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行動結果のモニタリング


この記事の著者
西岡経営管理事務所  代表 

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ボトルネックを正確に把握する

前回も少し触れましたが、業務をプロセスに分解して、どのプロセスに問題があるかを知ることは、改善策を考える上で最も重要なことです。前回の例で言うと、新人の営業マンの面談到達率がベテラン営業マンに比べて極端に低い場合、面談に至るひとつ前のプロセスに問題があるはずです。こうしたボトルネックを把握し、その前の行動を徹底的に洗い出して、新人とベテランの行動の違いが明らかになれば、ベテランがやっていて新人がやっていない行動のうち面談まで持っていくために欠かせない行動が浮かび上がってくると思われます。

改善のための突破口

今回のシートで、改善のための突破口と書かれているものは、上記で説明したボトルネックと捉えることができます。<重要順位対策>というボックスのなかには、先程の例でいうと、面談率を上げるための対策が並ぶことになると思います。そして、<突破口>のボックスのなかには、新人の営業マンが面談に至らない根本原因が入ってくることになります。つまり、それぞれの対策の成否は、この根本原因を克服することが大前提になるため、常に意識しておくべきことと言えます。たとえば、最初のアポ取りの電話で相手側が現在何に一番困っているかを聞き出すことができなければ、何をやってもうまくいかないとすると、それをどうやって聞き出すかが、対策を行動に移せるか否かの最も重要な突破口になります。

行動計画とモニタリング

本シートの行動計画は、具体的な行動とそれを実施するタイムスケジュールを書き込むようになっており、一目でやるべきことと、やるべき時期がわかるものです。

特に、先程も説明しました、<突破口>という項目があるため、対策を進めていく上での留意点も常に意識しながら取り組めます。

このシートを対策と行動全体を俯瞰するシートとして使用し、さらに個々の行動に対して評価指標を設定していくと達成状況のモニタリングがしやすくなります。

評価指標は、「得意先フォローのための1日の架電件数10件」といったような具体的に計測可能な行動指標でなければなりません。

組織全体の生産性向上

各々の社員の行動計画が出来上がったら、あとは実行ということになりますが、成果に結びつく行動は、やはり社員間で共有する必要があります。以下、そのための手順です。1.何を目指すのか目標を決める。2.業務を分解する。3.課題を抽出する。4.社員間の行動の違いから、目標達成に直結する行動を洗い出す。5.洗い出した行動のリストを作成し、評価する指標を設定する。6.定期的に実施状況をチェックし、目標の達成度を検証する。

以上を部下育成のマネジメントの仕組みとして定着化させることで組織全体の生産性の向上を目指します。

強い組織の条件

ピーター・ドラッカーは、強い組織の条件として「企業が経営戦略を実行する上で必要な要素は『資源』『プロセス』『価値基準』である」といっています。

価値基準をビジョン・目標と考え、資源を人と捉えた時、あとそこにプロセス(仕組み)が加わらないと強い組織にはなれないということなんだろうと思います。私は、今回のガイドのなかで、一貫して「社員の行動を変え、結果を変えることで、組織全体の生産性を上げる」という考え方に基づいて話をしてましりました。戦力となる人がいて組織目的があっても、そこに貢献意欲を持ち、円滑なコミュニションを図れる仕組みがあって始めて組織の生産性は上がるのだと思います。

是非、今回のシートを活用して、部下の育成・マネジメント力を強化し、生産性の高い組織を目指してください。

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著者プロフィール

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西岡 隆

西岡経営管理事務所 代表

現在まで、延べ3,000人以上の経営者と接し、その経験を通して「行動評価マネジメントプログラム」という独自のコンサルティング手法を構築、社員のマネジメントに悩む企業への導入を推進しています。

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