相手の潜在意識に響くストーリーテリング
なぜ、童話のストーリーを覚えているのか
書籍『戦略的話術』から引用すると、希代の名演説家であるオバマ大統領のスピーチの真骨頂は、ストーリーテリング®にあります。一般論や理屈ではなく、ストーリーを通してメッセージを伝える、いわゆる「物語法」です。物語法は、聞き手を惹きつける非常にパワフルな方法だと言えます。
子どもの頃に聞いた童話のストーリーは今でも覚えているのではないでしょうか?何十年も前に聞いた話を記憶しているということは、ストーリーの力に影響を受けているからなのです。
人は、「自分に関連すること」に興味関心を持つ
ストーリーが効果的な理由の一つに、聞き手の経験との関連付けがあげられます。人はストーリーを理解しようとするとき、自然と自分の経験を参照せずにいられません。人は「自分に関連すること」に強い興味関心を持っているからです。ストーリーを語ることは、聞き手の興味関心を惹きつける効果があるのです。
このように、伝えたいメッセージを物語を通して伝えるのはとても効果的です。とはいえ、「自分で物語をつくるなんて大変だ!」と感じる人もいるかもしれません。そんなあなたのために、おすすめの良い方法をお伝えしましょう。
自分の過去の体験を活かす
伝えたいメッセージを効果的に伝える方法として、自分の体験談を実例として使うのが効果的です。聞き手が興味をもちやすく記憶にも残りやすいのです。
話し手本人の生い立ちや苦労話について語るとき、聞き手は観念的な話題よりはるかに興味を示します。人は、他人が人生の中でどのように生き、問題を乗り越えてきたのかなどについて関心を覚えるからです。
どこかの新聞や雑誌から集めてきた話題を一般論として淡々と語る話し手と、自分の体験から学んだことを実例に感情をこめて語る話し手とでは、聞き手が受けるインパクトに歴然とした違いがあるのです。
普遍的に「人の心に響く」ストーリーのパターン
人の心に響くストーリーには、ある共通のパターンがあります。実は、古今東西の優れた小説や映画を分析すると、同じような構成が見つけられています。ハリウッド映画などで活用されている「英雄の旅」というストーリー構成のモデルです。書式にその構成が表示されていますので、ご自身でも体験談のストーリーを作ってみてください。
「人を動かす」コミュニケーション心理術 ~まとめ~
4回にわたり、実践心理学「NLPコーチング®」を活用した、「人を動かす」コミュニケーション術をお伝えしてきました。
初回にお伝えしたとおり、営業・交渉・プレゼン・面談など、社内外でのコミュニケーションの質の高さが、仕事の成果に密接に関連しています。ビジネスチャンスをつかむも逃すも、コミュニケーションの成果次第だと言っても過言ではありません。
私自身、学生の頃や社会人になってからも、コミュニケーションに苦手意識を持ち、悩んだ時期があります。しかし、「NLPコーチング®」という「道具箱」を手に入れてからは、人前で話すことも、営業・交渉なども、自信を持って臨み、高い成果を上げることができるようになりました。私の人生を変えてくれた「宝物」だと思っています。
読者の皆様も、これをきっかけに、「より良い成果を上げるコミュニケーション術」に目覚め、現場で実践し、その効果を実感していただけることを祈念しております。