このページはJavaScriptを使用しています。JavaScriptを有効にして、対応ブラウザでご覧下さい。

評価される研修報告書の書き方とは?ポイントを例文付きで解説

評価される研修報告書の書き方とは?ポイントを例文付きで解説

社内で何らかの研修に参加した後、研修報告書の提出を求められることがあります。

「報告書」という名前ではあるものの、実際は受講者の評価や研修内容の効果測定に使われることもあるため、丁寧に書かなければなりません。

この記事では、研修報告書の例文を、研修の内容別に紹介します。書く際のポイントも解説するので、ぜひ参考にしてください。


この記事の著者

研修報告書の目的とは

研修報告書の目的は、受講者側と、研修を主催する人事側とで異なります。それぞれの立場から見た、研修報告書の目的を解説します。

受講者側の目的:研修の復習と成果報告

受講者が研修報告書を作成する目的は「研修内容の復習」と「得られた成果の報告」です。

受講者が研修報告書を作成する際、どういった研修が行われ、そこで何を学んだのかを再確認する工程があります。

その工程によって、学んだ内容の理解を深められるでしょう。研修報告書を作ることは、学習の定着率を高めることでもあるのです。

同時に、自身の学びの姿勢や学んだ成果を、読み手である研修の担当者や上司にアピールする手段でもあります。

人事側の目的:研修内容の効果測定と改善

人事側の目的は、研修内容の効果を測定することです。

主催した研修が予定どおり進行し、受講者が期待どおりの成果を得たかどうかの評価にも使用します。

期待したほどの効果が得られなかった場合、計画の見直しや予算の再考が必要です。

その場合も提出された研修報告書に基づいてPDCAサイクルを回していくことで、対策を立てやすくなるでしょう。


研修報告書の書き方

研修報告書の書き方には、一定のルールがあります。項目名は企業によって異なりますが、おおよそ以下のような項目を記載しなければなりません。

  • 氏名
  • 参加日時
  • 場所
  • 研修名
  • 講師名
  • 研修内容
  • 感想

各項目について、1つずつ詳細を確認していきましょう。

氏名

研修報告書を提出する当人の所属と氏名を、フルネームで記入します。

氏名の前には、「〇〇部〇〇課」といった、部署名や所属先も加えてください。

参加日時

研修が行われた日時を記載します。

令和〇年〇月〇日(月)13:00~15:00のように、開始時刻と終了時刻も明確に書くと良いでしょう。

場所

研修を実施した場所を記載します。

社内研修の場合は「会議室」「ミーティングルーム」など、社内の部屋の名前を書きましょう。社外研修の場合は、どこで研修を行ったのか、具体的な会場名を書いてください。

研修名

「マナー研修」「ロールプレイング研修」など、受講した研修の名前を記載します。

特に省略や簡略化はせず、受講した研修の名前をそのまま転記すれば問題ありません。

講師名

研修の講師の名前を記載します。

社内の人間が講師であった場合は、「〇〇部 〇〇課長」「〇〇部 〇〇主任」などと部署名や役職を添えて書きます。

外部から招いた場合は「〇〇株式会社 〇〇氏」「マナー講師 〇〇氏」のように、派遣元や講師の肩書きを記しましょう。

研修内容

研修で学んだ内容を書いてください。このとき、文章にするよりも次のような箇条書きがおすすめです。

(例)研修内容

  • 社会人とは
  • 身だしなみチェック
  • 電話応対・名刺交換のルール

箇条書きにすると、読み手にも伝わりやすくなります。

感想

最後に、研修全体の感想を述べます。この項目は個人の所感なので、主観を含めた内容で問題ありません。

ただし、すべて主観的に書くのではなく、研修で得た知識や学びを今後どのように活かしていくのかは、客観的に表現しましょう。


【例文】研修報告書

研修報告書で特に悩むのが、「研修内容」と「感想」の書き方でしょう。

ここでは、研修内容と感想の例文を、研修の内容別にいくつか紹介します。

なお、ここで紹介する例文入りのテンプレートは、以下からダウンロードできます。研修報告書の形式が決まっていない場合は、ぜひ活用してください。

【書式のテンプレートをお探しなら】

コンプライアンス研修に関する例文

コンプライアンス研修における研修報告書の例文です。

昨今、コンプライアンス遵守が強化されているので、研修を受ける機会も増えているでしょう。このケースでは、研修を通じて得た気付きをまとめると良い評価につながります。

【研修内容】

  • 個人情報保護・情報セキュリティ
  • SNSの取り扱い
  • ハラスメントに該当する行為の例

【感想】

個人情報の取り扱いに関しては、前職でプライバシーマークの研修を受けていたこともあり、理解がスムーズに進みました。

個人的に普段SNSを利用していませんでしたが、不適切な使い方によって、賠償のリスクや多額の損害が発生する恐れがあると分かりました。改めて自らを律するとともに、利用する際は、発信者責任が生じることを念頭に置きたいです。

ハラスメントは、具体的に自分が気を付けなければいけない点が明確になりました。特にパワハラについては、具体的にどういった行為が該当するのか、認識を改めることができました。

今後は上司・部下の関係を問わず、積極的にコミュニケーションをとり、チームの結束を高めていきたいと思います。

リーダーシップ研修に関する例文

リーダーシップ研修を受けた後に提出する、研修報告書の例文です。

リーダーシップ研修を受けることになった場合、社内で期待されている人材だと考えて良いでしょう。そのため研修報告書にも、日々の業務に活かせることが何かなどをまとめるようにしましょう。

【研修内容】

  • チームマネジメントの重要性
  • 目標設定方法(グループディスカッション)
  • 人材配置の考え方
  • チームワークを向上させるコミュニケーション方法

