プロが教える推薦状の書き方ガイド|例文テンプレート付きでわかりやすく解説!
推薦状が必要な場面は、優れた人物や商品を他者に紹介する際に多くあります。
しかし、推薦状に何を書けば良いのか、どのようにしてその魅力を伝えれば良いのか、悩む方も少なくないでしょう。
この記事では、魅力が伝わる推薦状の書き方や、すぐに使える例文をテンプレート付きで紹介します。
ぜひ、参考にしてみてください。
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推薦状とは
まずは、推薦状とはどのような書類なのか確認していきましょう。
推薦状とは人柄や商品の優れているところを推薦する書状
推薦状とは、人柄や商品の優れているところを第三者が評価し、推薦する書状のことです。
就職、昇格昇進、製品PRなどで推薦状が求められます。
本人や近しい者からの推薦ではなく、第三者からの評価である点がポイントです。信頼のおける人に推薦してもらうことで推薦される側の印象が変わります。
推薦書と推薦状の違い
推薦状の同義語に「推薦書」がありますが、結論から言うと、現代の用法で厳密な区別はありません。
ただし、本来の意味として、推薦書と推薦状には以下のような違いがあるとされています。
- 推薦書:ある人物が、紹介先に相応しい経歴や能力をもっていると太鼓判を押して紹介する書類形式の書状
- 推薦状:なぜその人物を推薦するのか、理由や実績なども書いた手紙形式の書状
形式や若干のニュアンスの違いはありますが、ほぼ同じ意味の言葉だと考えても差し支えないでしょう。
推薦状の種類
推薦状には、主に以下の4種類があります。
- 自己推薦書
- 教授推薦書
- 人材紹介推薦状
- 社員推薦状
誰(どこ)が推薦するのかによって、推薦状の種類が変わり、それぞれ内容や特徴も異なります。
自己推薦書
自己推薦書とは、就職活動(就活)の際に、自分自身を推薦するための書類のことです。
自己PRを文書化したものと捉えてもよいでしょう。自己推薦書は本人自身が書く必要があるため、たとえ一部であっても、他人に書いてもらってはいけません。
自己推薦書は、自分が企業に適していることや自身の強みなどを企業にアピールする書類です。
そのため、志望動機を記述する志望理由書とは少し内容が異なります。作成する際は、企業の目線に立って、採用したくなるような説得力のある内容と文章を心がけましょう。
志望動機よりも、自分が応募先に適している点や、活かせるスキル・経験を持っていることなど、自分を売り込むほうに焦点を当てるのが重要です。
教授推薦書
教授推薦書とは、就活に際して、大学の教授に推薦してもらう書類のことです。
化学系や理工学系など、専攻していた学問・研究が活かせる企業に応募する際に多くみられます。
本来は教授に書いてもらう推薦書ですが、ゼミや研究室以外での活動の欄については、推薦してもらう本人が書く場合も少なくありません。
ただし、教授推薦書の内容は、教授から見た就活生の特徴や強みがメインになるので、普段から授業やゼミには真剣に取り組むことが大切です。
人材紹介推薦状
人材紹介推薦状とは、転職エージェントなどの人材紹介会社が、応募先企業に求職者を紹介するための書類のことです。
基本的に、求職者が登録している人材紹介会社の担当者が、応募先の企業に対して提出します。
人材紹介推薦状には、主に職歴やスキル、能力や資格といった、求職者の優秀さをアピールできる情報を記載します。
人材紹介推薦状があることで、書類審査に通りやすくなるほか、書類審査後の選考や面接に効果的に働くでしょう。
社員推薦状
社員推薦状とは、自社の社員を他社に推薦するための推薦状です。推薦される社員をよく知っている上司が書くのが一般的で、当人の人柄や業績、推薦理由を記載します。
社内推薦状とは異なり、他社に向けた推薦書なので、フォーマルで丁寧な文章が求められます。
しかし、社員を他社に推薦する機会は少ないため、社員推薦状のフォーマットが分からない方もいるでしょう。
ビズオーシャンでは、社員推薦状のテンプレートも取り揃えているので、ぜひ活用してみてください。
