結婚式招待状の返信の書き方は?マナーやメッセージ実例を解説
結婚式の招待状が自宅に届いた際、どのように返信するのがよいのでしょうか。
ここでは、招待状を返信する上でのマナーや、返信はがきの書き方について解説します。
結婚式の招待状を返信する上で最低限のマナー
1.返信は遅くとも1週間以内に送るようにする
出欠の返事を早く出すことは、お祝いの気持ちの表れになります。早すぎて困ることはないので、出席が決まっているならできるだけ早めの返信がおすすめです。迷っている場合でも、1週間以内には返信はがきを投函しましょう。
2.欠席する場合はすぐに返信を送らないように
やむを得ず欠席する場合でも「何とか出席できるよう調整した」という努力の姿勢は伝えたいものです。すぐに欠席の返事が届くと先方はさみしく感じるのではないでしょうか。返信まで間を空けるほうが無難でしょう。ただし、期日ギリギリになると席次決めなどの作業が進まず、先方に迷惑をかけることになるので注意が必要です。
また、結婚式には出席しなくても、ご祝儀やお祝いの品を贈るのがマナーです。結婚式の前に着くように手配し、当日は祝電を打つことで気持ちが伝わります。ご祝儀を送付する場合は現金書留を利用し、出席する場合の2分の1か3分の1程度の金額で、お詫びとお祝いの言葉を添えるようにしましょう。
3.電話やメール、SNSだけで出欠連絡を済まさない。必ずはがきで回答する
結婚式の出欠連絡は「はがきが正式な回答」になります。ただし、先方と親しい間柄で、自分の出席の調整に時間がかかりすぐにはがきが送付できないといった事情があるときなどは、事前にSNSやメールなどで連絡をしておくのも失礼にはあたりません。事情の説明と、正式な返事のはがきをいつ頃送ることができるかを伝えましょう。
先方は、返信はがきの集計をもとに席次や料理、引き出物の準備を進めます。返信はがきは事務作業をスムーズに進めるために必要不可欠です。
4.なるべく毛筆や万年筆を使う。なければ黒色のペンで書く
返信はがきに記入をする際は、できれば毛筆または黒インクの万年筆を使います。ただし毛筆や万年筆を使い慣れておらず、文字が乱れるのは失礼にあたります。普段から使い慣れたインクペンを使っても問題ありません。
インクの色は基本的に黒色がマナーですが、黒に近いブルーブラック(万年筆のインクの色)も使えます。ただし、おめでたいことだからといって、ピンクやオレンジなどカラフルな色を使うのはNG。特に、グレーは不祝儀で使われる色なので、お祝いごとでは避けましょう。
返信はがきの書き方
- 「御芳」までが敬称。消すのを忘れずに。
- 一文字を消す場合、横線や縦線は見にくく、「刺す」イメージにもつながるため、斜め線とします。
- 文字を消す場合、二重線ではなく「寿」を使うほうが丁寧と言われています。しかし、全てを「寿」とすると文字が混み合いうるさい印象を与えます。一文字だけ「寿」を使っても気持ちは伝わるでしょう。美しい文字を書く自信のある方には特におすすめです。
- 空欄に一言メッセージを添えます。スペースが限られているので短文で簡潔に。
- 句読点は「区切る」「終わる」イメージのため、使用を避けます。
- 下記のような忌み言葉は使用しないようにしましょう。
- 別れを連想させる単語
終わる 切る 離れる 分ける 逃げる 飽きる 別れる 敗れる 等 - 不幸を連想させる単語
最後 泣く 悲しむ 消える 壊れる 冷める 去る 等 - 重ね言葉(再婚のイメージ)
重ね重ね いろいろ くれぐれも たびたび 次々 ますます もう一度 等
- 別れを連想させる単語
招待状に書き添えるメッセージ例
出席の場合
祝福の言葉/招待へのお礼/嬉しい気持ちを書き添えます。
- *一般的(出席)
- ご結婚おめでとうございます
お招きいただきありがとうございます - *友人(出席)
- ご結婚おめでとうございます
お二人の晴れ姿を楽しみにしております
欠席の場合
祝福の言葉/招待へのお礼/欠席の理由/残念な気持ちを書き添えます。
- 弔事や病気、怪我などが理由で欠席する場合は「やむを得ない事情」などとぼかして書く
- 仕事などが理由の場合も「忙しい」「時間が取れない」とは書かず、上記と同様に「やむを得ない事情」などと書く
- 出席できなくて残念だという気持ちを伝えること
- *一般的(欠席)
- ご結婚おめでとうございます。
せっかくご招待いただいたのですが
やむを得ない事情で欠席させていただきます
お二人の幸せを心よりお祈りしております - *友人(欠席)
- ご結婚おめでとう!
本当に楽しみにしていたのですが
やむを得ない事情で欠席させていただきます
お二人の末永い幸せを祈っています
すてきなお式になりますように!
