初心者でも簡単! 申立書の書き方を例文テンプレート付きで徹底解説

申立書は「もうしたてしょ」と読みます。普段の生活ではあまり馴染みがないかもしれませんが、役所やハローワークなどの手続きで必要になることが多い書類です。
申立書は、個人で作成することもあれば、会社の業務として作成することもあります。申立書の作成方法を知っておくことは、ビジネスシーンにおいて大いに役立つでしょう。
この記事では、申立書の書き方や具体的な例文について、詳しく解説していきます。すぐに使えるテンプレートもご用意したので、ぜひ参考にしてください。
申立書とは
申立書とは、もともと申請していた内容に変更が生じた場合に、その変更内容や理由を記載して提出する文書や、裁判所に対して特定の内容の訴訟行為を求める意思表示を記載した文書のことです。
あらかじめフォーマットが用意されている場合はそれに沿って記入すればよいのですが、フォーマットがない場合は自分で申立書を作成することになります。
その際に必要な情報の記載漏れがあると受理してもらえないこともあるため、基本的な記載事項をしっかりと押さえておくことが大切です。
申立書の記載が必要なのはどんな時
申立書が必要となるのは、基本的に既存の契約内容などを変更する時です。新しく何かを申請する場合には、必要ありません。
以下では、申立書の記載が必要となるケースについて解説します。
被扶養者の新規加入が発生した時
被扶養者が社会保険へ新規加入する場合は、申立書による申請が必要です。
たとえば、社員が結婚して配偶者を扶養家族に迎えた時や、新しく子供が生まれた時が該当します。被扶養者の新規加入に申立書が必要なのは、元々の社会保険の内容を変更することになるためです。
被扶養者の新規加入だけでなく、扶養から外す場合や住所を移す場合にも、人事・労務担当者は、申立書を通して社会保険労務士事務所に手続きを依頼します。
申立書には、従来の社会保険の契約内容と照らし合わせて、変更する内容とその理由を簡潔に記入しましょう。
退職手続きで企業から出された離職理由に納得できない時
退職手続きで企業側から出された離職理由に納得できないケースでは、離職理由を変更する申立書を作成し、異議を申し立てることが可能です。
たとえば、不当解雇にも関わらず、離職票に「自己都合」と記載された場合、「会社都合」へ変更してもらいたい旨を記載した申立書を作成します。異議申立書を作成したのち、離職票とともにハローワークへ提出しましょう。
ハローワークは申立書を基に、会社側と離職者の双方を調査して、離職理由変更の最終的な判断を下します。そのため、申立書には変更を願い出る理由や、不当解雇の場合はその詳細などを、客観性と正当性をもって記載するのが重要です。
担保の不動産を競売にかける時
金融機関等の債権者が担保不動産競売を実行する際には、まず申立書を提出する必要があります。
担保不動産競売とは、債務者の返済が滞った場合に、債権回収に充てるため、担保の不動産を競売にかけることです。担保不動産競売の申立書は、当該不動産の所在地を管轄する地方裁判所に提出します。
担保不動産競売に申立書が必要なのは、契約どおりの返済が行われていないことを主張するためです。本来なら、担保を競売にかける必要はないので、ある意味で契約内容の変更とも言えるでしょう。
担保不動産競売の申立の際には、申立書のほかに、意見書や不動産登記事項証明書など複数の書類の提出が必要です。
申立書の書き方と記載すべき項目
申立書の書き方に厳密な決まりはありませんが、忘れずに記載しておきたい項目があります。
- 申立人の住所・氏名
- 申立の日付
- 申立の内容
それぞれの項目について解説します。
申立人の住所・氏名
申立をする人、もしくは会社の住所と名前を書きます。集合住宅に住んでいる場合は部屋番号も必ず記載してください。
氏名や会社名の最後には押印をするのが通例となっていましたが、2020年11月より9割以上の行政手続きにおける原則押印廃止が決定されたため、最近では押印不要とするところも増えてきました。
押印する場合でも、認印・実印どちらでもよいとするのが一般的です。
申立の日付
日付をいつにするかは迷う方も多いのですが、基本的には申立書を提出する日と考えてよいでしょう。
申立書を作成した日ではないので注意が必要です。
申立の内容
申立書の中心となる部分です。申立書は先に提出してある申請書の内容を変更するための文書なので、そちらもふまえて書くとよいでしょう。
ただし、文章がむやみに長くなってしまうと、相手に内容が伝わりにくくなってしまうことがあります。文章は長すぎず簡潔に、事実のみを正確に書くようにしてください。
申立書の例文
ここでは、申立書の例文を紹介していきます。
テンプレートも用意しているので、いちから書くのが不安な場合は、テンプレートを参考にするとよいでしょう。
被扶養者加入手続き申立書
子供が新たに生まれたとき、家族が失業したとき、収入の少ない親と同居したときなどに提出します。健康保険や年金にかかわる手続きのため、社会保険事務所に提出するのが一般的です。
扶養家族の変更があった場合には速やかに提出する必要があります。
離職理由変更の申立書
従業員が退職するとき、会社側から「離職票」という退職を証明する書類を受け取ります。離職票には離職理由を書くことが必須となっており、理由によって失業手当の額や受給期間なども違ってくるため、離職理由には正確性が求められます。
「会社都合にも関わらず自己都合になっていた」などの誤りがあった場合は、離職理由変更の申立書を、離職票とともにハローワークへ提出しましょう。
担保不動産競売申立書
「お金を貸したのに返してもらえない」「住宅ローンの返済がなされない」などの場合に、相手(債務者)が担保とする不動産を競売で売却して債権を回収するための申立書です。
申し立ての対象は、当該不動産の所在地を管轄する地方裁判所となります。
ビジネスに効く『文珠の知恵』 ビズオーシャンで公開中
ビズオーシャンでは、あらゆるケースに対応した申立書のテンプレートを取りそろえています。それ以外にも、ビジネスで活用できる書式テンプレートが無料でダウンロード可能です。
書式テンプレートでバックオフィス業務効率化
ビズオーシャンの書式テンプレートは、2万8,000点以上の企画書やビジネス書式があり、無料でダウンロードできます。書類作成に時間がかかってしまう方には特におすすめです。
請求書などのバックオフィスで使用する書式も、ダウンロードだけですぐに手に入れることが可能です。バックオフィスの面倒な作業を削減でき、業務効率を大幅に向上させられるでしょう。
セミナーで業務に活きるナレッジを紹介
ビズオーシャンでは、ビジネストレンドを取り入れたオンラインセミナーを定期的に開催中です。中小企業向けに、人材活用からマーケティングまで、社内外問わず活用できるナレッジを紹介しています。
具体的なセミナー情報は、下記からご確認ください。
まとめ
申立書には多くの種類があります。共通しているのは、先に申請していた内容を変更するために提出する書類だということです。
内容によって提出する相手は異なりますが、基本となる記載事項は「申立人の住所・氏名」「申立の日付」「申立の内容」です。
さまざまなテンプレートを用意しているので、ぜひ参考にしてみてください。