【例文付き】反省文の書き方完全ガイド|社会人・学生に分けて様々な事例別に解説
反省文は、遅刻や無断欠勤、業務上のトラブル、自らの不注意による事故などを起こした際に、その行為を深く反省して今後の改善を誓うために作成する文書です。
本記事では、反省文の正しい書き方を社会人・学生に分けて様々な事例別に紹介し、顛末書や始末書との違いもわかりやすく解説します。また、書くときに押さえておきたいポイントについても紹介しましょう。
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反省文とは
社会人の場合は業務上の軽微なミスやトラブルを起こした際、学生の場合は遅刻やスマホの持ち込みなどの際に、原因を振り返って反省の意を表す内容を記載したものが反省文です。
自らの非を認めて反省と謝罪を示すもの
反省文は自らの非を認めて反省と謝罪をするためのものです。提出することで事態を収束させる、当人の反省と謝罪の気持ちを会社が形として残しておく、という意味合いがあります。
そのため「始末書」よりも程度が軽く、提出することになったとしても何か処分を下されることはありません。
反省文・顛末書・始末書の違い
反省文と似た書類として、顛末書や始末書がありますが、反省文とこれらの書類には以下のような違いがあります。
種類 | 目的 | 具体例 |
---|---|---|
反省文 | 軽微な失態を起こした際に提出する書類。失態の内容を明らかにし、反省を促す目的がある | 無断欠勤や遅刻、提出期限の遅延、軽度のハラスメント、社内備品の損壊、自らの不注意による小さな事故など |
顛末書 | 社内の広範囲に影響を及ぼすレベルの重大な失態を冒した際に提出する書類。発生理由や経緯を説明する目的がある | 社内作業が滞るようなシステム不具合、経理上の手続きミス、社用車運転中の事故など |
始末書 | 外部にまで影響を及ぼすほど大きな失態を冒した際に提出する書類。経緯の説明や謝罪の意を表する目的がある | 判断・命令ミスによる大きな経済的損失、深刻なハラスメント、契約違反や法令違反など |
反省文は、個人の謝罪で済む程度の軽微なミスやトラブルの際に用いられる書類です。始末書を提出するほどのトラブルになると、自身の進退や給与査定に影響する可能性があります。
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顛末書の書き方と例文、失敗しないポイントを社内・社外別で紹介!反省文の書き方とポイント
ここでは反省文の書き方とポイントを5点お伝えします。
- 反省文はパソコン作成よりも手書きで
- 謝罪の気持ちが十分に感じられる表現で
- ダラダラと言い訳がましくならない
- 曖昧な表現は避ける
- 誤字脱字は絶対NG
上記の5点を押さえれば、より気持ちの伝わる良い反省文を完成させられるでしょう。それぞれの項目について、下記にて詳しく解説します。
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第4回 反省が必要で、それを表明すべきときの文書すべてと解釈する反省文はパソコン作成よりも手書きで
気持ちがもっとも伝わるのは手書きです。自筆に自信がなくても、丁寧に気持ちを込めて書いた文章は好感が持てます。先方にパソコン作成を求められた場合でも、署名は自筆にすると好印象。加えて捺印もしておくとベストです。
謝罪の気持ちが十分に感じられる表現で
反省文であるからには、心から反省している旨が文面からしっかりと伝わることが重要です。そのため、事務的な表現や軽いニュアンスの表現の多用はおすすめしません。
たとえば「失礼いたしました」「すみません」と伝えたいときは、「不徳の致すところです」「弁解の余地もございません」「深く反省しております」など、強い表現で気持ちを表すようにしてください。
ダラダラと言い訳がましくならない
反省文を提出する相手は、言い訳を求めているわけではありません。
反省文に原因を盛り込むことは必要ですが、書き方には注意が必要です。「○○さんが△△するはずだったのが…」等と人のせいにして言い訳するのは言語道断。
反省文は、自分の非を認め素直に謝罪することを意識しながら作成しましょう。
曖昧な表現は避ける
