6W2Hとは? 使い方と意味、実際の使用例をわかりやすく解説【テンプレート付き】
ビジネスの企画やアイデアを考える際、何から手をつければ良いか迷うことはありませんか?そんな時に役立つのが「6W2H」というフレームワークです。
これは、事業アイデアを具体的な戦術に落とし込む時に、漏れがないようにするために活用される方法です。
本コラムでは、6W2Hの基本から実際の使い方、注意点までをわかりやすく解説します。すぐに使えるテンプレートもご用意したので、ぜひ参考にしてください。
6W2Hとは
6W2Hは、用件を明確に捉えるためのツールで、これから事業企画や内容を決めようとするうえで、柱となる大切な8つの要素のことを指しています。
何かを企画して始めるには、なぜ、どこで、いつ、何を、誰に、誰が、どのように、いくらで、ということを具体的に考えなければなりません。これらが明確になっていないと、内容がぼやけてしまい、企画自体がうまく回らなくなってしまうからです。
6W2Hの使い方とそれぞれの意味
それでは、6W2Hにおける8つの要素の使い方とそれぞれの意味を詳しく見ていきましょう。
Why(なぜ)
そもそもなぜこの企画を始めるのか、つまり動機を表しています。ここをしっかりと持っておくことは、今後もし苦労をすることがあっても、信念を持って乗り越える強さになります。
事業を立ち上げる場合には、自らの『社会的存在意義』がどんなもので、なぜその使命感を持っているのかも明確にしておくと良いでしょう。
Where(どこで)
ここでいう「どこで」は、環境や場所、市場まで広い意味を持っています。イベントの企画であれば、どこで開催するかというのはとても重要ですよね。国内なのか海外なのか、社内なのか社外なのかでも、準備しなければならない事項は大きく異なります。
また事業展開するにあたっては、ターゲットをできるだけ絞り込む必要があるため、想定市場を明確にすることも大事です。
When(いつ)
考えていることを具体的に行動に移すには、いつ、どのようなタイミングで動き出すかを考えておかなければなりません。いつお金を投入するのか、どのタイミングで人を動かすのか、それらを決めることでスケジュールが作られていきます。
入念に計画を練らなければ資金計画が間に合わなかったり、早すぎたりしてしまうこともあるでしょう。成功するためには的確なスケジュール調整も必要です。
What(何を)
その企画の内容そのものが「何を」にあたります。商品やサービス、イベントの内容などですね。顧客に対して何を提供しようとしているのか、またそれは顧客が必要と考えているものかどうかを明確にします。
漠然としたものではなく、強みや売りとなり得るものを挙げる必要があります。これが魅力的なものでないと、立ち上げた企画も立ち行かなくなってしまうでしょう。
Whom(誰に)
企画の内容は、誰に対して行うものであるのか、つまり顧客・ターゲットを指しています。これを明確にしておかないと、企画そのものが機能しません。
顧客によってアプローチ方法は変わるため、ターゲットはできるだけ絞り込むことが望ましいとされています。どんな人に対してこの企画を展開していきたいのかにより、アプローチの仕方も変わってきますね。
Who(誰が)
もちろん企画を考えるのは自分自身ですが、展開するにあたっては協力してもらう人材が必要であるか、その場合は何人必要かといった、具体的な人員計画を立てなければなりません。
人員不足に陥ると企画が回らなくなりますし、逆に人員過多になると人件費がかさみ経営に響きます。そのため、事前に必要な人材とその数をしっかり把握しておくことが大切なのです。
How(どのように)
検討している企画をどのように行うか、独自の発想で差別化を図りたいですね。どこかで聞いたようなやり方では顧客の目には留まらないでしょう。やり方に特徴を持たせるのです。
持っているノウハウをいかに活かして魅力的なものに仕上げるかは、企画者や経営者の手腕ともいえるでしょう。競合にはない独自のメリットを出せる方法を検討する必要があります。
How much(いくら)
企画を打ち出してそれを実行に移すには、資金が必要です。予算はどのくらいになるのか、資金調達の目処は立つのか、正確に試算しておかなければなりません。
売上高、利益目標など実施後の利益についても見込んでおく必要があります。どの段階でいくら必要になるか、スケジュールに乗せることで具体的な資金計画に落としこむことができます。
6W2Hの読み方
6W2Hは『ろくダブルにエイチ』と読むことが一般的です。これは上記8つの要素の頭文字をとったものです。全て英語の疑問詞で表されていますね。
6W2Hの例文
それでは、実際にどのようにして6W2Hの考え方を使っていくのかを、社員研修の計画を例に挙げて見てみましょう。
テーマ:社内 支店長経営幹部研修実施計画
Why:近年のグローバル化により、支店長に外国人スタッフを迎えることが多くなってきた。日本人と経営スタイルが異なるため、支店によって方針にバラつきが出始めている。会社全体のベクトルを合わせるため、支店長の横の認識を共有化し、同じ知識を持ってもらいたい。そのため経営幹部研修を開催する。
Where:支店長は海外所属が10名、国内所属が5名。海外はアセアン地区に集中しているため、集まりやすい拠点であるシンガポールを開催地とする。交通費も節約可能。
When:経営幹部会議の時期、決算時期は避ける。さらに各拠点の祝日などを鑑みて6月実施を予定とする。準備期間として半年の猶予を見込む。
What:しなければならないことは経営方針の共有化と知識の強化の2点である。
Whom:対象は全拠点の支店長クラスの人員。横のつながりを強化するため、日本人と外国人を分けることなく同時に実施する。
Who:会社方針の共有は会社トップがすべきであるため、社長に来てもらわなければならない。その他の講義はベテランの経営講師を外部より招く。
How:講師の候補をベンダー3社の中から選定する。つまらないと不評が多い社内研修なので、講義スタイルではなく、与えられた経営課題をゲーム感覚で解決する疑似体験を盛り込んだ研修内容にする。
How much:かかる費用は講師費用、渡航費用、会場費用、宿泊費用、食事代、日当。予算審議にかける必要あり。
6W2Hで注意すべきこと
6W2Hはものごとを明確にするために大切な切り口ですが、上辺だけ当てはめても意味がありません。また実行不可能なものでも企画倒れに終わってしまいます。
注意すべきことは2点あります。1つ目は具体的に掘り下げて考えること。2つ目は実現可能な内容を考えることです。
まとめ
6W2Hは、用件を明確に捉えるためのツールで、アイデアを具体的な企画に落としこむことが可能になります。6W2Hは英語の疑問詞8つの頭文字をとったもので、これに沿って内容を深堀りしていけば実行すべきことが自ずと見えてきます。
本質的な課題を捉えるために、テンプレートを参考にして6W2Hについて検討してみましょう。