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労務に関する書類の書き方

労務申請・届出書とは、社会保険の加入や給付申請など、労務管理に必要な申請書や届出書のことです。

社会保険や雇用保険の加入要件を満たす条件で従業員を雇用した場合、採用時には資格取得届、退職時には資格喪失届を社会保険事務所や職業安定所に提出します。

また、毎月の給与から保険料を徴収するため、各従業員について、4月~6月の給与額の平均を求め、毎年7月に報酬月額算定基礎届を提出します。

本コラムでは、労務申請・届出書の書き方や雛形についてご説明します。


労務申請・届出書の書式テンプレート

採用時に必要な届出書や注意点

企業において人を採用すると社会保険、雇用保険や納税に関することで行政・公的機関へ各種の届け出が必要です。企業内に担当組織の窓口がある場合、外部の社会保険労務士に委託する場合など、方法は企業ごとに異なりますが、使用者の責任において各種の届け出を行なう義務があります。

採用時に必要な申請や届出

企業内に社会保険に関する専門組織がある場合や、全くない場合でも行政に届け出る内容は同じ です。

  1. 健康保険に関するもの・・・
    企業内健康保険組合または同業者健康保険組合窓口で対応
    上記組織がない場合は国民健康保険を扱う市町村の役所に届け出る
  2. 年金に関するもの・・・
    企業年金組織がある場合は組織内年金窓口で対応
    上記組織がない場合は国民年金を扱う市町村の役所に届け出る
  3. 雇用保険に関するもの・・・
    企業内組織で対応、社外の社労士に委託する場合など企業
    により異なりますが、地区の所轄のハローワークに届け出る
  4. 所得税・住民税に関するもの・・・
    企業内組織(通常総務課)が所定の手続きを行ないますが、提出の証となる証拠として、提出者控えの書類に役所で受取印を貰うか、郵送の場合は配達証明郵便を使うと提出の証となります。

健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届の書き方と書式

健康保険組合によりフォーマットは異なりますが、届け出項目は下記の内容です。
イ)事業所番号(企業ごとに付与されている番号)
ロ)本人の住民票住所、氏名、生年月日、性別
ハ)基礎年金番号(社会人になって必ず受け取る年金手帳の1ページ目に記載あり)
ニ)資格取得年月日(入社日と同じ)
ホ)報酬月額
  会社の給与規則に従い給与見込み額(基本給の他、各種手当を含む)に下記の計算結果を加えたものになります。
  ・通勤手当(年間に支給される合計金額の1/12の金額)を加算
  ・年間(2~4回)見込み賞与の合計の1/12の金額を加算
ヘ)事業所情報
  会社の名称、住所、代表電話番号、社印

健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届(社会保険庁版)

労務申請・届出書の書式テンプレート

退職時に必要な届出書や注意点

会社を退職する場合は、会社に返すものや会社から受け取っておくべきものがあります。受け取るものは次に就職したり、自分で個人事業を始める場合に社会保険関連で必要となるものです。

退職時に必要な申請や届出

会社に返すものは

  1. 健康保険証を担当する組織の窓口に返却し退職届を申請します
  2. 会社規程により貸与された物品(身分証明書、作業着、通勤定期、名刺等)を担当部署に返却します

会社から受け取っておくものは

  1. 年金手帳(入社時に預けた手帳で、退職時に返却されるものです。今後の公的年金の手続きに  必要なものです。)
  2. 雇用保険被保険者証(今後の就職をする時に必要なものです。)
  3. 離職票(再就職が決まってなく、雇用保険の給付申請をする場合に必要となります。)
  4. 健康保険被保険者資格喪失証明書(今後の就職または国民健康保険に加入する時に必要な ものです。)
  5. 退職証明書(フォーマットは会社により異なりますが、今後家族の被扶養者になる場合に必要なも のです。)
  6. 源泉徴収票(再就職の場合は就職先に、個人で事業を始めたり、再就職しなかった場合の確定  申告に必要となります。)
  7. 厚生年金基金加入員証(厚生年金基金に加入していた場合はこの証書も渡されます。フォーマットは各基金ごとに異なりますが、将来基金の年金請求時に必要となります。)

