収入印紙に押す割印の位置は? NG例や失敗時の訂正法も解説
収入印紙の割印(消印)の位置は、印紙と文書の台紙をまたぐ場所であれば上下左右どこでも有効ですが、実務では右側に押すのが一般的です。
5万円以上の領収書を前に、「失敗したらどうしよう?」と手が止まってはいませんか。
本記事では正しい位置やNG例、ハンコがないときの署名ルールを解説します。万が一のかすれやズレも、適切な訂正方法を知れば、焦らず対応できるようになります。
【この記事のポイント】
- 収入印紙の割印は、印紙の再利用を防ぐために印紙税法で義務付けられており、法的な指定はないものの、実務では一般的に右側を選び、印紙と文書の台紙の両方にまたがるように押印する。
- 割印には事務用の浸透印やゴム印のほか、ボールペンによる自筆の署名も有効であるが、再利用が可能な消えるペンや鉛筆は認められないため、必ず消えない筆記具を使用して適切に処理する。
- 割印に失敗した際は印紙を剥がさず、空きスペースに正しく押し直して対応し、さらに電子契約や電子領収書を活用すれば印紙税自体がかからないため、業務効率化やコスト削減も期待できる。
収入印紙の「割印(消印)」とは? 知っておきたい基本ルール
まず、なぜ割印が必要なのか、そしていくらの印紙を貼るべきなのかを整理しましょう。
なぜ割印が必要なのか?
割印(消印)は、「その印紙が既に使用されたこと」を証明し、再利用を防ぐために行います。印紙税法では、印紙を貼るだけでなく、適切に「消印(けしいん)」をすることが義務付けられています。
領収書の金額に応じた印紙税額一覧
領収書(受取書)を発行する際、必要な収入印紙の金額は領収書に記載されている金額によって異なり、記載金額が高額であるほど、貼り付ける収入印紙も高額になります。
以下に、実務で頻出する金額帯の印紙税額をまとめました。
|
領収書の記載金額 |
印紙税額 |
|---|---|
|
5万円未満 |
非課税(不要) |
|
5万円以上 ~ 100万円以下 |
200円 |
|
100万円超 ~ 200万円以下 |
400円 |
|
200万円超 ~ 300万円以下 |
600円 |
|
300万円超 ~ 500万円以下 |
1,000円 |
|
500万円超 ~ 1,000万円以下 |
2,000円 |
※1,000万円を超える場合の税額については、国税庁の最新の税額表をご確認ください。
※参考:国税庁「No.7105 金銭又は有価証券の受取書、領収書」
【図解】収入印紙の割印を押す正しい位置
適切な金額の印紙を貼ったら、次は割印です。結論から言うと、割印の位置は「印紙と台紙(文書)にまたがっていれば、上下左右どこでも有効」です。
基本は「境界線」をまたぐこと
印紙の端と、書類の紙の部分の両方に印影(ハンコ)がかかるように押します。これにより、一度剥がして別の書類に貼り直すといった不正を防ぎます。
実務では「右側」が一般的
法的な決まりはありませんが、日本のビジネスマナーとしては印紙の右側に押すのが最も一般的です。特に理由がなければ、右側に押しておけば「慣れているな」という印象を与え、無用な誤解を避けられます。
印影が薄いときは? 割印に使える道具とマナー
「手元に事務用の浸透印(インク内蔵式スタンプ)しかない」「印鑑を忘れた」という場合でも、以下のルールを知っていれば焦る必要はありません。
- 浸透印・ゴム印:OK
実印や銀行印である必要はありません。事務用の浸透印(スタンプ台不要のタイプ)でも法的に有効です。
- ボールペンによる署名:OK
会社名や氏名を自筆で記入することも「消印」として認められます。苗字だけのサインなどは「誰が消したか」が不明瞭なため、フルネームや社名を記すのが安全です。
- 消えるボールペン・鉛筆:NG
消せるボールペンや鉛筆は、後から消して再利用できてしまうため、割印としては認められません。必ず油性ボールペンなどを使用してください。
やってしまった! 割印の失敗例と正しい訂正方法
「ハンコがかすれた」「位置がずれた」といった失敗は誰にでもあります。焦って印紙を剥がすのだけは絶対にやめてください。
正しい解決策
失敗したときは、そのすぐ横(空いているスペース)に、改めて正しく割印を押し直せばOKです。
失敗した印影の上に二重線を引く必要はありません。むしろ、無理に訂正しようとして印紙を汚したり、押し直した印影と重なって判読不能になったりする方がリスクが高まります。
ビジネスの新常識:収入印紙を「ゼロ」にする方法
最後に、近年のビジネスシーンで欠かせない視点をお伝えします。
現在、多くの企業が導入している「電子契約」や「電子領収書」。実は、PDFなどのデータでやり取りする文書には印紙税がかかりません。
印紙を貼る位置や割印の失敗で悩むコストを削減するためにも、この機会に電子化への移行を検討するのは非常に賢い選択です。
正しい割印で、法的な不備を防ごう!
収入印紙の割印は、以下の3点を守れば完璧です。
- 金額に応じた正しい印紙を貼る(5万円以上から必要)。
- 印紙と台紙の「境界線」をまたいで押す。
- 失敗したら、隣に押し直せば大丈夫。
これだけで、税務上のリスクを回避し、相手方にも安心感を与えることができます。