こんなときはどうしたらいい?招待状の返信FAQ
1.出席で返信していたのに行けなくなってしまった
欠席が分かった時点で、欠席になった事情とお詫びをすぐに電話で連絡をします。なお、身内の不幸などの縁起が悪い理由の場合は、あえて触れないようにしましょう。
また、欠席する場合でもご祝儀を渡します。結婚式の直前にキャンセルした場合、一般的には出席したときと同額のご祝儀を渡します。10日ほど前であれば料理や引き出物のキャンセルが可能なことも多いため、出席したときの半額程度でよいでしょう。
ご祝儀の渡し方は、結婚式が終わって落ち着いた頃を見計らって、新郎新婦に直接お渡しするのがマナーですが、遠方の場合や都合が合わないときは現金書留で送りましょう。その際にお詫びとお祝いのメッセージを同封すると誠意が伝わります。
2.結婚式の日取りが忌中だった
忌中(四十九日)の場合は、出席を控えるのがマナーです。喪中(一年)でも心の整理がつかない場合は欠席しましょう。ただし、近年は考え方も変わってきました。ケースバイケースで、忌中・喪中であっても先方がそれを気にせず強く出席を望み、自分自身も心の整理がついて祝福する心の余裕があれば、出席してもよいという傾向にあります。ただし、年配の方にはまだまだ否定的な意見もあるので十分に気をつけましょう。
欠席の場合、返信はがきに身内の不幸をそのまま伝えるのはNGです。幸せに水を差し、相手に気を遣わせてしまいます。忌中の場合は「やむを得ない事情で…」とするのがマナーです。ご祝儀やお祝いの品は忌明けに贈るのがよいでしょう。
■補足説明:忌中と喪中の違い
「忌中」と「喪中」は意味も期間も違います。忌中は「死」によるけがれから避けること、喪中は故人を偲ぶ期間です。ただし「身内の不幸に対して振る舞いを慎む」という点では共通しています。
- 忌中(きちゅう):四十九日の法要まで(神式では五十日祭)
- 喪中(もちゅう):忌中を含む一年間
3.子供を連れて行きたいとき
基本的には「どうぞお子様もご一緒に」と先方から言われない限り、子供を連れて行くのはマナー違反です。ただし親戚であれば、子供も一緒に招待されることが多いようです。
子供を連れて行きたいときは事前確認が必要です。一般的には、正式な招待状が届く前に出席打診の連絡があるはずなので、その際に聞いてみましょう。
「ご一緒にどうぞ」と言われた場合、乳児で席がいらなければ大丈夫ですが、席が必要な場合は子供の料理分もご祝儀にプラスします。以下、子供分としてプラスするご祝儀額の参考例です。
- 乳児
- 席も料理も不要→ご祝儀なしでOK
- 料理は不要。ベビーベッドの用意が必要→5,000円~10,000円程度
- 幼児(2~5歳):席と幼児用の食事が必要→5,000~10,000円程度
- 小学生:席と子供用のコース料理→10,000円程度
- 中学生以上:大人と同様と考える→10,000~15,000円程度
※親のご祝儀と合わせて偶数や端数になる場合は、その分をプレゼントとしてお渡しするのがおすすめです。
子供が泣きだしたり、騒いだりしてしまうことも考え、席は出入り口に近いところをお願いするとよいでしょう。ミルク用のお湯などは用意してくれるところが多いですが、事前に確認しておくと安心です。
披露宴では来賓の挨拶や、両親への挨拶などの大切な場面で披露宴の雰囲気をこわさないように気を付けましょう。
4.夫婦連名の招待
招待状が夫婦連名で届いた場合、そろって出席できるのであれば夫婦の名前を書きます。どちらか一名の場合は、出席に〇をして、出席できるほうの名前を記入し、余白にお祝いのメッセージと欠席の理由を差しさわりない程度に書きましょう。
5.妊娠中の招待
まずは自分自身の体調を考慮しましょう。晴れの日に相手に迷惑をかけることは避けなければなりません。どうしても出席したいときは、担当の産婦人科医にも相談。許可が出たら、妊娠中であること、医者の許可が出たこと、もしかしたら途中で失礼するかもしれない、といったことを先方に電話で伝えます。招待状のお返事にも、ひと言添えるとよいでしょう。
欠席する場合は、やはり電話で事情を説明し、返信はがきにもひと言添えます。例えば「残念ですが妊娠初期のため…」「あいにく間もなく出産のため」などとするのがよいでしょう。「体調が悪い」といった言葉は心配をかけてしまうので注意しましょう。
当日は体を冷やさないよう、また、移動手段などを調べてしっかりと準備をしておくことも大切です。
6.当日、急に行けなくなった!
結婚式当日、新郎新婦や親族はタイムスケジュールに沿ってあわただしく過ごしているはずです。余裕がない新郎新婦本人に直接電話をしてはいけません。式場に連絡をして、主催者側に伝えてもらいましょう。合わせて、一緒に出席するはずだった友人などにも連絡が必要です。あなたがいないと心配するかもしれません。新郎新婦本人には、当日はSNSやメールなどでお詫びとお祝いの言葉を送り、後日改めてお詫びの連絡をしましょう。お祝いなどの対応は、上記と同様に、結婚式が終わって落ち着いた頃を見計らうようにします。
まとめ
「結婚式・披露宴に招かれる」ということは、人生最大の儀式の立会人に選ばれたということです。結婚式は、その後の人生においても「よいお付き合いをしていきたい」と改めて信頼関係を築いていく場でもあります。しかし、だからといって絶対に出席しなければならないということではありません。スケジュールや立場、経済面、体調など諸事情を考え合わせ、出席するか否かを決めましょう。当たり前ですが、仕方がなく出席するのではなく、心から祝福する気持ちが大切です。招待状の返信は、その気持ちを表す第一歩。出席・欠席どちらの場合でも、晴れの日に向け忙しい日々を過ごしている二人に心温まる祝意を伝えましょう。 “しきたり・礼儀・マナー”を身につけ、「ともに喜ぶ気持ち」を大切にしたいものですね。