推薦状を書くための下準備
推薦状を書くにあたって、下準備は欠かせません。応募先の企業について理解を深め、自己分析をしっかり行います。
その結果、特にアピールすべき点や、企業が採用したくなるようなアプローチの仕方が分かりやすくなるでしょう。
以下では、応募先の情報収集と自己分析のポイントについて解説していきます。
応募先の情報収集
推薦状を書く下準備として、応募先の情報収集は必要不可欠です。事業内容や企業理念はもちろん、職務でどのような経験とスキルが求められるかまで調べましょう。
公式ホームページだけでなく、応募先が関連するサイトやニュースにも触れておくと、より理解が深まります。
インターネットでの情報収集に加え、企業説明会といった、応募先の企業の人と直接対話ができる場には、積極的に参加しましょう。
応募先についての理解が深まれば、先方が求める人材が具体的にイメージしやすくなります。
自己分析
応募先の企業への理解が深まったら、どのようなスキルや経験をアピールできるか自己分析しましょう。
具体的には、資格や業績、ボランティア活動や大学での研究などが挙げられます。特に資格や免許、TOEIC・TOEFLのスコアといったスキルは、自身の能力や優秀さの証明として効果的です。
自己分析を行うことで、応募先へアピールしたいポイントを明確にすることができ、推薦状をスムーズに書きやすくなります。
また、応募先の情報と照らし合わせながら自己分析を行うと、自身の経験とスキルのうち、説得力のあるアピールポイントを見つけやすくなるでしょう。
推薦状を依頼するときの例文
推薦状は、上司や教授といった目上の人に書いてもらうことが多いため、丁寧な依頼を心がけましょう。
できれば対面で行うほうがよいですが、なかなか都合が付かないこともあるかと思います。その場合は、メールでも問題ありません。
メールで推薦状の依頼をする際には、書き言葉での敬語を正しく使うことと、依頼内容が分かりやすい簡潔な文章にすることが重要です。
下記は、推薦状の作成を上司に依頼する場合の例文です。ぜひ参考にしてみてください。
<上司に依頼する際のメール例文>
件名:推薦状作成の依頼について お疲れ様です。 現在、私は〇〇部△△課長への昇進試験を受けるべく、準備を進めております。 本来ならば直接お願いに伺うべきところですが、 推薦状の作成が可能な場合、書いていただきたい内容は以下の2点です。 ・〇〇部における私の業績評価・部長から見た私の勤務態度及び意欲など 忌憚なく、部長のお考えにしたがって執筆していただけたらと思います。 なお、推薦状提出の締切日は3月20日(木)です。 ご多忙のところ大変恐縮ではございますが、 ==========署名========== |
基本的な推薦状の書き方
推薦状には決まった書式がないため、何を書くべきか悩む人も多いでしょう。そこで、推薦状に書くべき項目について紹介します。
1.日付とタイトルを記入する
推薦状には、推薦日や書類の内容を明らかにするために、日付とタイトルを記入する必要があります。
記入する日付は、直接提出する場合は提出日、郵送する場合は投函日にするのが一般的です。
タイトルは「昇格推薦状」「弊社社員〇〇 〇〇の推薦について」など、一目で何の推薦状なのかがわかる内容にしましょう。
タイトルが長いと読みづらく、書類の体裁も崩れるため、端的に書くのがポイントです。
2.宛名と推薦する人の名前を記入する
推薦状には、宛名と推薦者の氏名も記入しておきましょう。「封筒に宛名と氏名を書いているから」と省いてはいけません。
提出先の名称と代表者の役職・氏名、推薦者の所属先(会社名・学校名など)と役職・氏名を省略せずに記入します。
昇格推薦状など社内の人に提出する推薦状の場合は、会社名を記入する必要はありません。
3.推薦者・被推薦者の関係性を記載する
推薦状には、推薦者と被推薦者の関係性も記載する必要があります。関係性が書かれていないと、推薦状の信憑性や説得力が薄れてしまうためです。
「私の信頼する部下」「弊社の〇〇部課長」「私が指導教官を務める〇〇学部〇〇学科の学生」など、どのような関係なのかがわかる文言を入れておきましょう。
