従業員管理の方法
従業員管理とは、氏名変更届などの届出書類や社員住所台帳、従業員の個人別の能力評価を一覧にした人材目録、職務権限や福利厚生といった人事・労務一般に関わる規定類など、従業員管理のための書類をまとめたものです。
社員名簿を作成する際に必要な項目とフォーマット
社員名簿は、人事情報のマスターとなる大切な書類です。給与支払いから各種保険の手続はもちろんのこと、社員勤続表彰や研修への召致等もこの情報を元に行われます。異動や転勤等の配置転換の際もこれらの情報が参考にされるのです。
また、情報管理は機密性を伴うため、名簿が何種類にも渡ると管理が煩雑になりリスクが高くなります。それゆえフォーマットは1枚でまとめ、必要情報を凝縮するようにしましょう。
名簿の作成は、必要データを並べ替えたり、ソートしたりすることができるエクセルファイルが便利です。情報が多い場合や、社員数が多い場合は社内システム化することをオススメします。
必要な項目を下記に挙げてみます。
- 社員コード
- 氏名
- 住所
- 役職名
- 所属部署
- 生年月日
- 入社年月日
- 退職年月日
- 性別
- 配偶者の有無
- 従業員区分(正社員・嘱託社員・アルバイト等)
- 特記事項(障害者雇用・その他)
- 保有資格
≫社員名簿
従業員から届け出てもらう必要のある書類について
結婚して名前や住所が変わったり、子供が生まれたりというライフイベントが起きると、保険証の変更や家族手当の支給のような、それに付随する手続を踏まなければなりません。
住所が変われば通勤手当の金額も変更になります。住民票が変われば住民税の支払先が変わります。社員自身はもちろんのこと、その家族に慶弔の出来事があれば祝い金やお見舞金を出すこともありますので、何事もすみやかな申請が必要となるのです。会社の福利厚生制度によっても必要な届出は変わってきます。下記に例を挙げてみましょう。
- 住所変更届
- 氏名変更届
- 通勤ルート変更届
- 出生届
- 慶弔届
すみやかに提出してもらうためのコツ
必要書類をすみやかに提出してもらうには、予め必要な手続を明記した規定表を、ケース別に用意しておくと便利です。
会社への届出は、しておかないと自分が困ることも多いので、どういう時に何を提出すればよいのかさえわかれば、提出を促すことはそう困難なことではありません。その規定やマニュアルをいつでも見られるようなわかりやすいところへ格納しておくとよいでしょう。
住所変更届のフォーマットと書き方
住所変更届は、ワード(Word)のフォーマットが便利です。
必要項目は、新住所と電話番号、旧住所、住居の区分(所有・賃貸・社宅等)、変更予定日等が挙げられます。必要な場合は通勤新経路を記載する欄があってもよいでしょう。
出生届のフォーマットと書き方
社員に子供が誕生した時は、すみやかに出生届を提出してもらいましょう。それを元に出産祝いを支給したり、家族手当を支給したりします。こちらもワード(Word)のフォーマットが便利です。
主な必要項目は、出生年月日、子供の氏名、続柄の3点です。出生届のコピー添付を求める場合もあります。また、出生した子供を当該社員が扶養する場合は、扶養届が必要になることもあります。
従業員から情報提供してもらう際に注意すべきこと
人事情報は全て社員の個人情報であり、機密情報となります。これらが漏洩すると訴訟リスクにもなりかねませんので、取扱いには十分注意が必要です。
事務処理担当者は、個人情報データをPC画面で開いたまま、もしくは個人情報書類をデスクに広げたまま離席しないようにするのはもちろんのこと、メール添付で送る際は誤送信にも気をつけなければなりません。コンプライアンス面でも信頼される人事情報管理が必要です。
人事情報管理規定のフォーマットと書き方
人事情報は、営業秘密と共に会社経営においては、トップシークレットと言える個人情報です。その重要情報を取扱うにあたり、人事情報管理規定と制定しておくと、社員へ信頼や安心感を与えることができます。こちらもワード(Word)のフォーマットが便利です。
人事情報管理規定には、下記の項目を記載するとよいでしょう。
- 管理の方法
- 管理責任者及び部署
- 管理上の注意事項
- 収集の方法
- 収集しない情報
- 利用の原則
- 情報の開示と訂正
- 閲覧できる役職者の範囲
- 禁止事項
- 社外への伝達
まとめ
従業員管理は企業の根幹ともなるとても大切な項目ですが、中堅企業でも確立されていないケースがよく見受けられます。
それは、世界の基準や日本の制度が日々変化していくことと、雇用形態の多様化に原因があります。今や終身雇用の時代ではなく、人員の入れ替わりが激しく働き方も多種多様です。マイナンバー制度が始まり、各企業も急いで対応に乗り出しました。今後少子化に伴い、外国人の登用が増え、一度は家庭に入った女性の労働力もさらに戦力となることが見込まれています。
制度が複雑化していけば従業員管理も煩雑になっていきますが、フォーマットやシステムを導入して、日々進化する会社制度を適切に構築していきましょう。