販売店・代理店契約書の書き方・見本
販売店・代理店契約書とは、店とメーカー(サプライヤー)の間で取り交わす契約書です。
本コラムでは、販売店・代理店契約書やそれらに関する書類の書き方について解説します。
販売店契約書とは
販売店契約とは、制作元が販売店に商品を販売したりサービスを供給したりして、販売店が制作元から購入した商品やサービスを、自らの名称で顧客に販売するための契約です。それを文書にしたものが販売店契約書となります。
印紙は必要か
永続的な取引となる契約書は印紙税額一覧表の第7号文書にあたり、印紙が必要になります。税率は1通につき4,000円です。ただし、契約期間が3ヶ月以内であり、更新の定めのないものは対象外となります。しかし内容によっては該当となることもありますので、契約締結の際に注意してチェックする必要があります。
販売委託契約書の書式と雛形
販売店契約は継続する売買取引になりますから、売買基本契約書と同様の書式で作成するとよいでしょう。ただし、制作者の販売店への協力義務、商標権の利用、独占的販売権の有無、販売促進義務などを事前に取り決めておくことが大切です。また、販売店は自己のリスクをもって顧客に転売することを認識しておきましょう。
商品販売リスク、商品代金の回収リスク及び商品在庫のリスクが伴います。そして、顧客から商品に対するクレームがあったとしても、顧客との売買契約の当事者は販売店であるため、それに対する責任も負うことを忘れずに。
販売委託契約書の作成にはWord(ワード)の雛形が便利です。
代理店契約書とは
代理店契約は販売店契約と混同して使用されることもありますが、内容は異なります。販売店契約は販売店と顧客で売買契約を締結するのに対し、代理店契約は制作者と顧客とで売買契約を締結します。つまり、代理店は契約当事者とはならず代金回収等のリスクも負いません。代理店が制作者の代理人として商品を販売するための契約書を代理店契約書といいます。
印紙と印鑑は必要か
代理店契約書も販売店契約書と同様、印紙が必要です。また、貼り付けた印紙と契約書の両方にかかるようにして印鑑を押すことで印紙が再度使用されないようにします。これを『消印』といいます。使用する印鑑は実印でなくとも構いませんが、契約書の署名欄に押印したものと同じ印鑑を使います。
代理店と特約店の違い
業種によって代理店と特約店は同じような扱いになっているところもありますが、代理店と特約店の位置づけは下記のように異なります。制作元、メーカーと契約をして一定地域の販売を代理する卸売者を代理店といいます。一方、制作元、メーカーと特定の条件をつけた特約契約を締結し、販売活動を行う卸売者を特約店といいます。特約により、メーカーの支配力は代理店よりも強くなる傾向にあります。
代理店契約書の書式と雛形
代理店は、メーカーと顧客の販売仲介を行いますが、メーカーと販売代理店との間には売買契約の締結はされません。代理店契約では、メーカーから代理店業務を委託された形になることから、業務委託契約に近いものになります。
そのため、業務委託契約書を雛形とした代理店契約書を作成するとわかりやすいでしょう。代理店がメーカーのために取引の取次ぎ、代理を提供することによる手数料が代理店の報酬になります。商品はメーカーから直接顧客に渡りますので、代理店は基本的に商品の在庫を抱えることはなく在庫リスクを負いません。
そのような特徴を頭に入れて契約書を作成していくとよいでしょう。
販売店・代理店契約書作成時の注意点
契約書を一度締結すると、契約内容に書かれていることと異なることはできません。ですから、販売店・代理店契約を結ぶ前にそれらの特徴や自身の業態をよく理解しておくことが大切です。契約が足かせになってしまっては元も子もありませんね。
まとめ
販売店契約とは、制作元が販売店に商品やサービスを供給し、販売店がそれらを自らの名称で顧客に販売するための契約です。
代理店契約は制作者と顧客とで売買契約を締結し、制作者の代理人として商品を販売するための契約です。
また、印紙税額一覧表の第7号文書にあたるため、1通につき4,000円の印紙が必要となります。代理店契約と販売店契約は混同されやすいですが、メーカーと契約をして一定地域の販売を代理する卸売者を代理店といい、メーカーと特定の条件をつけた特約契約を締結し、販売活動を行う卸売者を特約店といいます。
販売店・代理店契約を結ぶ前にそれぞれの特徴や自身の業態をよく理解しておくことが大切です。フォーマットを参考にして、契約書を作成してください。