4.推薦する理由・根拠を明記する
推薦状に書くべき項目でとくに重要なのが、推薦する理由・根拠です。
なぜこの人物・商品を推薦してきたのかがわからないと、採用するかどうかが判断できません。
「〇ヶ月連続で営業成績トップ」「〇〇について研究しており、論文も発表している」など、推薦する理由・根拠を具体的に記載しましょう。
人物の推薦の場合は、人柄や集団での立ち位置、スキルなども書いておくと、より魅力が伝わりやすくなります。
5.結びの文を記載する
推薦状の最後は結びの文として、推薦した人物・商品を採用することによって、どのようなメリットが得られるのかを書いておきましょう。
「行動力もあり、貴社のお役に立つ人物であると確信しております」など、改めて魅力を伝えてもかまいません。
シーン別の推薦状の書き方・例文
ここからは、シーン別により具体的な推薦状の書き方・例文を紹介します。
社内での昇格推薦状の書き方・例文
昇格推薦状など、社内で提出する推薦状の場合、頭語・結語や時候の挨拶などは必要ありません。基本的な構成は以下をご参考ください。
- 推薦日
- 推薦人物の名前とその人物を推薦する旨
- 推薦する人物の詳細・推薦理由
- 被推薦者の部署名・役職・名前
昇格推薦状では推薦する人物の評価や実績について、数値などを用いて具体的に記載することが重要です。人柄や勤務態度、スキルなども記載しておくと、魅力が伝わりやすくなります。
社内推薦状では推薦する人物の昇格に関わりますが、ときには被推薦者の評価にも関わることもあるため、例文を踏まえながら適切な文章を作成しましょう。
取引先への推薦状の書き方・例文
取引先へ人物や商品などを推薦する場合には、その人物や商品の魅力がわかりやすく伝わるように意識して書くことが大切です。
初めに作成年月日、宛名、差出人、タイトルを書いたら、以下の構成で作成すると良いでしょう。
- 頭語
- 時候の挨拶
- 人物を推薦する旨
- 推薦する人物の詳細・推薦理由
- 添付資料等について
- 一度お会い頂きたい旨
- 結語
推薦理由とともに、推薦を受ける側にとってどのようなメリットがあるのかも記載しておくと、より良い推薦状になります。
ワードのテンプレートを用意しておくと、スムーズに作成できるでしょう。
就職活動での推薦状の書き方・例文
就職活動においても、推薦状が活躍します。推薦があることで、その人物の人となりが保証されるため、採用に結びつきやすくなるのです。
企業によっては推薦状の提出を必須要件としていたり、推薦枠を設けていたりすることがあります。
たとえば、特定の研究をしている理系学生を専門職として迎えたいという企業は、毎年卒業予定者の推薦依頼を学校側へ送ることがあります。
就職活動での推薦状も、記載する内容に大きな違いはありません。初めに作成年月日、宛名、差出人、タイトルを書いたら、以下の構成で作成すると良いでしょう。
- 頭語
- 時候の挨拶
- 人物を推薦する旨
- 推薦する人物の詳細・推薦理由
- 添付資料等について
- 一度お会い頂きたい旨
- 結語
なお、学校側から企業に推薦状を提出する場合、差出人には大学の教授や学校の教務課責任者の氏名を記載します。
内定後の推薦状の書き方・例文
就職が内定してから、企業に「後付け推薦状」を求められることがあります。書き方は、就職活動における推薦状と同じような内容で構いません。
- 頭語
- 時候の挨拶
- 人物を推薦する旨
- 推薦する人物の詳細・推薦理由
- 結語
そもそも内定後に求められる「後付け推薦状」とは、企業側が内定辞退を防ぐために実施しているものです。企業側からすれば採用にもコストがかかるため、優秀な人材を確実に確保しておきたいという狙いがあります。
ただし、学生側としては内定辞退しにくくなるため注意が必要です。厳密にいえば「後付け推薦状」を提出した後でも内定辞退することは可能ですが、企業や学校、教授に迷惑をかけることになるかもしれません。
もし企業から「後付け推薦状」を求められたとき、他にも就職先の候補があるなら、慎重に対処してください。まずは学校や教授に相談し、学校側の考えやアドバイスを聞きましょう。
