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第4回 領収書に貼る収入印紙、いる場合といらない場合


この記事の著者
  税理士 

領収書に貼る売上代金の収入印紙

商品などを売り上げた際には、入金の確認として領収書を発行します。
その領収書には収入印紙が必要な場合がありますが、実は、その入金の方法・お金のもらい方によって、収入印紙がいる場合といらない場合とがあります。

それでは、どういった場合に収入印紙が必要なのか?
それぞれのケースについて、収入印紙が必要かどうかを見ていきましょう。

売上代金を現金で回収した場合の収入印紙

売上代金を現金で回収するケースというのは、どの業種でも少なからずはあるのではないでしょうか。
小売店舗や飲食店などの現金取引が多い業種では、一番多い売上代金の回収の方法ですし、振込をすると振込料がかかるから現金で払わせて欲しいといったケースも出てくることがあります。

この現金で受け取る場合ですが、受取金額が5万円未満の場合は収入印紙が不要となります。
(平成26年4月1日以降作成の領収書)
また、5万円以上100万円未満は200円の収入印紙が必要となり、100万円を超え200万円以下は400円と段階的に高くなっていきます。

そこでこの5万円のラインですが、例えば消費税込みで51,840円の場合はどうでしょうか?
(本体価格が48,000円、消費税額が8%で3,840円)

この場合は、税抜きの48,000円で判定する事ができますので、収入印紙は不要です。
ただし、領収書に消費税額を明記しておく事が必要となります。

消費税額を表示せずに消費税込みで記載すると、判定する金額も消費税込みの51,840円となり、200円の収入印紙が必要となりますので、注意してくださいね。

売上代金を振込で回収した場合の収入印紙

売上代金を振込で受け取った場合は、領収書を発行するかどうかという事が一つのポイントになってきます。
まず、領収書を発行する場合についてですが、このときは通常通り5万円以上の金額になると収入印紙が必要となります。
 
これとは逆に、振込があった後に領収書を発行しないという場合、収入印は不要となります。
振込の場合、銀行の払込明細書があるため実務的には領収書を発行せず、希望があれば発行するという様にしているケースはよくあります。

この振込の際に、領収書を発行する・しないというのはどちらが正しいというわけではありませんが、それぞれの業界やその商品の価格帯・自分の事業のやり方などで判断すればいいかと思います。

また、振込があった旨をメールや電話で連絡し、領収書を発行しないという方法をとっているところもありますので、参考にしていただければと思います。

売上代金をクレジットカードで回収した場合の収入印紙

売上代金をクレジットカードで決済してもらう場合ですが、このときにカードの明細と別に領収書を渡す場合があります。
この場合は、領収書に但し書きで”クレジットカード払いとして”など、クレジットカードを使った旨の記載をする事で、収入印紙が不要となります。

また、クレジットカードに似ているものとしてデビットカードがありますが、
このデビットカードは即時決済という性質上、金銭の受取書に該当し、5万円以上の場合は収入印紙を貼る必要がありますので、注意してください。

【今回のポイント】領収書に貼る収入印紙、いる場合といらない場合

ポイント(1)

売上代金を現金でもらった場合、5万円以上で収入印紙が必要。
消費税額を別途明記する事により、税抜き金額で5万円以上あるかどうかで判定する事が出来る。

ポイント(2)

売上代金を振込で受領した場合は領収書を発行するかどうかがポイント。
領収書を発行した場合、税抜き5万円以上で収入印紙が必要。
領収書を発行しなければ収入印紙は不要。

ポイント(3)

クレジットカードによる決済の場合、その旨を領収書に但し書きで記入する事で収入印紙は不要。

第1回から第4回までのまとめ

フリーランスや個人事業主が押えたい『税の基本』という事で、全4回にわたって書かせていただきましたが、いかがでしたでしょうか。

4回分の連載で全てを網羅する事は出来ないので、実際に今までにあったよくある質問を中心に書かせていただきました。

確定申告の手続きについては、事前の準備をしていく事で負担感は少なくなりますし、数字での業績の把握が出来る様になります。
肌で感じている部分を数字で見る事によって、感覚とのずれや経費の増減に気付いたり、自信をもって事業に臨める事になるので、早め早めに進めていってくださいね。

ここまでコラムをお読みいただきありがとうございました。
また、ご不明な点・気になる点などございましたら、お問い合わせ下さい。

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著者プロフィール

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物種 健吾

税理士

年間、100件程度の所得税の確定申告案件に関与している。また、個人事業を続けるか法人成り(株式会社化)するか等の相談も多く受けており、併設している大阪会社設立相談センターでは、会社設立後の事を徹底的に考え、相談・提案を行っている。

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