ロジックツリーの意味と作り方
ロジックツリーとは、事象を「漏れなく、ダブりなく」分解し、構造化、可視化するのに有効なツールです。
ここではロジックツリーの意味や、ロジックツリーの作成について解説します。
ロジックツリーとは
ロジックツリーはあらゆる場面で使われる思考整理の手法です。思考のプロセスが可視化しやすいため、自分の考えをまとめるだけでなく複数人で構成されるグループでも考えを共有することができます。またロジックツリーには目的別に種類があり、Why(原因追求ツリー)、How(問題解決ツリー)、What(要素分解ツリー)の3つに分類されます。必ず1つの問題に対してツリーを展開していくことが大切です。
Why(原因追求ツリー)
発生した問題の原因を追究するときは、Why(原因追求ツリー)を用います。原因は1つであるとは限りません。考えうる原因を全て洗い出して掘り下げ、特に影響が大きい根本原因を突き詰めることができます。
How(問題解決ツリー)
発生した問題の原因が洗い出されたとして、その問題を解決するためにはどのような打開策を打てば良いのかを考えるときはHow(問題解決ツリー)を用います。問題解決の要素に優先順位をつけて、どれを採用するのかしないのかを決定することができます。
What(要素分解ツリー)
ある商品やサービス、事象についてそれらが構成される要素を分解するときは、What(要素分解ツリー)を用います。要素分解ツリーからそのものの種類を網羅的に把握することができます。
ロジックツリーのメリット
日本人はディベートやプレゼンテーションが苦手であると言われています。それは日本の教育スタイルが孔子式であり、先生の講義を聴くというスタイルに慣れてしまっているため、論理的思考の訓練がなされていないからです。一方欧米の教育スタイルはソクラテス式であり、疑問があれば都度質問をし、また意見を述べることで幼い頃より論理的思考回路が訓練されているのです。ロジックツリーのメリットは、考えをまとめることが苦手な日本人でも、ロジックツリーを用いることで問題の全体像を明確に捉えることが可能になることです。これによりプレゼンテーションや交渉の説得力が増し、ビジネスの勝機を得やすくなるでしょう。
ロジックツリーとMECE
物事の整理・分類を論理的に行う思考方法として、MECEと呼ばれる思考方法があります。MECEはミーシーもしくはミッシーと呼ばれ、Mutually Exclusive and Collectively Exhaustiveの略称で『漏れなくダブりもない』ということを表しています。物事の友好的な切り口を見つけるために、MECEの考え方は有効です。ロジックツリーを展開していくにあたっては、必ずMECEであるかを意識してください。
ロジックツリーの問題解決例と書き方
それでは、ロジックツリーのテンプレートを参考にして、問題解決例と書き方について見ていきましょう。
ロジックツリーの問題解決例
製品売上の減少に悩むA社は、その打開策を立案するにあたりロジックツリーを用いて問題を明確化しました。それによって、考えられる4つの原因を割り出しました。原因を割り出すことができれば、あとはそれに対する改善策を打てば良いのです。
<売上の減少>- 客数の減少
- 来店客数の減少
- 買上率の低下
- 客単価の減少
- 商品単価の減少
- 買上点数の減少
ロジックツリーの書き方
ロジックツリーは1つの事柄が上位概念から分解し、枝分かれするように書いていきます。その名の通り木のような図で表されます。枝分かれを書くときはMECEを意識して、漏れなくダブらないように掘り下げていくようにしましょう。
≫例文の入った「ロジックツリー」フレームワークのテンプレート
ロジックツリーを作るときの注意点
ロジックツリーを初めて作るときは、少し難しく感じるかもしれません。心配な人も、注意点さえ押さえておけば、ロジックツリーを理解することができると思います。3つの注意点をご紹介しましょう。
- 左から右へツリーを展開する
ロジックツリーは木のように枝分かれし、最終的にピラミッドのような形になります。縦書きがいけないというわけではありませんが、左から右へいくにつれて、抽象的から具体的に移行すると捉えられることがグローバルスタンダードとなっています。 - 階層を合わせる
ツリーは第1階層から第3階層、場合によっては第4階層以上になることもあります。ここで気をつけなければならないのは、各階層に書かれている内容が同列であるかということです。例えば果物が書かれている階層にお菓子が混じっていたら、仲間はずれになってしまいますね。 - 余計なものを入れない
ロジカルシンキングに大切なことは、余計なものをそぎ落としてシンプルにするということです。それでも漏れはないようにしなくてはなりません。つまりは、ロジックツリーがMECEである状態にすることが大切なのです。
まとめ
ロジックツリーは思考を整理するための手法で、事象を「漏れ無く、ダブりなく」分解して可視化するために用いられます。ツリーは必ず1つの問題に対して展開されていきます。ロジックツリーは目的別にWhy(原因追求ツリー)、How(問題解決ツリー)、What(要素分解ツリー)の3つが使われます。MECEの考え方に則ってツリーを展開することで、事象の本質を掘り下げることが可能になるのです。ロジックツリーのテンプレートを参考にして、問題解決に着手してみては如何でしょうか。
≫ロジックツリーの書式テンプレート