【感想】

企業で必要とされるリーダー像や、部下のマネジメント方法について学びました。
特に「大勢の前で指導してはいけない」という項目が、印象に残りました。これは私が意識できていなかった点であり、指導方法が不適切であったと認識・猛省した点です。

加えて、今まで見えていなかったリーダー像がおぼろげながらイメージできました。
まずはメンバーの発言に耳を傾け、自由に話せる雰囲気作りから始めてみます。

人材配置の考え方では、人材育成や適材適所の役回りがいかに大切か、実際の人事例とその効果がとても参考になりました。現在のチームでも気になる社員が数名おりますので、12月の面談では、当人の考えを細やかに聞き取るつもりです。

チームワークを向上させるコミュニケーションでは、効果的なコミュニケーションの取り方やメンバーとの接し方など、実務面で役立つことを知りました。

「相手ではなく、自分が変わることが先である」と、再認識。今後は、チームの一人ひとりに関心を持ち、本音で付き合える信頼関係を築きたいです。

ビジネスマナー研修に関する例文

ビジネスマナー研修に関する研修報告書の例文です。

新入社員研修で取り入れられることが多い研修であるため、ここで初めて研修報告書を書く人もいるかもしれません。研修で学んだことを、どのように日々の業務に活かしていくか、具体的に記載しましょう。

【研修内容】

  • 「報連相」の原則
  • 電話・対人対応のマナー
  • 文書作成のマナー

【感想】

報告・連絡・相談は、自分のしたいときに行うものではなく、「相手の状況を確認してから行うこと」が大事だと分かりました。入社したばかりで目の前の作業に焦るあまり、つい自分のペースで先輩に報告していたなと、大いに反省しています。

また、マナーとは「まわりの人達を不愉快にさせない態度や気遣い、心配りのこと」だと知りました。守らなければならない作法だとばかり思っていましたので、ハッとさせられました。

電話対応のマナーでは、例題に沿ったやり取りを実践しました。実際に自分の電話の様子を録音して確認しましたが、録音された自分の声を聞いたとき、相手に要件をうまく伝えられていないことに気付けた点が最大の収穫です。

今後は、電話をかける前にメモを用意し、要点を簡潔・正確に伝えるように努めます。


研修報告書の作成ポイント

最後に、研修報告書を作成する際のポイントを解説します。こうした点も踏まえて作成すれば、より社内での評価につながる研修報告書となるでしょう。

研修の目的を明確にする

まず、研修の目的を明確に理解しましょう。研修にはそれぞれ目的があり、たとえば「〇〇の知識・スキルを得る」「研修を受けて〇〇を会得する」などが挙げられます。

目的を理解することで、「何を学んだのか」「何ができるようになったのか」「今後どのように業務に活かすことができるか」といった目的の達成度を、正確に評価できます。

自発的に受けたものではなくても、まずはどういった目的で実施されたのか、なぜ自分達が参加することになったのかは把握しておきましょう。

客観的な視点で記載する

研修報告書を作成する際、客観的な視点での記載も意識してください。

主観的な表現や抽象的な記述は避け、具体的な事実に基づいて記載しましょう。「◯人中◯人が★★だった」「全体の◯%が★★という結果が出た」といったように、数字を使いながら書くのも良い方法です。

これは、感想の部分でも同様です。感想の部分には自分の考えや感じたことを入れても構いませんが、それだけで終わらないよう注意してください。

一文一義を意識する

文章を明確で読みやすくするために、「一文一義」を心がけましょう。一文一義とは、1つの文章に1つの出来事や伝えたいことを集約させることを指します。

以下に、悪い例と良い例を紹介します。自分の書いた文章が「良い例」に近づくよう、意識して書いてみてください。

悪い例

良い例

彼女は教育を受け、専門知識を身に付けており、そのため新しいプロジェクトに参加することができました。

彼女は教育を受け、専門知識を身に付けております。そのため、新しいプロジェクトに参加することができました。

文章作成のマナーを守る

社内に提出する研修報告書とはいえ、基本的な文章作成マナーを守ることも重要です。以下のような点ができているか、提出前に確認してください。

  • 誤字脱字のチェック
  • 「ですます調」または「だ・である調」での統一
  • 漢字の閉じ開き・表記の統一(「できる/出来る」や「すべて/全て」など)

こうした基本的なマナーは、日常的な業務や資料作成でも役立ちます。

研修を今後どのように活かすのかを示す

研修報告書には内容や感想を述べるだけでなく、研修の成果を今後にどのように活かすかを明示することも欠かせません。

「研修を受けただけで終わり」にならないよう、自分の普段の仕事に活用する方法を考えて書いてみてください。

研修で聞いた話や特に印象的だったことを踏まえて、なぜそう感じたのか、その内容をどうやったら仕事に取り入れられるか、といったように順に考えていくと書きやすいはずです。


まとめ

研修報告書は書いて終わりではなく、提出後にさまざまな場所で活用されるものです。

内容がきちんと書けているかはもちろん、「読みやすいか」「文書としてのマナーが守れているか」「研修を受けた意義が自分で理解できているか」といった点もチェックされます。

社内に提出する研修報告書だからといって手を抜くことなく、丁寧に仕上げてください。


この記事に関連する最新記事

おすすめ書式テンプレート

書式テンプレートをもっと見る

著者プロフィール

author_item{name}

bizocean事務局

bizocean(ビズオーシャン)は、トライベック株式会社が運営する「仕事の面倒を失くして、新しいビジネススタイルを提案する」をモットーとしたビジネス情報サイトです。

この著者の他の記事(全て見る

bizoceanジャーナルトップページ