伝わる報告書の書き方とは? 具体例やテンプレート付きで詳しく解説!
報告書とは、調査や研究の結果、業務の成果をまとめた文書のことです。しかし、どのように書けばよいのか悩む方も多いでしょう。
報告書を作成するときは、「表題→要旨→詳細」のピラミッド構造を基本とし、正確で簡潔な情報を盛り込むことが大切です。
このコラムでは、報告書の書き方に関する具体的なテンプレートや、わかりやすい手順を詳しく解説します。
これを読むことで、誰でも効果的な報告書を作成できるようになります。すぐに使えるテンプレートもご用意したので、ぜひ参考にしてください。
\ビジネスに役立つ資料を数多く掲載中!!!/
報告書を作成する目的
報告書は、上司や先輩など目上の人に、起きた事柄を共有する目的で作成されます。
例えば、上司は報告書をもとにプロジェクトの進捗状況を把握し、戦略立案に役立てることが可能です。社員の仕事ぶりを把握し、人事評価に役立てることもできます。
また社外報告書として、取引先との信頼関係の構築や回復を目指すことも一つの目的です。例えば、トラブルが起きた場合に迅速に情報を共有し、対応するために報告書を作成します。
報告書が必要とされる場面
報告書が必要になる場面は、主に以下の5つです。
- プロジェクトの進捗報告をするとき
- 研修を受けたとき
- 出張に行ったとき
- 分析結果を報告するとき
- トラブルが発生したとき
ビジネスの幅広い場面に対応できるようにしておきましょう。
プロジェクトの進捗報告をするとき
報告書は、プロジェクトの進捗報告をするときや、プロジェクト管理を効果的に行いたいときに必要とされます。報告書があると、チームメンバー間での意思疎通を図り、共通認識を持って問題に取り組めるため効果的です。
中規模以上の会社では、取締役や取締役社長など上層部に対して報告書を提出することもあります。
また、複数の企業が関わるプロジェクトでは、相手企業との事業展開に関する詳細な進捗報告が求められるケースが多いです。報告書を通じてプロジェクトの進行状況を俯瞰的に見られるため、現状の課題や遅れを把握し、適切な対策を行えます。
研修を受けたとき
社内研修や社外セミナーを受けた後、研修内容や所感をまとめた報告書を提出する場合があります。研修で学んだ内容を具体的に挙げ、それが業務にどのように活かせるかを報告することが目的です。
上司やチームメンバーに研修やセミナーの成果や内容を伝えると、知識の共有になります。部署やチームなどの小さい組織でレベルアップすることが、会社全体でスキルの底上げにつながるでしょう。
報告書では、受講した研修やセミナーの内容の要点を明確に記載します。
出張に行ったとき
報告書は、出張先での業務内容や成果を組織内で共有する際にも使用されます。出張の目的が達成されたか、出張の意義があったかを確認するためです。
特に営業部では、営業担当者が顧客ごとに逐一報告を行います。営業部以外でも、長期の海外出張や重要な顧客への出張では別途報告書が必要とされる場合が多く、報告する内容も増えます。
要点を押さえつつ、コンパクトにまとめることが大切です。
分析結果を報告するとき
報告書は、既存商品・新規開発商品の分析結果の確認や、経営分析にも必要です。
分析結果の報告書は、研究開発を行う会社の研究所やマーケティング部門、データサイエンティストによる分析が戦略になる会社などで多く役立ちます。
経営分析の報告書は、経営面で発生している事象に関して課題提起して、結果の評価や施策の提案を報告するものです。主に戦略事業部や、経営企画室が作成します。
トラブルが発生したとき
トラブルが発生した際に、トラブルの内容や謝罪、対策等をまとめて社内外に報告書を提出します。
例えば、機械トラブルや金銭トラブル、不良品の発生などが起きたときに、製造ラインの停止時間、機械損失などの影響を詳細に報告することが目的です。
トラブルが取引先に影響する場合は、客観的な事実や、謝罪、再発防止策を明示してください。報告書によってトラブルの正確な記録と管理ができます。
トラブルが発生したときの報告書は、顧客満足度の向上や企業の成長に繋げるためにも重要です。
報告書の構成の作り方
報告書は、「表題→要旨→詳細」のピラミッド構造で説明するのが一般的です。
- 表題:報告書全体の内容を一言でまとめる
- 要旨:報告書で何を伝えるのか、要素ごとにまとめる
- 詳細:伝えるべきことを、一つひとつ詳細に伝える
「表題→要旨→詳細」の順で書くと、シンプルかつ明確な報告書に仕上がります。