「~だと思います」「~できたらと」「~よう気を付けます」などの曖昧表現は、自信のなさを表します。とくに、改善策を述べるところでは「~します」「~しません」と断言するようにしてください。
誤字脱字は絶対NG
誤字脱字のある文書は、読み手に「ミスが多い」「注意力がない」「相手のことを考えていない」というマイナスの印象を与えます。
このような文章でいくら反省の意を伝えようとしても逆効果で、むしろ反省していないとみなされてしまうかもしれません。誤字脱字は絶対にないように、提出前に必ず確認しておきましょう。
【社会人の事例別】反省文の例文
それでは、具体的に反省文の書き方を見ていきましょう。
反省文は、顛末書や始末書のように報告書としての意味合いは持っていないため、事の一部始終においては軽く触れる程度とし、反省と謝罪の意に重点を置いた内容にすることがポイントです。
構成は以下のようにし、簡潔にまとめましょう。
- いつ、何が理由で、どのようなミスをしたのか
- 反省の意
- 今後の改善策と誓約
では、ケース別の例文を示しますのでチェックしていきましょう。
例文1:遅刻をしてしまった場合
社会人でも遅刻をしてしまうことはありますね。それが電車遅延などのやむを得ない理由ではない場合は、反省文を求められることもあります。
誠意ある反省文を作成し、謝罪の気持ちをしっかりと伝えましょう。
【具体的な例文】
私は、○年〇月〇日、寝坊により遅刻をしてしまいました。
これは私の不注意によるもので、弁明の余地はまったくございません。
社会人として恥ずべき行為であり、深く反省しております。
また、この結果、関係者各位に多大なご迷惑を与えましたことを重ねてお詫び申し上げます。
今後は、二度とこのようなことがないよう自己管理に努め、信頼を回復すべく職務に邁進いたします。
この度は本当に申し訳ございませんでした。
より誠意ある反省文にするためにも、例文のように、遅刻によって周囲に迷惑をかけたことへのお詫びを加え、反省文の締めくくりには再度謝罪の言葉を入れておくと良いでしょう。
例文2:提出期限遅れの場合
部署内で提出を求められるような書類の遅延であれば、口頭やメールでの謝罪で済む場合がほとんどです。
しかし、重要な文書や社外にまで影響を及ぼす書類提出の遅延の場合等には、反省文が必要になるケースがあります。謝罪の気持ちを込めた誠実な反省文を作成しましょう。
【具体的な例文】
私は、○年〇月〇日、期日忘れにより△△書類の提出が遅れました。
これは私の管理不足によるもので、弁解の余地もございません。
社会人として恥ずべき行為であり、深く反省しております。
またこの結果、関係者各位に多大なご迷惑を与えましたことは不徳の致すところです。
今後は、二度と提出期限に遅延しないようスケジュール管理を徹底し、業務を遂行していく所存でございますので、今回に限りましては寛大な措置をいただきますようお願い申し上げます。
この度は本当に申し訳ございませんでした。
基本的には、遅刻をしてしまった場合に作成する反省文と同じで、反省の意に重きを置いた内容にします。提出遅れにより何らかのお咎めが考えられる場合は、例文のような「寛大な措置を~」という内容を入れておくとベターでしょう。
ただし、措置に関する文言は、あくまで添える程度の感覚で文末に配置すること。反省の意よりも目立ってしまうと、逆効果になります。
例文3:事故を起こしてしまった場合
営業車等の運転中にやむを得ず事故を起こしてしまうこともあるでしょう。
交通事故を起こしてしまった場合、事故発生の原因や状況を詳しく上長に報告する必要があるため、基本的には顛末書や始末書の提出が求められます。ですが、軽微な事故の場合は反省文で済むケースもあります。
【具体的な例文】
私は、○年〇月〇日、自社の車を運転中に接触事故を起こしてしまいました。
事故の原因は、私の安全不確認であり、深く反省しております。
幸い相手の方に怪我はなかったため、物損事故扱いとなり、既に保険会社による示談交渉も終了しております。
この件に関して、関係者各位に多大なるご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げますとともに、今後はこうした事故を再び起こすことがないよう、運転中の安全確認を怠らないことを誓います。
この度は本当に申し訳ございませんでした。
今回は顛末書や始末書ではないため、事故の経緯を詳しく記す必要はありませんが、軽微な事故であっても、相手方の状態や事故処理の状況は簡潔に記すようにします。
