第1回 ワンランクアップする営業の提案書作成のコツ
商品説明だけでは、お客様は満足しません。商品・サービスがすばらしいものだったとしても、営業提案書次第でそのことを理解されることなく、未契約になるかもしれません。
営業提案書は渡した後、営業担当が同席しないお客様の社内検討や、稟議書添付資料として使われます。
提案書を最強の営業ツールにすることは、とても重要です。
お客様を熟知しよう
第一に、誰に営業をするのか?
第二にその相手にどのようにアプローチしていくのか? 「5W2H」で整理
第三に契約締結に向けて必要な工程、すなわち設置や納期課題、カスタマイズの有無を理解し調整推進できる。
スタートとして第一のお客様の事を知らなければ、多くの時間と労力の無駄が発生します。アプローチする相手の1.とりまく環境、2.競合他社との違い、3.事業の方向性、4.課題と思われる項目は最低でも調査しておきましょう。
お客様の課題・ニーズを読み取ろう
お客様の課題・ニーズを読み取る事前調査をもとに、電話や訪問でニーズや課題が自ら想定していた内容と一致しているのか?お客様への質問で潜在的な課題がないのか課題を深堀する必要があります。お客様の言葉だけを鵜呑みに考えず、プロの目で課題の本質、本当の原因、課題の見えていない根っこの分部がないのか整理する。サービスプランを聞こうとしているのであればお客様も何か問題を抱えているはず。その分部を明確することが営業提案の幅を持たせることになり、歓迎される営業力です。
潜在的課題・問題が明確になりその解決策となるのであれば、お客様側の「買う・契約する」理由も明確になります。
競合他社との比較優位性、実績事例を説明
同じサービス・商品が他社で出ている場合は、自社と項目別対比し提案資料に付け加えましょう。その上で自社製品・サービスの特徴や優位性をはっきりと説明できるようにしましょう。あなたが比較資料を作らなくてもお客様側で調べるでしょうし、他社が資料として作成するでしょう。他社との競合優位性や特徴は自ら説明するほうが説得性が出ます。また自社サービスの過去実績事例と利用事例が資料であればより提案書としての価値が上がります。
提案書を受け取るお客様も社長でない限り、提案書を基にして社内で稟議説明をするのです。その時正確にスムーズに説明してもらえるかが重要です。
ワークプラン工程スケジュールを見える化
製品の設置稼働やサービスを遂行完了するためには、さまざまな業務工程があります。その工程の中にはお客様の業務の支障となる部分もあるでしょう。潜在的課題を解決するために新規契約をする。そのための業務課題をどう解決していくのか?工程別にスケジュール表を作成し、お客様側との調整協力がなければ契約は間違っていたと不満最悪の場合、損害賠償請求となりかねません。
工程とスケジュールプランを作成することで事前に課題がお互い見ることが出来、お客様側にも導入時期の想定や事前調整をする時間ができ、安心感を与えることができます。
問題解決提案は2つ以上作成しましょう。
1つだけの提案では、お客様側も判断の幅がありません。価格をおさえた第二案やステップを踏んでの導入案など2パターン以上の案を用意する方がよいでしょう。ただし多ければ良いというものではありません。お客様を混乱させ提案を分かりにくくするからです。5パターン程度社内で議論し3つの提案で1度お客様に伺い、ニーズを絞り込むのがいいと考えます。
パターンを考える場合、一番良いと考える提案から価格帯と付加価値のバランス、支障なく進める実現性高さを意識されるとよいでしょう。
ガイドのポイント
- クライアントの潜在的課題を深堀、明確化する
- クライアントが社内で資料だけで検討できる提案書を意識
- 工程スケジュール・推進課題の見える化