備品購入での稟議書の書き方! 例文も紹介
新しいシステムや備品を購入したい場合、「購買稟議書」を作成して稟議を上げなくてはなりません。
購買稟議書には、購入したい商品の名前や購入理由、具体的な金額などを記載し、「その商品でなければならない理由」が伝わるように書く必要があります。
この記事では、購買稟議書の書き方を3つのシーン別の例文と共に紹介します。作成時の注意点も解説するので、ぜひ参考にしてください。
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品物購入での稟議書の書き方
稟議(りんぎ)とは、自身の権限では決定できない事柄について、社内で承認権(決裁権)を持つ人から承認を得る手続きのことです。
「稟議書」という文書を作って社内に回覧しますが、このことを「稟議を上げる」と呼びます。
稟議を上げるケースは多々ありますが、会社に必要な備品・サービスを購入する際の稟議を「購買稟議」、稟議書を「購買稟議書」といいます。
稟議書が必要なものとは
一般的に、パソコンや事務機器といった高額な備品や、会社全体で利用するITシステムなどを購入したい場合は、稟議書を提出します。
事務用品を始めとした低価格な備品を購入するときも稟議書が必要になるケースはありますが、高額な備品の稟議とは、提出先や決裁者が異なることが多いです。
記載すべき項目
購買稟議書に必要な項目は、次のとおりです。
- 購入理由
- 購入先
- 支払う金額
- 支払日と支払方法
購買稟議書では、購入時に必要となる金額や支払方法などを明記することが重要です。金額は総額だけではなく、その内訳も記載しましょう。
購入理由も、詳しく書くべきです。その備品を購入するメリットや目的を明確にすることで、承認を得やすくなります。
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【ケース別】品物購入の稟議書テンプレートと例文
以下の備品やサービスを購入する際に利用できる、稟議書のテンプレートと例文をケース別に紹介します。
- パソコン
- セキュリティシステム
- 事務用品
なお、どのシーンでも書くべき内容に大きな違いはありません。基本を押さえておくと、どんな購買稟議書でも効率よく作れるようになるでしょう。
パソコン購入の稟議書
購入したいパソコンの詳細が分かるカタログを始めとした資料も添付すると、よりスムーズに承認を得られるでしょう。
パソコン購入を目的とした稟議書の書き方は、以下のとおりです。
令和〇年 〇〇月 〇〇日
〇〇部部長 〇〇 〇〇様
〇〇部 〇〇課
〇〇 〇〇 印
ノートパソコンの購入に関する稟議書
表題の件につき、ご承認いただきたくお願い申し上げます。
記
1.品名・数量
✕✕社製「〇〇 NOTE BOOK AW001BK」(現行製品の最新モデル)×5台
2.価格
総額:税込 99万円(1台あたり 19万8,000円、添付「見積書」参照)
3.支払方法
振込
4.購入先
△△社(当社指定販売代理店)
5.購入理由
- セキュリティ強化
現行のPCは、社外に持ち出す際のセキュリティ対策が十分とはいえません。
盗難や紛失を想定した指紋認証やロック機能などの拡充が速やかに必要です。 - コスト削減
現在のPCをアップグレードする方法も検討しましたが、諸経費を考慮すると、
新品購入のほうがコスト削減につながると判明したため、買い替えを提案します。(添付「アップグレード費用」参照) - 機能と費用のバランスの良さ
他社を含む3機種を比較・検討した結果、ニーズに合った機能を搭載し、
適切な価格である本機種を選定しました。(添付「機種比較資料」参照)
以上
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セキュリティシステムの稟議書
セキュリティシステムの導入を目的とした稟議書は、以下のように書きましょう。
令和〇年 〇〇月 〇〇日
〇〇部部長 〇〇 〇〇様
〇〇部 〇〇課
〇〇 〇〇 印
セキュリティシステムの導入に関する稟議書
表題の件につき、ご承認いただきたくお願い申し上げます。
記
1.サービス名・数量:
××社 ××サービス「Aプラン」を営業部の外勤8名に導入
2.費用:
年額 48万円(1名あたり利用料 税込6万円、振込)
3.導入理由:
【導入によるメリット】
