4P分析を活用したマーケティング方法
4P分析とは、どんな製品(Product)を、いくら(Price)で、どこ(Place)で、どのようにして(Promotion)売るかといった、マーケティングにおける4つの視点を組み合わせた、企業戦略を策定するための分析手法です。
このコラムでは、4P分析におけるそれぞれの視点を踏まえたテンプレートを紹介します。
4P分析とは
4P分析とは、マーケティングミックスとも呼ばれる分析手法のことをいいます。製品サイクルの成熟を促すための課題を抽出する手法です。製品が思うように売れないときや、市場展開の戦略を立てる際によく使われる分析手法です。
①物流(Place)の分析方法
魅力的な製品であっても、買えなければ意味がありません。量販店で売るのか、コンビニへ卸すのか、直販のみなのか、問屋を介在させるのかというところまで考える必要があります。流通網を整備することで機会損失を防止できます。製品の特性やターゲットなどを考慮しつつ分析する必要があるといえるでしょう。
②プロモーション(Promotion)の分析方法
素晴らしい製品であっても、多くの人に知ってもらわなければ売れません。販売市場に合致したコピーやキャンペーンをどのように考えたら良いか、宣伝媒体や費用などについて分析が必要です。例えば、高級外車と小型自動車では、同じプロモーションをしても馴染まないでしょう。それぞれの製品に合わせたアプローチ方法を分析する必要があります。
③価格(Price)の分析方法
製品を世に売り出すには、価格を設定しなければなりません。価格設定は、価値やブランド力などから分析して適切な金額を設定します。高すぎても売れないでしょうし、逆に安すぎても売れないことがあります。製品そのものだけでなく、認知度や人気、希少性など様々な観点からの分析が必要になります。
④製品(Product)の分析方法
どんなに良いプロモーションをしても、製品自体に魅力がなければ売れません。製品戦略には、機能性やアフターサービス、保証なども含まれます。製品名、色、パッケージデザインからサポート体制まで、競合にはどんな特徴があるのか、自社の強みは何かという視点で分析し、必要であればモデルチェンジを重ねて進化させていきましょう。
基本の4P 分析例
マーケティングの基本である4Pは、ミシガン州でマーケティングを研究していたエドモンド・ジェローム・マッカーシーが、1960年に提唱したものです。4つのPが互いに連携し、整合していることが重要なポイントとなります。基本的な分析例をご紹介しましょう。
1.Product
- 保有技術の棚卸し
- 新しいアイデアの検討
- 市場調査
- テスト
- 製品開発
2.Price
- 需要による価格決定(顧客の条件に合わせる)
- 競争による価格決定(競合に勝る価格を設定する)
- スキミング(リスクを回避し利益重視の値段設定)
- ペネトレーション(低い価格設定でシェア獲得を狙う)
3.Place
- 間接販売
- 直接販売
4.Promotion
- メディア広告
- セールスプロモーション
- WEBプロモーション
≫【無料】例文の入った「4P/5P」フレームワークのテンプレート
≫4P分析の書式テンプレート
4P分析の成功事例
4P分析は、実際のビジネスでどのように取り入れられているのでしょうか。例えば某化粧品メーカーでは、40代をターゲットにした商品のプロモーションに、20代の人気女優をCM起用したことで売上が伸び悩みました。若い層がこの化粧品を購入したものの20代の肌には合わなかったのです。これは、ターゲットの整合性が取れなかったゆえの失敗例といえるでしょう。このように、4つのPの整合性が取れていないとうまくいきません。
それでは、4つのPがうまく合致した、4P分析の成功事例を2つご紹介しましょう。
事例1)サードプレイスとしてのスターバックス
1996年に日本に上陸したスターバックスは、今も店舗数を増やしています。スターバックスはただコーヒーを売るのではなく、自由な時間を過ごせる場所、自宅でも職場でもないサードプレイスの提供を価値として定義しています。それにより、広告や宣伝をしなくても、かつ高めの値段設定であっても、常にたくさんのお客さんで賑わっているのです。また、ツタヤとコラボレーションしたブックカフェ型店舗や、緑地公園のような店舗、ドライブスルー型店舗など、地域のニーズに合わせた店舗展開で進化を続けています。
事例2)商品特性を活かしたコピーで躍進したファンケル
かつて化粧品販売は大量生産が主流でした。その頃ファンケルでは独自の厳しい基準を設け、厳選して商品を生産し、大量生産を行なっていませんでした。大量生産ではなかったからこそ、防腐剤を否定し、無添加のメリットを前面に出すプロモーションが功を奏したのです。また、対面販売ではなく通信販売という手段を採用し、営業費用を抑えることもできました。商品の特性をよく理解し、また肌に悩みを持つ女性をターゲットに絞ったことで、4つのPがうまく整合した成功事例といえるでしょう。
4P分析による企画書の作成方法
マーケティング戦略成功のポイントは、マーケティングミックスの4P全てが、うまく整合することです。そのため4P分析による企画書は、一目でそれぞれの項目がわかる、パワーポイントのフォーマットがオススメです。4Pごとに横軸でアプローチのフローを記載していきます。
≫【無料】マーケティング・ミックス(4P分析)02(Navy)
≫4P分析の書式テンプレート
まとめ
4P分析はマーケティングミックスとも呼ばれ、製品の販売促進をするために使用される、マーケティング要素の組み合わせを表しています。戦略を立てるにあたっては、4つのPを融合させることが大切です。製品特性を理解し、適切なターゲットに的確なタイミングでアプローチできるよう、テンプレートを参考にしてみてください。