無線綴じのやり方とは? 自分で製本する方法を解説
無線綴じは、表紙で印刷した本文を囲って、背表紙に綴じる製本方法のことを指します。背表紙のある本のままの形で製本できるのが特徴です。
糸や針金を使った製本を使う製本方法と違い、綴じた線が出ないのがメリットです。
では、無線綴じのやり方は具体的にどうすれば良いのでしょうか。この記事では、無線綴じを自分でやりたい人に向けて、無線綴じに必要なものや具体的なやり方・手順を紹介します。
無線綴じで用意すること
自分で無線綴じで製本する際に、まずは必要なものをそろえるようにしましょう。
また、表紙に必要な紙のサイズも気を付けてください。
必要なもの
自分で綴じで製本する際、必要なアイテムは次の通りです。
- 表紙:無線綴じの本の外側を覆うカバーとして使用します。通常、厚紙やカードボードを使います。
- 中紙:書籍の中身である用紙です。中紙の種類や品質は、製本の仕上がりに影響を与えます。
- 接着剤:無線綴じするための接着剤が必要です。普通の店舗で販売している木工ボンドを使えば問題ありません。
- クリップ:中紙を一時的に固定するのに役立つ道具です。クリップを使うことで、接着剤が完全に乾くまでページがずれなくなります。
- 重り:特に分厚い本を綴じる場合、本を閉じた状態で接着剤が完全に乾くまでの間、重りになるものが必要です。重さのある本や辞書など抑えられるものであれば何でも問題ありません。
用意する紙のサイズ
背表紙の幅は、ページの厚さ + 余裕(通常1〜2mm)があるとよいでしょう。
表紙のサイズは、製本する本のページ数や用紙の種類によって異なるためです。
無線綴じのやり方・手順
自分で無線綴じする際の手順は以下の通りです。
- 用紙に印刷する
- 全ページをまとめて固定する
- 背を接着剤で糊付けする
- 表紙を貼る
それぞれ画像付きで解説していきます。
1.用紙に印刷する
まず、製本する本のサイズを決め、そのサイズに合わせて全ページを印刷します。
ただし、糊付けされるページの外側5mm程度には、印刷が入らないように配置するようにしましょう。本を開いたとき、糊付けされる部分が見られなくなるためです。
また、ページの糊付け以外の部分も同様に同じくらいの余白を持たせておくと、本の全体的なバランスがよくなり、読みやすさが向上します。
2.全ページをまとめて固定する
次に、ページの順序を誤らないように注意しながら、すべてのページを正しい順番に並べます。
そして、全ページをクリップで固定しましょう。
この際、端を正確に揃えることが重要です。端が揃っていないと、最終的な仕上がりが不均一になるためです。
3.背を接着剤で糊付けする
背表紙に接着剤が十分に入るよう、カッターの腹部分で軽く傷をつけます。
接着剤を塗ったら、上から重りを置いて背をしっかり固定してください。この際、クリップは外しません。
接着剤が完全に乾いたら、クリップを外し、ページが正しく固定されていることをチェックしましょう。
4.表紙を貼る
背表紙に接着剤がしっかり固定されたら、折り目をつけた背表紙を包み込むように接着剤を塗布します。
その際、背表紙が均一で平らになっていることを確認しましょう。不均一な部分があれば調整してください。
また、接着剤が表紙からはみ出している部分を拭き取れば、綺麗に仕上がります。表紙を貼った部分を十分に乾燥させたら、無線綴じの製本が完成です。
無線綴じをする際の注意点
自分で無線綴じするときに、気をつけるべき点はいくつかあります。
- ページ数の少ない冊子は無線綴じには向いていない
- 見開き画像は見えなくなる可能性がある
無線綴じに向いている冊子を知ることが大切です。
ページ数の少ない冊子は不向き
無線綴じは、ページ数が10ページ未満など、厚みのない冊子には向いていません。糊付けする部分が少なく、必要十分に綴じるのが難しいからです。
ページ数が数ページしかない場合は、中綴じの方が綺麗な仕上がりになります。中綴じは、針金(ホッチキス)で綴じることで、背表紙のない状態に仕上がります。
見開き画像の見え方に注意
無線綴じでは、ページの間が糊付けされるため、見開き画像が分断されて見えなくなる可能性があります。
見開きで連続する画像や、デザイン要素をページの境界にまたがないようにしてください。
ページをまたぐ要素がある場合、その重要な部分をページの境界から適度にずらして配置しましょう。
まとめ
無線綴じのやり方は、個人でもできるものですが、ページの印刷や表紙のサイズに気を付けてください。
糊付け後のイメージをすることで仕上がりが綺麗になるでしょう。
特にページ数が少ない場合や、見開き画像が多い冊子の製本には、無線綴じ以外の製本方法の方が向いていることもあります。