健康保険・厚生年金保険資格取得・資格喪失等確認申請書の書き方と書式

健康保険組合によりフォーマットは異なりますが、届け出項目は下記の内容です。

  1. 申請日(届け出をする日)
  2. 氏名、住民票住所、申請者と被保険者の続柄、連絡先電話番号
  3. 確認通知書を必要とする理由を選ぶ
  4. 被保険者情報・・・
    氏名、現住所、生年月日、基礎年金番号、会社名、会社住所(申請者と被保険者が同一の場合、氏名現住所は省略可)
  5. 被扶養者情報・・・
    被扶養者があれば氏名、生年月日、被保険者との続柄


健康保険・厚生年金保険資格取得・資格喪失等確認申請書(社会保険庁版)

労務申請・届出書の書式テンプレート

勤務中に必要な届出書について

採用時に届け出が必要とされたものは、在職中に内容に変更が生じた場合、それぞれに改めて変更内容の届け出が必要となります。届け出は変更事由が発生したらすみやかに届け出る必要があります。給与や納税額に影響が出て来るものが沢山あります。

労災事故発生状況報告書の書き方と書式

事故発生時の具体的な状況は、事実に基づき5W1Hの要領で簡潔に記述します。

  1. WHERE(どこで)
  2. WHO・WHAT・WHEN(誰がどんな作業をしている時に)
  3. WHY(どのようなものまたは環境で)
  4. HOW(どんな不安全なまたは有害な状態があって)
  5. どのような災害が発生した
  6. 発生時の状態を図解する


労災事故発生状況報告書

出勤簿兼務時間外・休日労働申請書の書き方と書式

この申請書の記入項目は給与計算に直接かかわりのある項目です。出勤日、残業時間、休日出勤 の有無など、重要な管理項目です。最近時は下記のような手書き表で運用していくものから勤怠管理システムとしてコンピュータを活用したものが一般的です。社員が出社した時間、退社した時間に社員証IDカードを端末にタッチすることで入力に変えます。また残業や休日出勤は上司の指示のもとに行なうものなのでその都度事前に、また止むを得ない場合は事後の承認を得て書類に残します。

出勤簿兼務時間外・休日労働申請書

健康保険・厚生年金保険被保険者報酬月額変更届の書き方と書式

被保険者の報酬月額が変わる要素は幾つかあります。

  1. 定期昇給・昇格
  2. 春闘ベースアップ
  3. 給与制度の変更
  4. 残業時間(繁忙期に急激に多くなる)

等、定期的に発生する要因と、随時発生する要因があるため、定時算定と随時算定があります。 提出方法は電子申請、郵送、窓口持参等で届け出をします。 記入必要項目は下記の内容です。

  1. 事業所整理記号(各企業に割り当てられ記号)
  2. 該当者の被保険者整理番号
  3. 被保険者の氏名、生年月日
  4. 被保険者種別記号(1~7)
  5. 算定対象となった3ヶ月の月と稼動日数と各月の現行報酬月額(通貨+現物支給の合計)
  6. オ:健康保険の従前の報酬月額、カ:厚生年金保険の従前の報酬月額、シ:3ヶ月間の報酬月額(⑤の総計額)、ス:改定年月、セ:シの平均額、ソ:変更要因を加味した修正平均額、タ・チ:決定後の報酬月額

健康保険・厚生年金保険被保険者報酬月額変更届(社会保険庁版)

労務に関する書類の保存期間について

労務に関連する書類の保存期間は書類ごとに異なりますが、短いものから2年間、3年間、4年間、5年間、永いもので7年間が必要です。

労務申請・届出書の書式テンプレート

まとめ

企業が人を採用して、その人達が退職するまでの長い期間にわたって社会保険関連や納税関連の情報は雇い主側が責任を持って正しい管理をする必要があります。これまではそれらの情報を管理する組織が法務省、厚生労働省、税務署など縦割りの行政で個人の管理番号は独立したものでありましたが平成28年度から導入されたマイナンバー制度により縦割り行政がマイナンバーにより横串で貫かれたものに改善されていくことを期待します。そうなることによってその都度、官庁で同じような住所、氏名を書くことも無くなり個人情報が抜け漏れなく正確に管理されていくことを期待したいものです。

労務申請・届出書の書式テンプレート

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