【2026年版】申出書とは? 意味や正しい書き方を例文付きで解説!
申出書とは、会社へ正式な要求を伝える文書であり、所定の書き方とマナーを守って作成することが重要です。育児休業や時短勤務を利用する際、「どう書けばスムーズに受理されるの?」と書き方に悩むことも多いですよね。
この記事では、申出書の正しい書き方をケース別の例文付きで分かりやすく解説します。また、法改正に対応した注意点や、トラブルを防ぐためのポイントについても触れています。
※本記事の内容は、2026年8月現在の実務慣習および法律(育児・介護休業法等)に基づいた解説を想定しています。実際の労働契約の解釈や、労使間における個別具体的なトラブル対応にあたっては、自社の就業規則を必ず確認のうえ、弁護士や社会保険労務士などの専門家、または労働基準監督署等の公的機関への相談を推奨します。
【この記事のポイント】
- 申出書は自らの希望や要求を会社に正式に申し出るための重要な文書であり、育児休業や時短勤務等の手続きにおいて労使間のトラブルを防ぎ、透明性を保つ役割を果たす。
- 申出書を作成する際は社内の所定フォーマットを最優先に使用し、提出年月日や申し出内容等の基本項目を網羅したうえで感情論を排して、客観的事実を簡潔に記述することが求められる。
- 申出書を提出する際は就業規則等で定められた提出期限を事前に確認し、直属の上司や人事部へ早めの相談や調整を行ってから正式な手続きへ進めることが、スムーズな受理につながる。
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申出書とは? 意味と読み方を分かりやすく解説
ビジネスシーンにおいて、口頭でのやり取りだけではなく、正式な手続きとして文書を提出することが求められる場面が多々あります。そのなかでも、とりわけ人事・労務関連の手続きで頻繁に登場する文書が「申出書」です。
ここでは、まず申出書という言葉の基本的な意味や読み方、そしてビジネス実務における位置づけについて、初学者の方にも分かりやすく、かつ深く掘り下げて解説していきます。
申出書の意味と読み方
申出書は、「もうしでしょ」と読みます。
申出書とは、言葉のとおり「自らの意見、希望、要求、または決定事項等を、相手(主に会社や組織)に対して正式に申し出るための文書」を指します。日常生活における「お願い」や「相談」とは異なり、ビジネスや法的な手続きにおいては、申請者の意思表示を公的な記録として残すという極めて重要な意味を持っています。
例えば、「来月から時短勤務にしたいです」と上司に口頭で伝えただけでは、それが単なる相談のレベルなのか、それとも制度を利用するための正式な申請なのかが曖昧になってしまいます。そこで、所定のフォーマットに従って「申出書」を作成し、提出することで、初めて会社側は「従業員から正式な制度利用の要求があった」と認識し、就業規則や法律に基づいた手続きを開始することができるのです。
また、申出書には「誰が」「いつ」「何を」「どのような理由で」申し出たのかを明確にする機能があります。これにより、後日「言った、言わない」というトラブルに発展することを防ぎ、労使双方にとって公平かつ透明性の高い手続きを実現するための基盤となる文書と言えます。
申出書が必要なケースと種類
申出書と一口に言っても、その種類は多岐にわたり、利用されるシーンによって記載すべき内容や法的な根拠が異なります。会社員が在職中に提出する申出書として、代表的なものは以下のとおりです。
- 育児休業申出書
子どもが誕生し、育児のために一定期間休業することを申し出るための文書です。原則として1歳未満の子を養育するために取得しますが、保育所に入れない等の事情がある場合は延長の手続きにも利用されます。また、近年では男性の育児参加を促進するための「産後パパ育休(出生時育児休業)」の申出にも使用されます。
- 産前産後休業申出書
出産を控えた女性労働者が、労働基準法に基づく産前休業(出産予定日の6週間前、多胎妊娠の場合は14週間前から)および産後休業(出産の翌日から8週間)を取得する際に提出します。
- 介護休業申出書
要介護状態にある家族を介護するために、一定期間休業することを申し出るための文書です。対象家族1人につき、通算93日まで、最大3回に分割して取得することが法律で認められており、これらの利用計画を会社に伝える重要な役割を担います。
- 勤務時間短縮等の措置申出書
