このページはJavaScriptを使用しています。JavaScriptを有効にして、対応ブラウザでご覧下さい。

病院における同意書の書き方とは? 作成時の注意点も紹介

病院における同意書の書き方とは? 作成時の注意点も紹介

患者に何らかの医療処置や手術をおこなう場合は、病院側で同意書の作成をして、患者に記入してもらう必要があります。

同意書には病名や医療処置・手術の名称、手術予定日など、実施する処置や手術に関する内容を漏れなく記載しなければなりません。

もし内容に不足があった場合、訴訟につながる可能性もあるため、慎重に作成しましょう。

この記事では、同意書の書き方や書く際の注意点を解説します。


この記事の著者

病院における同意書とは

病院で作成・利用する同意書は、患者が医療処置や手術のリスクと内容を理解し、自身の自由意志によってその実施に同意することを文書化したものです。

病院での処置や手術などの医療行為を実施する際に、病院側と患者側との間で交わすのが一般的です。

なお、同意なく患者の身体にメスを入れたり、注射を打ったりすることは、傷害罪に該当します。


病院での同意書の書き方

医療行為には、「インフォームド・コンセント」と呼ばれる概念があります。

患者が自身の病状や治療内容を理解し、同意のうえで治療を受けることを指します。このとき、同意書が必要なのです。

病院で作成・利用する同意書に記載する主な項目は、次のとおりです。

  • 病名や手術名
  • 現在の症状
  • 手術の必要性
  • 手術や治療の方法
  • 手術予定日
  • 同意日
  • 患者もしくは代理人の署名

これらの項目は、病院側が記入するものと、患者側が記入するものとに分類されます。

病院側が記入する項目

病院側で記入する項目は、以下の5つです。

項目

記入する内容

病名や手術名

患者が罹患している病名、またはこれから実施する手術名

現在の症状

詳しい病状やステージ(進行度合い)

手術の必要性

手術の目的(例:「〇〇切除」「〇〇置換」)

手術や治療の方法

現時点で想定している術式や治療法

手術予定日

手術を実施する予定の年月日

なお、同意書には手術名や概要のみを記載し、具体的な手順や詳細は口頭もしくは別の資料を使って説明することもあります。

患者側が記入する項目

患者側で記入する項目は、以下の2つです。

項目

記入する内容

同意日

同意書の内容を理解・同意した年月日

患者もしくは代理人の署名

患者本人または保護者・親権者・後見人・親族などによる署名

なお、代理人の署名は患者本人が未成年または意識障害・症状などによって、自身での同意・署名ができない場合のみ必要です。


病院で利用できる同意書のテンプレート

厚生労働省のWebサイトでは、病院で利用できる同意書のテンプレートがダウンロードできます。

「手術」「CT検査」といったケース別のものが用意されているため、状況に応じて活用してください。


病院における同意書の注意点

病院で同意書を作成し、患者に記入してもらう際の注意点は、次のとおりです。

  • 同意内容の記載漏れがないか確認する
  • 同意が必要なタイミングを把握する
  • 患者の署名捺印をもらう
  • 同意の取り消しも可能

いずれも重要な内容なので、丁寧に確認していきましょう。

同意内容の記載漏れがないか確認する

必要な内容が漏れなく記載できているか、慎重にチェックしましょう。

そもそも同意書は、これからおこなう医療処置や手術で起こりうるリスクや予想される治療の結果を患者側に明確に伝えて理解してもらい、その実施に同意してもらうためのものです。

仮に、術後の副作用・副反応などの説明が抜けていた場合、訴訟の原因になりかねません。

患者に記入してもらった後も再度チェックが必要です。同意を求めた医療行為や治療内容について、「すべて了承しているか」をよく確認してください。

同意が必要なタイミングを把握する

同意書を作成し、患者に記入してもらうタイミングも誤らないように注意してください。基本的に、同意書を作成するのは最初の治療を始める前です。

同意を得た後も、患者が再度説明を希望する場合や治療方針を変更する場合には改めて説明をして、新たな同意書を交わす必要があります。

ただし、従来と同じ検査や治療を繰り返しおこなう際は、その都度同意書を作成する必要はありません。

患者の署名捺印をもらう

同意書に、患者の署名と捺印があるかも確認が必要です。医療行為における同意書は、法的効力のある書類です。

患者側の同意を得る際は、患者本人もしくは代理人の署名と捺印が欠かせません。

もし署名や捺印がない場合、予定していた医療処置や手術が実施できなくなる可能性もあります。

予定どおりに医療処置や手術ができなくなった場合、患者の容態が悪化するリスクもあるのです。

患者には事前に署名や捺印が必要なことを念押ししておき、同意書をもらったときも直ちに確認することを心がけましょう。

同意の取り消しも可能

患者側は、一度おこなった同意を取り消すこともできます。

ただし同意を撤回する際には、患者側から「同意撤回書」を提出してもらわなければなりません。

これは治療方針や医療行為に対して患者の意思変更があった場合に、その意思を尊重するために設けられている制度です。

もし同意を取り消したいという申し出があったら、すみやかに同意撤回書の作成を依頼してください。


まとめ

医療処置や手術をおこなう際に作成する同意書は、治療の方針や起こりうるリスクなどを病院側・患者側の双方が理解するために作成するものです。

その性質上、「記載すべき内容に抜け漏れがないか」「すべての内容に同意してもらえているか」といった確認は非常に重要です。

作成時だけではなく、患者から提出があった際も、入念にチェックしてください。

同意書を作るときは、厚生労働省が公開しているテンプレートを使うのがおすすめです。同意書に書くべき内容が網羅されており、トラブル防止にも役立ちます。


この記事に関連する最新記事

おすすめ書式テンプレート

書式テンプレートをもっと見る

著者プロフィール

author_item{name}

bizocean事務局

bizocean(ビズオーシャン)は、トライベック株式会社が運営する「仕事の面倒を失くして、新しいビジネススタイルを提案する」をモットーとしたビジネス情報サイトです。

この著者の他の記事(全て見る

テーマ/キーワードから記事を探す

カテゴリ別テーマ一覧へ

フリーワードで探す

bizoceanジャーナルトップページ