社外向けの顛末書の書き方を解説! 例文・テンプレート付き
顛末書(てんまつしょ)は、仕事上のミスやトラブルの原因を明らかにし、再発防止策を講じるための重要な文書です。
通常は社内用ですが、時には子会社が親会社に提出するなど、社外向けに作成することもあります。
特に社外の関係者に提出する場合は、失礼がないように基本を押さえて丁寧に作成することが求められます。
この記事では、社外向けの顛末書の書き方を、具体的な例文を交えてわかりやすく解説します。ぜひご覧ください。
顛末書の目的
顛末書の目的は「原因分析と再発防止」です。
この文書は、トラブルや問題の一連の出来事を詳細に記述し、その背後にある原因を明らかにすることが主な目標です。
単なる事象の報告ではなく、なぜその問題が発生したのか、何が影響したのかを徹底的に分析します。
原因特定が行われることで、同様の問題の再発を防ぐための対策が可能です。
顛末書は組織内外のステークホルダーに向けて情報提供を行うものであり、問題解決や改善に向けた具体的な行動計画を提示する必要があります。
報告内容は客観的で正確でなければならず、事実に基づいた記述が求められます。
問題の根本原因を特定し、再発を未然に防ぐための施策を示すことが、顛末書の本来の役割です。
社外向け顛末書の書き方と注意点
顛末書に記載する項目は次のとおりです。
- 発生日時と関係者
- 概要
- 損害や被害の状況
- 対応
- 原因
- 再発防止策
それぞれの内容と注意点について解説します。
発生日時と関係者
まずは、発生日時と関係者について、正確かつ詳細に記述しましょう。
発生日時は事件のタイムラインを明確にし、事象の経緯を理解するための基本的な情報となります。トラブルの場所が関連している場合、場所も記載することが必要です。
これにより、トラブルの状況や背景が明確になります。
さらに、関係者を書き記すことも欠かせません。特に、どの部署や担当者が問題を引き起こしたのかを具体的に明示することが大切です。
これにより、責任の所在が明確化され、再発防止策の検討がスムーズに進行します。
概要
顛末書の概要部分は、読み手に何が起こったのかを即座に理解してもらえるように記述します。
概要は、明瞭かつ簡潔にまとめることを意識しましょう。
まず、どの事案に関する顛末書かを記し、トラブルや問題の本質を端的に伝えます。
また、5W1H(Who, What, When, Where, Why, How)を意識して情報を整理しましょう。
損害や被害の状況
事故やトラブルの場合、損害や被害の詳細情報を的確に記述することが不可欠です。
まず、負傷者の状況や物損の程度を明示し、関連する商品名や数量を特定します。具体的な損害金額がわかっているのであれば、その金額も明記しましょう。
読み手は事態の深刻さや影響を正確に把握でき、対策や補償の必要性を判断できます。
対応
トラブルが発生したあとの対応策について、時系列に沿って記述します。
どのような措置を取り、その結果どうなったのかを、わかりやすくまとめるのがポイントです。
相手にも負担がかかった場合や、対応してもらった場合は、謝罪や感謝の気持ちを伝えましょう。
原因
原因の明示は顛末書の重要な要素で、事象が理解されるために不可欠です。
まず、トラブルの本質的な原因を客観的かつ具体的に記述します。第三者が読んでも理解しやすいように、事実に基づいて情報をまとめます。
言い訳や責任転嫁に感じる表現や主観的な表現は避け、客観的な分析を行うことを心がけましょう。原因を明らかにすることは、効果的な再発防止策を講じるうえで重要な意味を持ちます。
情報提供の透明性と誠実さが、社外に対する顛末書の効果を高めます。
再発防止策
原因を踏まえ、再発を防ぐための具体的な対策を講じます。
例えば、プロセスや手順の改善、モニタリングシステムの強化などによって問題の発生を未然に防ぎ、品質と効率性を向上させることがあげられます。
「より一層気をつける」など、具体的な行動が示されていないと、表面だけの対策と取られて信用の損失になりかねません。具体的な行動を述べることを意識しましょう。
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【社外向け】顛末書の例文・テンプレート
ここでは、社外向けの顛末書の例文・テンプレートを紹介します。
社外向けの顛末書の例文
社外向けの顛末書について、2パターンの例文を見ていきましょう。
商品発送遅延に関する顛末書例文
取引先から注文を受けた商品の発送に遅延が生じてしまった時の、顛末書の記載例です。
◯年◯月◯日 ◯◯(会社名) ◯◯(自分の会社名)
このたびの商品Aのご発送遅延につきまして、下記のとおりご報告いたします。 ■概要 ■対応 ■原因と今後の対策 お客様には大変ご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。今後、このような問題が再発しないように改善策を徹底し、サービスの向上に努めてまいります。 |
請求書の金額記載ミスに対する顛末書例文
◯年◯月◯日 ◯◯(会社名) ◯◯(自分の会社名)
このたびの〇月分ご請求書の誤植につきまして、下記のとおりご報告いたします。 ■概要 内容:◯月分ご請求書について、正しくは税込◯◯万円のところ、誤って税抜き金額で記載。誤った請求書を◯月◯日に送付しました。 損害や被害状況:送付後すぐに誤りをご指摘いただき、正しい請求書を送付いたしました。金銭のやり取りは発生しておりません。 ■対応 ■原因と今後の対策 ・請求プロセスの品質管理の見直しと改善 お客様にはご不便、ご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。今後、このような問題が起きないよう、改善策を徹底いたします。 |
顛末書のテンプレート
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テンプレートは、トラブルや問題が発生した際に、顛末書を効率的に作成するうえで役立ちます。
会社から書式の指定がない場合は、ぜひビズオーシャンのテンプレートをご活用ください。
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顛末書と始末書の違いとは?
顛末書と始末書は、トラブルやミスが発生した際に提出される文書ですが、役割に違いがあります。
顛末書は、トラブルの一連の出来事を詳細に報告し、原因分析と再発防止策を検討する文書です。通常、提出先は社長や最高責任者ですが、社外へ提出するケースもあります。
例えば、子会社の社員が親会社に提出する場合や、グループ会社間で情報共有を目的として提出されることもあるでしょう。
一方、始末書は、トラブルに対する本人の反省や謝罪に焦点が当てられています。提出先は通常、会社の判断によります。社内宛ての場合もあれば、取引先や顧客に提出されることもあります。
始末書は、個人の誠実さや謝罪の気持ちを示す手段として利用され、トラブルの再発を防ぐための具体的な対策を含まない点が顛末書との違いです。
まとめ
顛末書を作成する目的は、ミスやトラブルの再発を防止することです。
顛末書の作り方次第では、相手方との関係悪化につながりかねないため、基本を押さえたうえで慎重に作成する必要があります。
特に、再発防止策のパートで具体的な行動が示されていないと、表面だけの対策と受け取られる可能性があるので注意が必要です。
受け取った相手が納得できるような対策を講じ、顛末書にわかりやすくまとめることを心がけましょう。
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