシャン)』では、今回紹介した文例以外にも、さまざまな不採用通知のテンプレートをご用意しています。ぜひそちらもご活用ください。