育児や介護と仕事を両立するために、所定労働時間を短縮する(いわゆる時短勤務)制度を利用する際に提出します。「1日原則6時間」とする短時間勤務制度は、法律で事業主に義務付けられている措置であり、この申出書をもって会社は勤務シフトや給与計算の変更手続きを行います。
- 還付請求書
主に税務や社会保険関連の手続きにおいて、納めすぎた税金や保険料の還付を求める際に使用される公的な申出書です。
- 契約解除申出書
社外向けの文書として、締結している契約(サービスの利用契約や賃貸借契約等)の解除を申し出る際に使用されます。退職の際に提出する「退職願」や「退職届」も、広い意味では労働契約の解除申出書の一種と言えます。
また、特筆すべき点として、本人が病気や怪我、あるいは出産直後等の理由で直接手続きを行うことが困難な場合、配偶者等の第三者が代行して手続きを行うことがあります。その際、手続きを代行する権限を与えたことを証明する「委任状」とともに、代理人が作成した「申出書」を提出するというケースも実務上よく見受けられます。
このように、申出書はさまざまな場面で、個人の権利を行使し、会社との合意形成を図るための必須ツールとなっています。
【2026年版】ビジネスにおける申出書の重要性
2026年現在、働き方の多様化はかつてないスピードで進展しています。テレワーク(在宅勤務)の定着や、フレックスタイム制の導入、男性の育休取得の一般化等、従業員一人ひとりのライフスタイルに合わせた柔軟な働き方が当たり前となりつつあります。
このような環境下において、申出書の重要性は過去にも増して高まっています。その背景には、主に以下の3つの理由が挙げられます。
1. 法律(育児・介護休業法)の改正とコンプライアンスの強化
厚生労働省が管轄する「育児・介護休業法」は、労働者の仕事と家庭の両立を支援するため、段階的に大幅な改正が行われてきました。例えば、2025年(令和7年)4月1日施行の改正では、3歳未満の子を養育する労働者がテレワーク等を選択できるよう事業主に「努力義務」が課されたほか、介護離職防止のための個別周知や意向確認が義務化されました。
さらに、2025年10月1日施行の改正では、3歳から小学校就学前までの子を養育する労働者に対し、「始業時刻等の変更」「テレワーク等」「短時間勤務制度」等の複数措置から従業員が選択できる制度の導入が義務化されています(参考:厚生労働省 育児・介護休業法について )。
こうした複雑な制度を適法に運用するためには、口約束ではなく、対象となる従業員から会社へ「どの制度を」「いつからいつまで」利用するのかを明記した「申出書」を提出させ、書面(あるいは電子データ)として保管することが不可欠です。
労働基準監督署の調査等が入った際にも、適切な申出書が保管されていれば、会社が法律遵守(コンプライアンス)を果たしている強固な証拠となります。
2. テレワーク時代におけるコミュニケーション・ギャップの防止
オフィスで毎日顔を合わせる働き方が主流だった時代とは異なり、現在では上司と部下が一度も直接対面することなく、オンラインのみで業務が進行することも珍しくありません。このような状況下では、チャットツールやビデオ会議の場での口頭による申し出は、情報の欠落や認識のズレ(例:「来月から時短にしたいと言ったはずだ」「いや、まだ検討中という話だった」等)を引き起こしやすくなります。
申出書というフォーマット化された文書を通すことで、必要な要件(期間、短縮する時間帯、業務の引き継ぎに関する要望等)が漏れなく網羅され、非対面環境であっても正確な意思疎通を図ることができます。
3. 男性の育児休業取得率の急増と手続きの日常化
厚生労働省の「雇用均等基本調査」等のデータにも表れているとおり、近年、男性の育児休業取得率は飛躍的に向上しています。最新の調査である令和7年度(2026年発表想定)のデータでは、ついに男性の育休取得率が50%を超えるという歴史的な水準に達しています。
(※参考:令和7年度雇用均等基本調査の関連動向 (生命保険文化センター等のデータでは令和6年度で男性40.5%と急伸しており、そのトレンドは継続している))
男性従業員の半数以上が育休を取得する時代においては、人事部は毎月のように膨大な数の休業申請を処理しなければなりません。申出書のフォーマットが標準化されていれば、人事部門の業務効率化に直結し、給与計算の変更や社会保険料の免除手続きといった後続の事務処理もスムーズに進行します。
申出書の正しい書き方と基本マナー
申出書がビジネスにおいていかに重要な役割を果たしているかを理解したところで、次はいよいよ具体的な書き方について解説します。
