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第2回 これをやっては恥をかく!顛末書に、陳謝・謝罪は要らない

仕事上のミスや不祥事などの経緯を報告する顛末書は、今後のトラブル対応の参考にもなる重要な報告書です。とはいえ、顛末書を書き慣れていない人は、始末書や反省文と混同するなどして、不適切な書き方をしてしまうことも多いようです。

そこで本記事では「そもそも顛末書とは始末書や反省文とどのような点が違うのか」「顛末書を客観的に分かりやすく書くにはどうすればいいのか」など、顛末書の書き方を分かりやすく解説していきます。

顛末書のテンプレートや例文も提供しているので、ぜひご活用ください。


この記事の著者
株式会社グロウス・カンパニー・プラス  代表取締役 

顛末書は、始末書・反省文とは明らかに違うもの

顛末書と始末書・反省文は、似て非なるものであるということです。では、違いとは一体何なのでしょうか。
まず、顛末とは、事の最初から終わりまでが記されていることです。顛末の意味がつかめれば顛末書の意味も理解できることでしょう。
つまり、顛末書とは、不始末やミスを犯してしまった際に、そのミスの最初から終わりまで、一部始終が記されたもののことです。
始末書・反省文との違いは、顛末書が事の事実関係を明らかにすることに意味があるのに対し、始末書・反映文はミスに対する謝罪に意味があるということです。この違いは大きく、これを知らずに同じようなものとして書いてしまいますと通用しません。
顛末書には、どうしてそのような事態になったのか、会社側が今後そのような不始末が起きないよう対策を練るための資料としても扱われますから、余計な謝罪文や反省文は不要なのです。

7W4Hを念頭に置いて書く

「不始末やミスの詳細を、簡潔かつ肝心な部分のもれがないよう正確に書くこと」です。当たり前のようで実は結構難しいことです。ここで役立つのが『7W4Hの原則』です。これは顛末書の書き方にとても有効です。

7W4Hとは「When(いつ)、Where(どこで)、Who(誰が)、Whom(誰に)、What(何を)、Why(なぜ)、Whichi(どれを)、How to(どのように)、How many(数量)、How much(いくら)、How long(期間)」という英単語の頭文字からきている言葉です。
もちろん、顛末書が必要な不始末やミスすべてにおいて、7W4Hが揃うとは限りませんが、それらを念頭に置くことで、顛末書の確度が変わります。

事実に基づき、客観的に!わかりやすく!網羅する!

顛末書は、「事実の部分を客観的に書くこと」が鉄則です。
顛末書の書き方では、これが一番大切といっていいと思います。単純な言い表し方をすると、「ただ事実のみをつらつらと書く」書き方をするのです。ああだこうだと自分の主観や言い訳が入ってしまいがちになりますから、強く意識しておきたい部分です。
大きく分けて2つの流れにそって、書くとわかりやすくなります。
最初に、不始末・ミスなどの概要を書きます。どのような事を起こしたのかなど、わかりやすく、しかもなるべく長くならないようまとめて書きましょう。
次に書くのは、不始末・ミスなどに至ったいきさつや理由です。これには、根本的な原因まで追求することが大切です。

敬語は不要!簡潔にまとめる

一般的には、A4またはB5用紙に横書きで書き、1枚にまとめるようにします。文章の表現は、敬語を用いなくても構いません。肝要なのは、事実と経過が確実に伝わるかということです。
ただ、より丁重さや重大さを伝えたいのであれば、縦書きの手書きで書くこともあります。もちろん、会社に既定の書式がある場合には、それに準ずることになります。
①あて先
②発信者
③件名
④不始末・ミスの概要
⑤それに至った経過や理由
が欠かせません。その際、⑤の内容を、経緯や理由だからと言って長文にせずに、ビジネスライティングの基本である記書き書式のように、「箇条書き」にし、「以上」で締めくくり、明解に記載します。

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著者プロフィール

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山岡 仁美

株式会社グロウス・カンパニー・プラス 代表取締役

航空会社勤務を経て、コンサルティング会社で人材開発事業部のマネージャー職から企業研修部門の統括部長までを務め、1,000社ほどのコンサルに携わった後、独立。年間登壇数200超の人気講師でもある。

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