報連相でおさえて おきたい9つの視点
報連相(報告・連絡・相談)をしっかり行うことは、社会人にとって基本的な約束事であるとよく言われます。
しかし、「どのようなタイミングで報連相をすればいいのか」「要点を押さえて正確に報連相をするにはどう伝えればいいのか」など、適切な報連相の仕方に戸惑ってしまう人も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、ビジネスパーソンにとって必須のスキルである報連相を上手にこなすために役立つポイントを、わかりやすく紹介していきます。
報連相が上手な人の共通点
社会人になれば誰もが一度は「報連相(報告・連絡・相談)をしなさい」と教わることが多いでしょう。仕事では様々な場面で報連相を行っていると思いますが、報連相が上手な人と、そうでない人がいます。報連相が上手な人は、どんなことに気をつけているのでしょうか?
今回紹介する「報連相チェックシート」では、報連相すべき内容を整理するときの9つの視点を記載しています。使い方としては、上司や関係者に報連相をする前に、シートの9つの視点を参考にしながら伝えたいことを整理することを想定しています。報連相の中は、軽微なものから重要なものまであると思いますが、このシートでは何か解決すべき問題が発生したときの報連相を想定しています。
以下に、意識しておきたい3つのポイントを説明します。
悪い情報ほど「すぐに」報連相をする
ビジネスでは、悪い情報ほど「すぐに」報連相をして関係者に伝えることが鉄則です。特に、事実・客観的なデータと、自分の感情とを整理して、伝えるようにしましょう。以下に新入社員が困惑しやすい2つの典型的な例を示します。
(1)自分が正しく理解できてないと感じたこと、やり方がわからないことが発生したら
「すみませんが、~の点がわからないので、もう少し詳しく教えていただけますか。」
「~という意味で合っていますでしょうか。」
「~のやり方で進めようと思っているのですが、コメントをいただけますか。」
自分だけで悩みを抱え込んでしまうと時間を無駄にします。すぐに疑問点を解消することが大切です。
(2)結果が思わしくないとき、トラブルが発生したら
「トラブル(問題)が発生したので、報告します。まず事実としては~。私としては~と思っています。」
悪いことは誰でも話づらいものですが、思いきってまずは何が起こったのかを上司に速報しましょう。
現状の事実と、自分の解釈は区別して伝える
報連相をするときに特に、事実と自分の解釈を分けて伝えることが重要です。
起こった出来事、事実は1つでも、起こった出来事をどのように解釈するかは人の考え方、立場や状況によって、変わってくるものです。複数の意見がでて、自分と意見と食い違っていても、「そういう見方もできるのだな」とまずはそれぞれの意見を受けとめます。
報連相で、解釈を伝えるときには
「私としては~と考えます。」
「私の視点からは~のように見えます」
「私としては~と感じます」
という伝え方をすると良いでしょう。
そして、これらの解釈をもとに「もし仮に~だとしたら、どうするか」「どのようにすれば、私たちは~できるか」と解決策のアイデアを考えるようにしましょう。
状況が変わったときに、優先順位を再度合意する
上司や関係者と報連相を通じて、問題点を把握し、解決策をどうするか決めたときに、忘れずに確認しておきたいことがあります。それは、解決策を実行することによって「当初予定していたことから変更になることが何か」を関係者で合意しておくことです。
(1)自分の作業の優先順位にどういう影響があるか。
(2)当初の目標、スケジュールにどういう影響があるか。
(3)当初の目的やポリシーに変更はないか。
例えば、ある作業Aを進めていたところ、別の人から新しい作業Bを依頼されたとします。もし新しい作業Bを優先した場合には元の作業Aのスケジュールが守れないかもしれません。この場合、自分から積極的に上司へ相談して作業Aの目標やスケジュールについて変更を合意することが重要です。
報連相が上手くできる人は、問題解決力が高い
報連相の目的は、今現場で起こっている問題を解決することです。このチェックシートでは問題解決のプロセスに沿って9つの視点を配置しており、新入社員の方が問題解決のプロセスに慣れることを狙いとしています。
1.当初の目的、ポリシー、優先順位
2.当初の目標、スケジュール、マイルストーン
3.現状(事実、客観的なデータ)
4.現状(自分の感情)
5.解釈(上手くいっていること)
6.解釈(悩み/望み/問題意識)
7.解決策(いつまで、誰が、誰の、何を、どこで、どのように、どのくらい)
8.変更された目的、ポリシー、優先順位
9.変更された目標、スケジュール、マイルストーン