文末には、同じような事故を起こさないためにどのようにしていくのかを具体的に書くと良いでしょう。
このように、反省文は起こした失態に対して自分の非を認め、反省の意と謝罪の気持ちに重きを置き、簡潔にまとめることを意識して作成しましょう。
例文4:欠勤してしまった場合
体調不良などやむを得ない理由での欠勤で、反省文を求められることはありません。しかし、トラブルで旅先から帰れなかったなどの理由で欠勤した、無断欠勤してしまったなどの場合は、反省文を求められることがあります。
なぜ欠勤してしまったのか理由を明確にし、謝罪の気持ちと今後の対策などについて記載しましょう。
【具体的な例文】
〇年〇月〇日より〇日間、連絡をせず欠勤してしまい、誠に申し訳ございませんでした。
初日に体調不良で連絡できず、2日目以降は無断欠勤したことをどのように説明するかに悩み、結局連絡をしないまま数日間経過してしまいました。
皆様にご迷惑、ご心配をおかけしてしまい、社会人として無責任な行動であったと心より反省しております。
今後は体調管理を徹底し、同じ過ちを繰り返さないよう努める所存です。
この度は本当に申し訳ございませんでした。
欠勤によって重要な会議に出席できなかったなど、何らかのトラブルが発生した場合は、そのトラブルについての謝罪や対策などについても書いておきましょう。
例文5:飲酒で失敗してしまった場合
お酒の席で「無礼講」といわれることがありますが、何をしても許されるわけではありません。酔って暴言を吐いたり、セクハラと受け取られる発言をしたり、粗相をしたりした場合は、反省文を求められる可能性があります。
酔っていたからとごまかさずに、関係者に対して謝罪の気持ちを込めた反省文を作成しましょう。
【具体的な例文】
〇月〇日に開催された忘年会におきまして、適量を超える飲酒により泥酔した結果、皆様に大変不快な思いをさせてしまい、誠に申し訳ございませんでした。
自身の品位を欠く行動を恥ずかしく思うと同時に、深く反省しております。
今後は飲酒量に注意し、節度ある行動を取るよう心がけることを固く約束いたします。本当に申し訳ございませんでした。
暴言やセクハラなどがあった場合は、「今後このような事態を起こさないと誓約する証として、本書を提出いたします」など、誓約の文言を記載することもあります。
また、反省文の提出で終わらせず、迷惑をかけた方に直接謝罪することも大切です。
例文6:業務上のミスをしてしまった場合
普段から気をつけていても業務上で何らかのミスを起こしてしまうこともあり得ます。
軽微なミスの場合は本人の反省により改善できる場合がほとんどです。そのため反省文を書くことによって上司に反省の意を示し、今後同じミスが起こらないように作成します。
【具体的な例文】
○月○日、私の不注意によりミスを起こしてしまい誠に申し訳ございません。
皆様にも多大なご迷惑をおかけし、心より謝罪の意を申し上げます。
今後はこのようなことを二度とくり返すことがないよう細心の注意を払う所存です。
この度は本当に申し訳ございませんでした。
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【学生の事例別】反省文の書き方
学生でも、校則違反やいじめなどをした場合に反省文を書くことがあります。では、学生の事例別に反省文の書き方を見ていきましょう。
スマホを没収されたときの反省文の書き方
スマホ持ち込み禁止の校則違反をしたり、授業中や部活中にスマホ使っているのがバレたりすると、教師にスマホを没収されることがあります。
スマホを返してもらうために反省文を求められたら、以下の内容を反省文に盛り込みましょう。
- タイトル:反省文
- 所属学部(学科)、学年や組、名前
- スマホを没収された日時
- 反省の言葉
- スマホを没収された経緯
- スマホを没収された理由
- 今後はどうするのか
- 再度、謝罪の言葉を記載
学校によっては指定の反省文の用紙が用意されている場合もあるので、先生や先輩の指示に従ってください。特に決まりがない場合は、原稿用紙やレポート用紙などを使用し、心を込めて謝罪の意志をつづりましょう。
校則違反をしたときの反省文の書き方
校則違反をしたときも、基本的な反省文の構成は「スマホを没収されたときの反省文」と同じです。