申出書は、書き方一つで承認がスムーズに下りることもあれば、情報の不備により差し戻しを受け、手続きが遅延してしまうこともあります。
ここでは、申出書を作成する際に必ず記載すべき基本項目と、ビジネス文書として守るべきマナーや注意点について詳しく見ていきましょう。
記載すべき基本項目
申出書は、利用する制度(育休、介護、時短勤務等)によって細かな記載内容は異なりますが、どのような申出書であっても共通して記載しなければならない「基本要素」が存在します。以下の項目は、自作で申出書を作成する際にも必ず盛り込むようにしてください。
- 宛先
誰に向けて申し出を行うのかを明記します。一般的には、勤務先の「代表取締役社長」宛て、あるいは規定によって「人事部長」「所属部門長」宛てとするケースがあります。宛先は、自社の就業規則や人事部の案内に従って正確に記載しましょう。
会社名だけでなく、役職名と氏名をフルネームで記載するのが基本です(例:「株式会社〇〇 代表取締役社長 〇〇〇〇様」または「殿」)。
- 提出年月日
申出書を会社(人事部や上司)に実際に提出する日付を記載します。休業や時短勤務の手続きには、「開始予定日の〇ヶ月前までに提出すること」といった期限が設けられていることが大半です。
提出年月日は、期限内に適法に申請が行われたことを証明する重要な項目となるため、西暦または和暦で正確に記載します。
- 申出人(申請者本人)の情報
誰からの申し出なのかを特定するための情報です。以下の3点をセットで記載するのが一般的です。
-
- 所属部署名(例:営業部 第1営業課)
- 社員番号(会社で付与されている場合)
- 氏名および押印・署名(近年は電子申請システムを利用したり、押印を廃止して署名のみとする企業も増えていますが、紙で提出する場合は会社のルールに従います)
- 申し出の表題(タイトル)
何のための申出書なのかを一目で分かるようにします。
(例:「育児休業申出書」「勤務時間短縮等の措置申出書」等)
- 申し出の趣旨・内容
申出書における最も重要な部分です。具体的に「何を希望するのか」を客観的かつ正確な数値(日付や時間)を用いて記載します。
-
- 期間: 令和〇年〇月〇日 ~ 令和〇年〇月〇日
- 内容: 1日あたりの勤務時間を〇時間とする。始業を〇時〇分、終業を〇時〇分とする等。
- 申し出の理由
なぜその申請を行うのか、事実に基づいた理由を記載します。
-
- 育休・時短勤務の場合: 養育する子の氏名、生年月日、本人との続柄。出産予定の場合は出産予定日。
- 介護の場合: 介護を必要とする家族の氏名、続柄、対象家族の生年月日、要介護状態に関する具体的な事実(例:脳梗塞による後遺症のため日常的な歩行・排泄に介助が必要等)。
書き方のポイント・注意点
基本項目を網羅したうえで、さらに質の高い申出書を作成するための実務上のポイントをいくつか紹介します。
所定の書式(フォーマット)を最優先する
最も重要な注意点として、会社側で既に用意されている「指定のフォーマット」が存在する場合は、インターネット上で見つけた汎用テンプレート等ではなく、必ず自社のフォーマットを使用してください。
企業によっては、申出書のなかに「社会保険料免除の同意欄」や「復職後の面談希望有無」等、会社独自の管理項目が組み込まれている場合があります。
自作の書式で提出してしまうと、人事部が必要とする情報が不足し、結局は指定フォーマットへの書き直しを命じられる二度手間が発生してしまいます。まずは会社のイントラネットや社内ポータルサイトを確認し、フォーマットが存在しない場合に限り、後述する汎用テンプレートを活用しましょう。
客観的事実を簡潔に述べる(感情論を排除する)
申出書はあくまで客観的な事実と要望を伝えるためのビジネス文書です。例えば介護休業の申請理由欄に、「最近親の体調が悪く、私自身も精神的に参っており、このままでは仕事どころではないので休ませてください」といった感情的・主観的な文章を長々と書くのは適切ではありません。
正しくは、「実父(〇〇〇〇)が令和〇年〇月〇日に脳卒中で倒れ、要介護認定(要介護3)を受けた。つきましては、退院後の自宅における介護体制構築のため、標記の期間において介護休業を申し出ます」のように、誰が見ても状況が把握できる事実ベースの記載を心がけてください。
提出前にコピー(控え)を手元に残す
紙ベースで申出書を上司や人事部に提出する場合、提出後に「いつから休む予定だったか」「どのような勤務時間で申請したか」を自分自身で確認できなくなることがあります。また、万が一会社側で書類を紛失されるリスクもゼロではありません。