また詳細を書いて、「この報告書は何を伝えているのか」を自分自身が把握することも大切です。報告書の内容を自分でしっかり理解しておくと、要約部分である表題や要旨も書きやすくなります。
報告書の書き方のポイント
わかりやすい報告書を作成するポイントは、『誰に』、『どんな目的で』報告するのかをあらかじめ想定しておくことです。
そして、起きた事実をそのまま伝えることが求められているのか、または改善案や提案を加えることを求められているのか、そこを見極めて項目を削ったり、付け加えたりすると良いでしょう。
要点を押さえた報告書作成のポイントをご紹介していきます。
①提出する相手や目的にあったまとめ方をする
まずは、その報告は誰に向けて書くものなのかを明確にしておきましょう。提出先は大きく分けて3者が想定されます。
- トップ・役員向け
- 部内向け
- お客様向け
それぞれを提出先にしたときに気をつけたいポイントを挙げてみましょう。
1.トップ・役員向け
報告事項は短く簡潔にし、判断がしやすい構成にしましょう。
会社トップは非常に多くの案件を抱えており、1つの事案に多くの時間をかけることができません。そのため判断を下しやすいように、メリットやデメリットを明確にしておくことが大切です。
2.部内向け
上司の求める内容をあらかじめ調査しておき、その結果を盛り込みましょう。
作成に取り掛かる前に、まず上司が求めるポイントを把握しておくのがベストです。
上司の意図と報告事項がブレていると、作成し直しになることもあるので注意してください。
3.お客様向け
期限厳守、形式と丁重さを忘れないことを重要視してください。
社外文書には共通していえることですが、失礼のないよう形式を重んじます。
また、期限は厳守し、できれば設定された期限よりも早く提出することが望ましいでしょう。
②構成を意識する
報告書の作成にあたり、全体の構成を意識することが大切です。報告書の構成は、一般的にピラミッドで表されます。
ピラミッドは大きく分けて3層構造になっており、上から表題、要旨、詳細です。ピラミッドの頂点が要約であり、下に行けば行くほど詳細な事柄を意味します。
報告書はつい表題、つまりタイトルから書きたくなるものですが、書き出そうとすると案外難しいと感じるかもしれません。逆に、詳細から書いていくとうまくまとめられるものです。
全体構成を意識して、詳細から要約、要約から表題と書いてみてください。すると、一本筋の通った報告書が書きやすくなるはずです。
③正確な情報を簡潔にわかりやすく
報告書は作文ではないので、正確な情報を簡潔にわかりやすく書くことが求められます。
報告内容に説得力を持たせるために、図や表を取り入れると良いでしょう。特に忙しく時間のない役職者であると、長い文章を最後まで読まない人もいます。
そのような場合には、一目でわかる図や表が重宝されるのです。また、重要なところを太字にしたり、カッコや下線などを効果的に使用したりするとより良いでしょう。
④文章の書き方に注意する
ビジネスの場では、いかに要点を絞るかが重要視されます。そのため、文章も長くなりすぎないよう文字量にも着目してみましょう。句読点についても、読点が続き1文が長くなりすぎる場合は、適当なところで句点を入れます。
また、『ですます調』と『である調』の混同は文章を書くうえでタブーとされています。最後に見直しをして都度修正をしていきましょう。
シーン別|報告書の例文とテンプレート
会社では、『報告書』を提出するシーンが多数あります。出張報告書、業務日報、クレーム報告書、研究結果報告書、CSR報告書、事故報告書、調査報告書などです。
上司に提出を求められたら速やかに作成できるよう、テンプレートを持っておくと良いでしょう。
次に、報告書の例をいくつかご紹介します。ビズオーシャンでは、ダウンロードして使える報告書のテンプレートを取り揃えています。報告書を作成する際は、ぜひご活用ください。
業務日報
職場や職種によっては、業務日報の提出が求められることがあります。これは、その日に行った業務の内容や気づいたことを報告する書類です。
新しい業務に従事するときや新しく担当することになったとき、その業務を1人でこなせるようになるために書くケースが多いです。
また、接客業など、日々変化のある職種でも、日報の提出が必要なこともあります。
<記載すべき項目>
- 今週従事する主な活動とゴール
- 本日の業務内容(時間ごと)
- 進捗状況
- 特記事項
- 気づいたこと
さらに詳しくはこちら
業務日報の書き方と例文
クレーム報告書
会社が扱う製品やサービスに不備・不具合があったとき、お客様からクレームを受けます。そのクレーム内容をまとめて報告する書類がクレーム報告書です。