- タイトル:反省文
- 所属学部(学科)、学年や組、名前
- 校則違反をしてしまった日時
- 反省の言葉
- 校則違反をした経緯
- 校則違反をしてしまった理由
- 今後はどうするのか
- 再度、謝罪の言葉を記載
学校や教師指定の反省文用紙があればそれに従い、特に指定がなければ原稿用紙やレポート用紙などに記載してください。反省文の内容によっては学校側からの罰則が変わる場合もあるので、できるだけ丁寧かつ慎重に記載しましょう。
いじめの反省文の書き方
いじめ加害者の反省文についても、スマホ没収や校則違反のときと同じような構成で記載してください。
- タイトル:反省文
- 所属学部(学科)、学年や組、名前
- いじめをしてしまった日時
- 反省の言葉、いじめ被害者への謝罪の言葉
- いじめをした経緯
- いじめをしてしまった理由
- 今後はどうするのか
- 再度、謝罪の言葉を記載
- 宛先、宛名
いじめ加害者である場合、自宅謹慎や停学になるかもしれません。そんなときは封筒を用意し、学校長や担任教師宛に郵送します。
宛名を書くとき、先生の敬称は「〜校長」「〜先生」でOKです。「〜校長殿」「〜先生様」など敬称を重ねるのはマナー違反になるので注意してください。
いじめは、被害者を深く傷つける行為です。反省文では心を込めて謝罪の意志を示し、二度と同じことを行わないことを伝えましょう。
社員に反省文の提出を求める際の注意点
会社が社員に反省文の提出を促す際には、以下の点に注意する必要があります。
- 社員に反省文の提出を求めるには、会社側に正当な理由が必要
- 社員が反省文の提出を拒否しても、会社側は当該社員を懲戒処分することができない
詳細を説明しますので、参考にしてください。
反省文の提出を求めるには正当な理由が必要
社員に反省文の提出を求めるには、会社側に正当な理由が必要です。「正当な理由」に基づき反省文の提出を求める行為としては、以下のような要件が考えられます。
- 指導や指示の一環として業務上必要な範囲内である
- 客観的な事実に基づき、提出を求めるものである
上司の主観的な動機のみに基づき、部下に反省文の提出を強要する行為等は、「正当な理由」があるとは考え難いです。また、そのような行為は反省文の提出を強要された側から、パワハラと捉えられかねませんので注意しましょう。
社員が反省文の提出を拒んでも懲戒処分にはできない
「正当な理由」があれば、会社は社員に対して反省文の提出を促すことができます。しかし、仮に社員が反省文の提出を拒否したとしても、会社側は当該社員を懲戒解雇にすることができません。
反省文の目的は「当事者の失態の内容を明らかにし、反省を促す」ことです。一方、憲法第19条では「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない」と定められています。すなわち、憲法により、当事者が反省するかどうかというのは、内心の自由として保障されているのです。
よって反省文の提出を強要することは、社員に「反省」を強要し、個人の意思決定の自由を侵害することとなるため、注意しましょう。
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反省文以外(顛末書・始末書)の書き方
起こしたミスやトラブルの内容や程度によっては、反省文ではなく顛末書や始末書の提出を求められることがあります。
顛末書は発生したトラブルの経緯や事実関係を、時系列に沿って記載し報告するための書類です。そして始末書はより重大なトラブルを起こした場合に、その内容や反省の意を表し、場合によっては自身の進退を伺うために提出する書類であるため、それぞれ書き方が異なります。
下記の記事にて、顛末書や始末書の書き方を詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
まとめ
反省文の書き方について例文や注意点等を挙げながらお伝えしました。
いきなり反省文の提出を求められると、何を書けば良いのだろうと不安になるかもしれませんが、一番大切なのは「反省している気持ちを飾らず伝えること」です。ここで紹介したポイントを押さえ、気持ちを込めて丁寧に作成しましょう。
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