提出する直前に、必ずスマートフォンでスキャンするかコピー機で複写を取り、手元に控えを残しておくことを強くお勧めします。
【ケース別】代表的な申出書の書き方とテンプレート
ここでは、ビジネスパーソンが実際に提出する機会が非常に多い「勤務時間短縮等の措置申出書」と「育児・介護休業申出書」の2つのケースを取り上げ、具体的な書き方の例文をご紹介します。
勤務時間短縮等の措置申出書の書き方
育児・介護休業法では、3歳に満たない子を養育する労働者に関して、1日の所定労働時間を原則として6時間とする短時間勤務制度を設けることが事業主に義務付けられています。
また、2026年現在では、法改正により小学校就学前までの子を育てる従業員に対しても、短時間勤務やテレワークといった柔軟な働き方を選択できる制度整備が進んでいます。
【記載例文】
勤務時間短縮等の措置申出書
令和〇年〇月〇日
株式会社〇〇〇〇
代表取締役社長 〇〇〇〇 様
(申出人)
所属部署:マーケティング部 企画課
社員番号:123456
氏名:山田 花子 ㊞
就業規則第〇条の規定に基づき、下記のとおり勤務時間の短縮を申し出ます。
記
- 短縮を希望する期間
令和〇年4月1日 から 令和〇年3月31日 まで(1年間)
- 短縮中の希望勤務時間
始業時刻:午前9時30分
終業時刻:午後4時30分
(休憩時間:午後12時00分~午後1時00分 / 1日の実働時間:6時間)
- 申出の理由(対象となる子の情報等)
氏名:山田 太郎
生年月日:令和〇年〇月〇日
続柄:長男
状況:保育園への送迎(朝・夕)を行う必要があるため。
- 特記事項(代替措置の希望等)
上記期間中、週2日の在宅勤務(テレワーク)の併用を希望いたします。
以上
【解説とポイント】
時短勤務の申出書において最もトラブルになりやすいのが、「何時から何時まで働くのか」という時間帯の認識のズレです。上記の例のように、始業時刻と終業時刻、休憩時間、そしてトータルの実働時間を明確に記載することで、人事部は給与の減額計算(ノーワーク・ノーペイの原則に基づく)を正確に行うことができます。
また、2025年以降の法改正のトレンドを反映し、特記事項として「テレワークの併用」等を明記することも有効です。会社が提供する複数の両立支援措置をどのように組み合わせて利用したいのか、自分の希望を明確に伝えましょう。
育児休業・介護休業申出書の書き方
続いて、長期間職場を離れることになる「育児休業」および「介護休業」の申出書について解説します。特に近年は、男性社員が子の出生直後に数週間〜数ヶ月取得する「産後パパ育休(出生時育児休業)」の申請が急増しています。
産後パパ育休は、通常の育休とは別に取得でき、休業期間中の就業も一定の条件下で可能(労使協定がある場合)な柔軟な制度です。
【記載例文:男性の産後パパ育休の場合】
育児休業(産後パパ育休)申出書
令和〇年〇月〇日
株式会社〇〇〇〇
人事部長 〇〇〇〇 様
(申出人)
所属部署:システム開発部 第2チーム
氏名:鈴木 一郎 ㊞
育児・介護休業法および当社就業規則の定めにより、下記のとおり出生時育児休業(産後パパ育休)を申し出ます。
記
- 休業期間
令和〇年〇月〇日 から 令和〇年〇月〇日 まで(計4週間)
- 休業期間中の就業希望の有無
有 (※希望する場合のみ記載。事前に上司と調整済みの範囲内に限る)
就業希望日時:休業期間中の毎週水曜日 午前10時~午後3時(定例進捗会議への参加およびコードレビュー対応のため)
- 対象となる子の情報
氏名:鈴木 次郎(出生前のため予定)
出産予定日:令和〇年〇月〇日
本人との続柄:長男
- 備考
妻の退院および産褥期のサポートを主たる目的とするため、出産日が前後した場合は、休業開始日を変更する可能性があります。
以上
【解説とポイント】
男性の育休申出において特徴的なのは、「子の出生予定日」を基準に申請を行う点です。出産は予定日どおりにいかないことが多いため、備考欄に「出産日の変動に伴い開始日がずれる可能性がある」旨を記載しておくと、その後の変更手続きがスムーズになります。
また、産後パパ育休特有の制度である「休業中の就業(部分就労)」を希望する場合は、必ず事前に上司と業務内容を調整したうえで、申出書に具体的な就業可能日・時間を明記します。これにより、完全な休業と部分的な就業の線引きが明確になり、給与支給や雇用保険(出生後休業支援給付金等)の申請においてトラブルを防ぐことができます。
申出書を提出する際の実務・法的な注意点
