失礼にならない断り状の書き方│具体例とポイントを徹底解説【テンプレートあり】
断り状とは、相手の申し出に対する拒絶や釈明、謝罪を伝えるための文書です。断り状を書く際に、「どのように書けば相手との関係を損なわずに断れるのか」と悩む方も多いでしょう。
そんなお悩みを解消するために、本コラムでは、断り状の書き方と目的別の文例を詳しく紹介します。これを読めば、適切な表現で断り状を書くコツを身につけ、相手に配慮した断り方ができるようになるでしょう。
すぐに使えるテンプレートもご用意したので、ぜひ参考にしてください。
断り状とは
断り状とは、申し出、要望、依頼、要求などに対し、それに添うことができない、もしくは辞退したい旨を伝える文書です。相手に釈明や謝罪を告げたり、連絡をするための予告の書状として使われたりすることもあります。
断り状が必要になる場面
断り状が必要になるのは、以下のような場面です。
- 新規取引・契約を断るとき
- 納期延期・変更などの依頼を了承できないとき
- 年賀状やお歳暮のやり取りをやめたいとき など
断り状を書くときのポイント
断り状は表現に注意して書かないと、相手との関係を悪化させる可能性があります。今後も良好な関係を保てるように、断り状を書くときのポイントを把握しておきましょう。
相手の心情に配慮する
先方の都合を考えず、やみくもに断わるのは失礼に当たります。相手を怒らせる可能性もあるので、お断りをする理由を述べる、先方の役に立てなかったことをお詫びする一言を添えるなど、相手の心情に配慮するよう心がけましょう。
本当の断り理由を述べるのに支障がある場合は、先約があるなど差しさわりのない理由を伝えます。
感謝の気持ちを表す
断り状には、感謝の気持ちを表す文言を入れましょう。取引や契約を依頼してきたり、年賀状を送ってくれたりするということは、相手は何らかの厚意を示してくれているということです。
相手との関係を良好に保ちたいのであれば、その気持ちに対して誠意を示す必要があります。「このたびは、〇〇をご依頼いただきありがとうございます」のように、感謝を伝える一言を入れておきましょう。
また、「せっかくのご厚意を」「誠に心苦しく存じますが」などの文言も入れて、希望を叶えられず申し訳ないという気持ちが伝わるようにすることも大切です。
あいまいな表現は避ける
相手の依頼や要望を断りづらく、ついつい回りくどい表現で断り状を書いてしまう人もいるでしょう。
しかし、あいまいな表現では断っていることが伝わらず、誤解を与える可能性があります。相手の気持ちに配慮しつつも、断る意思をはっきり伝えるようにしましょう。
【目的別】断り状の書き方・例文
断り状を書くときには、さまざまなことに配慮する必要があるため、「文章が思いつかない」という人も多いでしょう。そこで、断り状の書き方と例文を、目的別に紹介します。
年賀状の断り状
来年から年賀状を送るのをやめたいときは、以下のようなことが伝わる文章を考えましょう。
- 特定の相手のみ年賀状を断っているわけではないこと
- 年賀状のやり取りをやめても良い関係を続けていきたいこと
メールやSNSで新年の挨拶をする場合は、その旨も書いておきましょう。
【文例】
明けましておめでとうございます。昨年は大変お世話になりました。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
さて誠に勝手ながら、来年からはどなた様にも新年のご挨拶状をご遠慮させていただくことと致しました。今後は(メール/SNS)にて新年のご挨拶を申し上げます。
今後も変わらぬおつきあいをお願い申し上げるとともに、皆様のご健康とご繁栄を心からお祈りいたします。
お中元・お歳暮の断り状
お中元・お歳暮の断り状には、お中元・お歳暮を送っていただいた感謝の気持ちとともに、今後の心遣いは不要であることが伝わる文言を入れましょう。
会社の規定でお中元やお歳暮のやり取りが禁じられている場合は、ルール上受け取れないことを明記してかまいません。
【例文】
〇〇の候、貴社におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
さて、この度は私宛てに(お中元/お歳暮)をお送りいただき、誠にありがとうございました。あたたかい心遣いに感謝申し上げます。
ご好意をいただきながら大変心苦しいのですが、勤め先の規則によりお取引先様との(お中元/お歳暮)のやり取りは辞退させていただいております。その旨お伝えしておりませんでしたので、今回はありがたく頂戴させていただきます。
今後はこのようなお心遣いをなされませんようお願い申し上げます。末筆となりましたが、貴社のますますのご発展と皆様のご健康をお祈りし、お礼とお願いを申し上げます。
取引先の依頼に対する断り状
取引先の依頼を断るときには、以下のようなことが伝わる文章を考えましょう。
- 依頼をいただいたことに対する感謝
- 検討を重ねた結果、依頼が受けられないこと
- 依頼が受けられない理由
取引先とは今後も付き合いが続くため、「何とか依頼が受けられないかを考えてみたが無理だった」という姿勢を伝えることが重要です。また、依頼が受けられない理由を伝えることで、納得してもらいやすくなるでしょう。
【例文】
拝啓
貴社におかれましてはますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。
さて、この度は〇〇のご依頼をいただき、誠にありがとうございました。
本来ならばすぐにでもお受けしたいところではありますが、現在〇〇の事情があり、検討を重ねた結果、不本意ながらお断りせざるを得ないとの結論に至りましたことをご回答申し上げます。
願ってもないありがたいお話を、誠に申し訳ございません。事情をご賢察いただければ幸いです。
敬具
断り状を送るタイミング
断り状は送りにくいものですが、結果がわからない状態が続くと相手に迷惑がかかります。
検討に時間がかかる内容の場合は多少時間がかかっても良いものの、相手を待たせすぎないよう、できるだけ迅速に送るよう心がけましょう。
まとめ
断り状は表現に注意しないと、相手との関係が悪化する可能性があります。やみくもに断るような表現は避け、感謝の気持ちや申し訳ないという気持ちが伝わるような文章を考えましょう。
文章が思いつかない、マナーに自信がないという場合は、今回紹介した例文を参考に断り状を作成するのがおすすめです。
また、『bizocean(ビズオーシャン)』では断り状のテンプレートも用意していますので、ぜひそちらもご活用ください。