書面にすることで後あと困らない
引き継ぎ事項は、口頭で伝えるだけでなく文書として残すことが重要です。
文書として整理することで、引き継ぐべき必要事項の見落としを防止できると同時に、後任者への伝達ミスも防げます。後で「言った言わなかった」などというトラブルも防げますし、後任者にとってはそれが今後のマニュアルとしても利用できるでしょう。
たとえば営業職なら、顧客別にリストを作ったり、定期的に納入すべき商品などの契約内容や、フォローすべき事項などを項目立てて整理すると、後あとわかりやすいというものです。
技術系の場合は、それまで携わってきた製品に関する資料や機材をしっかりと引き渡すことも重要です。図面、設計書、仕様書、検査要領書、資材表などの各資料も製品ごとに整理し、それらの所在についてもしっかりと引き継ぎましょう。
問題点・課題点の抽出
引き継ぐ側にすれば、前任者の責任によるトラブルまで引き継がされたらいい迷惑です。したがって、これまでの業務に関して未解決の問題点や課題点があれば、出来れば退職するまでの間に自分の責任で解決しておきましょう。
ただし、万一解決されていない、あるいはその度合いが微妙な場合はしっかりとそれを抽出して引き継いでおきましょう。また、現在は問題とはなっていないものの、いずれは問題が起きることが予想されることも、退職までにできる限りの対策を打つと同時に、後任者や上司にも報告しておきましょう。
お客様への挨拶と上司への報告
営業職や受注業務を請け負っている人など、お客さまを持っている人は、これら外部の人への挨拶まわりも欠かせません。
引継ぎの挨拶がなかったことで、本来なら簡単に解決できる問題が意外とこじれたりするのです。
取引先に対しては、業務の引継ぎが問題なく進んでいるということと後任者の信頼性についての安心感を持って頂き、後任者に対しては、取引先との円滑な人間関係を構築してもらうよう努めます。
また、引継ぎが完了したら、上司に完了した旨を報告しましょう。
この際、単に終了したことを伝えるだけでなく、どういう形で引き継いでもらったのか、繰り越した問題点や課題点はあるのか?など、できるだけ具体的に報告し上司に理解を求めましょう。
このように、立つ鳥跡を濁さず円満な転職をすることで、真の意味で新しいステージでのキャリアップが図れるのです。