申出書は、単に紙を書いて提出すればすべてが完了するわけではありません。法律のルールや社内の人間関係に配慮し、適切なタイミングと手順を踏んで提出することが、自分自身の身を守り、周囲との良好な関係を保ったまま制度を利用するためのカギとなります。
最後に、申出書を提出するにあたって絶対に押さえておくべき実務上・法的な2つの注意点について詳しく解説します。
提出期限と就業規則の事前確認
育児休業や介護休業、時短勤務の申し出には、法律によって明確な「期限」が定められています。これを破ってしまうと、希望する日から制度を利用できない、あるいは会社から申請を拒否される正当な理由を与えてしまうことになりかねません。
- 育児休業の場合:原則として、休業を開始しようとする日の1ヶ月前までに申し出る必要があります。(※産後パパ育休の場合は、休業開始予定日の2週間前までと短く設定されているが、早期の申し出が望ましい)。
- 介護休業の場合:休業を開始しようとする日の2週間前までに申し出る必要があります。
これらの期限はあくまで「法律上の最低ライン」です。会社によっては、就業規則により「育休の申し出は遅くとも開始予定の2ヶ月前までに行うこと」等と独自のルールを定めている場合があります(※ただし、法律を下回る不利益な規定は無効となるが、引き継ぎ期間等を考慮して長めに設定されていることが多い)。
したがって、まずは何よりも先に自社の「就業規則」および「育児・介護休業規程」を熟読してください。いつまでに、誰宛てに、どのような書類(※申出書のほかに、母子健康手帳のコピーや介護認定の証明書等が必要な場合もあり)を提出しなければならないのかを、自分自身で正確に把握することがトラブル回避の第一歩です。
直属の上司や人事部への事前相談(根回しの重要性)
申出書は正式な申請書類ですが、ある日突然、上司の机に無言で申出書を置いたり、人事部宛てにメールでPDFを送りつけたりするのは、ビジネスパーソンとして推奨される行動ではありません。
休業や時短勤務を利用するということは、あなたが抜けた穴をカバーし、業務の再配分を行う必要があることを意味します。周囲のメンバーへの負担を最小限に抑え、快く送り出してもらう(そして快く復職を迎えてもらう)ためには、申出書を提出する前の「事前相談(根回し)」が極めて重要です。
ステップ1:直属の上司への早期相談
「まだ確定ではないのですが、〇月頃から育休の取得を検討しています」「親の介護が必要になりそうで、時短勤務を利用したいと考えています」と、できるだけ早い段階(提出期限の数ヶ月前が理想)で直属の上司に1on1ミーティング等を通じて相談しましょう。
この段階で、現在の担当業務の洗い出しと、誰に引き継ぐかの大枠のプランを自ら提示できると、上司の安心感につながり、承認がスムーズになります。
ステップ2:人事部への制度確認
上司への相談と並行して、人事部や総務部の担当者に連絡を取り、「制度を利用したいが、申出書の指定フォーマットはあるか」「給付金の手続きはどうなるか」「社会保険料の免除の仕組みについて教えてほしい」といった事務的な疑問点を解消しておきます。
人事部側も、「〇月頃に〇〇部門から申請が来るな」と事前に把握できるため、対応が迅速になります。
ステップ3:申出書の正式提出
上司との業務調整がつき、人事部への確認が取れた段階で、満を持して「申出書」を作成し、正式に提出します。
この一連のプロセスを踏むことで、申出書は単なる「要求を突きつける紙」から、「双方が合意した計画を正式に実行に移すための確認書」へと意味合いが変わるのです。
申出書はテンプレートを活用してスムーズに提出しよう
本記事では、申出書の基本的な意味や読み方から、近年のビジネストレンドを踏まえた重要性、そして具体的な書き方や提出時の実務・法的注意点に至るまで、徹底的に解説してきました。
申出書の作成と提出は、育児や介護といった人生の大きな転換期において、仕事とプライベートを両立させるための第一歩です。「難しそう」「書き方が分からなくて不安」と一人で悩む必要はありません。基本ルールさえ押さえてしまえば、決して複雑なものではないのです。
記事内でご紹介した記載項目や例文を参考に、まずはご自身の状況に当てはめて内容を整理してみてください。インターネット上には、労働局が提供する公的なフォーマットや、ビジネス情報サイトが無料で提供している申出書のテンプレートが数多く存在します。白紙から悩むのではなく、ぜひこれらのテンプレートをダウンロードして活用し、時間と手間を削減してください。
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