友人・知人の推薦状の書き方・例文
企業によっては、友人や先輩などからの推薦状を求める場合があります。書き方は、就職活動における推薦状よりも簡易的な内容で構いません。
- 頭語
- 時候の挨拶
- 人物を推薦する旨
- 推薦する人物の詳細・推薦理由
- 結語
友人や先輩など、身近な人からの推薦状を求めるのは、その人の能力や人柄を知るため。基本的なビジネスマナーや文法は押さえつつも、素直な言葉で人となりを綴ってみてください。
推薦状を書く時の注意点
推薦状の印象は、推薦される人物のイメージに影響します。良い推薦状を作成するためにも、推薦状を書く時の注意点を理解しておきましょう。
事実と異なることは書かない
人物や商品を推薦するということは、その人物・商品に対して太鼓判を押すということです。
推薦する人物・商品の魅力や、活躍できると思われる理由を明確に書きましょう。
ただし、採用に結び付けたいからといって、事実と異なることを書いたり誇張したりしてはいけません。後々トラブルになる可能性があるので、事実のみを書くようにしましょう。
実績・評価を具体的に記載する
推薦状には、実績・評価をできるだけ具体的に記載しましょう。
自分自身は、推薦する人物・商品について深く理解しているかもしれません。しかし、推薦を受ける側は、その人物・商品のことをよく知らないのです。
「去年より成長した」などの曖昧な表現では判断が下せないため、「営業目標を〇ヶ月連続で達成している」など、明確な根拠を示しましょう。
論理的に話を展開する
推薦状を書く時には、論理的に話を展開することも重要です。
推薦状の内容が支離滅裂では、推薦する人物・商品の魅力が伝わりません。まったく興味を持ってもらえなかったり、マイナスのイメージをもたれたりする恐れもあります。
あらかじめ構成を考えておき、順序立てて説明するようにしましょう。自分で内容を考えるのが難しい場合は、テンプレートを利用するのがおすすめです。
正しい日本語を使うよう心がける
推薦状は、正しい日本語を使って丁寧に書くよう心がけましょう。
日本語が間違っていたり、誤字脱字が多かったりすると、推薦状の印象が下がってしまいます。
推薦状を書き終えたら、最初から最後まで読んでみて、日本語の誤りや誤字脱字がないかをチェックしましょう。
推薦状は手渡しか郵送で送付
推薦状は手渡し、または郵送で送るのが一般的です。
「メールで送ってください」など指定がある場合は、メールで送ってもかまいません。
「推薦者の署名入りの推薦状を添付して送る」など、提出方法が細かく指定されていることがあるのでよく確認しておきましょう。
推薦状の封筒や宛名について
推薦状は、封筒に入れて厳封された状態で提出します。和文であれば縦書きの和封筒、英文であれば横書きの洋封筒を選びましょう。
宛名には、提出先の名称と代表者名を記載します。「(株)」などと省略せず、「株式会社」など正式名称を記載するのがマナーです。人事部長や製品部長など、宛名の指定があればそれに従いましょう。
差出人の箇所には、推薦状を書いた人の会社名と氏名を書き、封緘印を押します。また、封筒の表面には、朱書きで『親展』や『推薦状在中』と記載しておきましょう。
推薦状の添え状について
推薦状そのものを入れる封筒には、添え状をつける必要はありません。
ただし、推薦状を郵送する場合は、別途推薦状を入れる大きめの封筒と添え状をつけて送ります。
添え状は凝る必要は無く、宛先、差出人、記書きで推薦状やその他送付書類が何部あるかを明記し『何卒ご査収のほど宜しくお願い申し上げます。』と締めましょう。
まとめ
推薦状は、推薦する人物や商品が優れていることを保証するものです。推薦を受けた側は信頼感を持って検討に入ります。
そんな推薦状の体裁が整っていなかったり、マナーが守れていなかったりすると、推薦された人物・商品のイメージも悪くなるかもしれません。
良い推薦状を書くためにも今回紹介した内容を参考に、推薦状を作成してみましょう。
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