- 新規セキュリティシステムの導入により、業務効率が改善され、作業工数を従来の60%に削減できる見通しです。
- クラウド型のシステムに変換することにより、管理コストは年間約20万円削減可能となります。
【導入によるデメリット】
- モバイル端末で閲覧可能な顧客データが増加するため、情報漏洩のリスクが高まります。(※ただし、導入が実現した際は、データ取得権限の制限およびセキュリティ教育を実施予定です)
4.添付資料:作業工数削減一覧、管理コスト概算表
以上
事務用品購入の稟議書
日頃使う事務用品のように、比較的低額な備品の購入時も稟議書が必要な場合があります。
今回は、シュレッダーを購入する場合を想定した例文を紹介します。必要に応じて品名を変えて、活用してください。
令和〇年 〇〇月 〇〇日
〇〇部部長 〇〇 〇〇様
〇〇部 〇〇課
〇〇 〇〇 印
シュレッダーの購入に関する稟議書
表題の件につき、ご承認いただきたくお願い申し上げます。
記
1.品名・数量
✕✕社製「シュレッダー aa001型WH」1台
2.価格
総額:税込 3万5,000円(添付パンフレット参照)
3.支払方法
現金
4.購入先
△△社(当社指定販売代理店)
5.購入理由
- 個人情報の管理体制を強化
来年実施予定の「プライバシーマーク」取得計画に伴い、個人情報にまつわる社内の管理体制を整える必要があるため。 - 業務効率の改善
現状、手回し式のシュレッダー1台を使用しているものの、業務効率が低く労力がかかるうえに、大量の文書を処理しにくいため。
以上
- 内容は箇条書きでまとめる
- メリット・デメリットを示す
- 選定理由は明確に伝える
- 決裁者へ事前に伝えておく
それぞれについて、詳しく解説します。
内容は箇条書きでまとめる
稟議書の内容は、箇条書きを使って簡潔にまとめましょう。稟議書は、社内の多くの人々が読み、承認の可否を判断するものです。
文章量が多かったり、冗長な表現が使われていたりすると、そもそも稟議書を読んでもらえるまでに時間がかかってしまうでしょう。
特に大規模な企業の場合、稟議書を上げて社内の承認を得るだけでも、ある程度の時間がかかります。
少しでも早く承認を得られるよう、分かりやすい稟議書に仕上げる工夫が必要です。
メリット・デメリットを示す
新しいシステムや備品の導入を提案する際は、導入によるメリットとデメリットの両方を提示しましょう。
その上で、得られるメリットのほうが多いことを伝えます。
メリットは、具体的なデータや数値を用いて説明すると説得力が増します。「1ヶ月で〇時間の業務時間削減につながる」「印刷費用が月〇〇円削減できる」といったように、記載してください。
なおデメリットを記載する理由は、トラブル防止のためです。
たとえば新しいシステムを導入した後に既存システムとの相性が悪いと分かったり、予想外のリスクが発生したりすると、業務に支障が出ます。
取ろうと思っている対策も併記しておけば、決裁者も安心でき、承認につながりやすくなるはずです。
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選定理由は明確に伝える
特に新しいシステムを導入する場合や、今までとは別の種類の備品に変更する場合は、理由を明確に伝えましょう。
決裁者に比較検討をした結果、その商品を厳選したことをアピールし、承認を得やすくするためです。
購入したい備品と同じカテゴリーの商品の初期費用・ランニングコスト・性能などを比べるのも効果的です。
その結果を図や表にまとめると、さらに分かりやすい購買稟議書になります。
決裁者へ事前に伝えておく
稟議書を作成する際は、事前に上司や決裁者へその旨を伝えておくことをおすすめします。
「〇〇の購入についての稟議書を作成します」といった形で報告してください。
近日中に稟議が上がると伝わっていれば、決裁者が内容の確認や承認にかかる時間も短縮できるでしょう。
まとめ
購買稟議書は、ほかのシーンで作成する稟議書に比べて情報量が多くなりがちです。
多くの決裁者の目に触れることを考えて、箇条書きや数字・図表も使いながら、簡潔にまとめることを意識してください。
稟議書には必要最低限の内容のみを記載し、商品カタログや比較表、見積書は別添とするのも良い方法です。
書き方に悩んだら、今回紹介した例文を活用することをおすすめします。
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