不具合の解消や改善のためにも、事実をもれなく書く必要があります。
クレームの中に大切なヒントが隠されていることもありますから、私情を挟まず客観的に書くことが求められます。
<記載すべき項目>
- 顧客名
- クレーム発生状況
- クレーム内容
- クレームへの回答
- 今後の対策
【関連記事はこちら】
研究結果報告書
新製品を開発するため、研究開発チームが組まれることがあります。研究結果報告書は、新製品の性能、サービスの強みに関わるものです。
正確さが求められるだけではなく、企業秘密が含まれる場合もありますから取り扱いには注意が必要です。
研究の結果わかったこと、所見を盛り込み、具体的な数値があれば資料を別添しても良いでしょう。
<記載すべき項目>
- 研究名
- 研究実施時期
- 研究担当者名
- 研究目的
- 研究場所
- 研究の経過
- 研究結果
- 所見
- 添付資料
社内・社外向け|報告書の書き方と例文
報告書の提出先が社内なのか、社外なのかで、書き方は少し異なります。ここでは、社内向け・社外向けの報告書の書き方を見ていきましょう。
【社内向け】報告書の書き方と例文
社内向けの報告書は、できるだけ内容をシンプルに分かりやすく記載するのが基本です。
かしこまった文章にするよりも、いかに明確に書くかが重要になります。報告するべき事項の経緯や原因、これからの対応策や見通しなどを、できるだけ詳しく明記してください。
社内向けの報告書であれば、細かいところを口頭で補足することも考えられます。口頭で補足できる状況であれば、伝えたいことを頭の中で整理しておきましょう。
【社外向け】報告書の書き方と例文
社外向けの報告書は、取引先との関係性を考慮しながら記載することが大切です。
社内向けの報告書よりも丁重なレイアウトや文章を意識し、事実を客観視しながら明記してください。状況を正しく理解してもらえるように記載したら、提出前に必ず内容を上司にチェックしてもらいましょう。
内容については経緯や原因はもちろん、時候の挨拶やお詫びの言葉、結びの挨拶も丁寧に記載します。社内に独自の報告書様式(テンプレート等)が用意されている場合もあるので、必ず確認した上で慎重に作成してください。
報告書を書くときの注意点
報告をする際、口頭であれ文書であれ日本人は前置きが長くなってしまう傾向があります。
報告書を書くときは要点をまとめ、簡潔に書くことが大切です。報告書を書くときに気をつけたい注意点を5つ挙げますので、これらを意識して報告書を作成してみましょう。
- 読みやすく簡潔に
- 相手にわかりやすい言葉で
- 内容を正確に
- 事実を伝える
- 納期を守る
報告書の所感について
ビジネス報告書では、作成者の所感を入れることがよくあります。気をつけたいのは、所感は感想文ではないということです。
そのため、ただ思ったことを書けば良いわけではありません。その報告事項を通して感じたことを書くだけでなく、それを今後の業務にどう活かしていこうとしているのかを示すことが大切です。
改善提案をし続けられる人は、成長し続ける人として評価されます。報告の中にビジネスの切り口を見つけることを意識して、所感を書くようにしましょう。
報告書の表紙の有無について
報告書には表紙をつける場合とつけない場合があります。社内報告書であればほとんど表紙をつけることはありませんが、社外向けの文書では製本して表紙をつけることもあります。
例えば、決算報告書やマニュアルレポート、CSR報告書などです。株主や顧客向けの報告書には表紙をつける場合が多くなります。
また報告書の内容によっては絵柄つきであったりデザイン性のあるものが採用されることもあるでしょう。その違いは、パンフレット的要素があるかどうかというところにあります。
活動報告書など会社紹介の意味合いがあるものはデザイン性が高く、決算報告書などの経営状況を表すものはシンプルな文字だけの表紙になる場合が多いです。
報告書のフォントについて
ビジネス文書を作成する際に迷うのがフォントですね。フォントを選ぶポイントは、見やすさです。
一般的にビジネスで使われるのは、見出しやタイトルはゴシック体、文章は明朝体です。文字サイズは11~12ポイントが見やすいといわれています。
まとめ
報告書は、上司の指示に基づいて行った業務の結果を報告する書類です。そのため、事実を正確にわかりやすく書くことを意識しましょう。
改善の視点から所感を盛り込むとさらに評価はアップします。フォーマットを参考にして、さまざまなシーンに合わせた報告書を作成してください。
\ビジネスに役立つ資料を数多く掲載中!!!/