水引について
慶弔の儀式より贈答の習慣が根付くとともに、包んだ和紙を結び止めるものとして使用されるようになったのが水引です。和紙を縒って紙縒り(こより)状にし、縒りが戻らないように水糊を引いて乾かし固めたことから水引と称されました。また、原形である白色は、神聖・清浄の意味をも持つとされています。
水引の結び方には、3つの基本結びとして「花結び(はなむすび)」・「結切り(むすびきり)」・「鮑結び(あわびむすび)」があります。これ以外の結び方はこの3種類の結び方が変化したものです。
水引の結び方・色・本数の使い分けには、それぞれの意味合いによって使い分けられていますので、間違った用い方をすると相手に大変失礼となりますので注意をしましょう。
花結び(はなむすび)※蝶結び
「花結び」とは、結び目が簡単に解け、何度も結び直せるとの意味から、何度も繰り返したいとの願いを込めて、婚礼以外の一般祝事のお礼・ご挨拶・記念行事などのご贈答に用います。
「花結び」の語源は、贈答品に掛けた水引に、その季節の花を添えて贈ったことからという説と、お祝いに「華を贈る」という意味から来ているとも言われています。
また、花結びの他,蝶結び、真締め(まじめ)結びという言い方もあります。
結切り(むすびきり)※固結び
「結切り」とは、固く結ばれ解けない(離れない)ことを願い婚礼関係に、二度と繰り返さないようにとの願いを込めて弔事関係や傷病のお見舞・全快祝い、災害見舞いなどに用いられます。
「結切り」の語源は、「結びっぱなし」や、固く結ぶことを「結び切る」、結を形良く仕上げるには花結びと違って結び直しにくいこと等、一端結んだ後は両端を切り揃えるしかないという意味から来ているとも言われています。
鮑結び(あわびむすび)※あわじ結び
「鮑結び」とは、結び目が複雑に絡み合い、容易には解けない意味と、互いの輪が互いに結びあっていて長生きと長持ちの印と昔から重宝がられた鮑の形に似ていることから、いついつまでも良きお付き合いをとの願いを込めて慶事と弔事の双方に用いられます。結び切りより広い範囲のお祝い用に用いられます。
仏事用はもちろん、結婚祝い用から、卒入学祝・七五三・出産祝まで。
但し、関東では、あわび(あわじ)結びは、「結び切り」として使われます。
関東の方のご結婚・快気祝い以外のお祝い(特に、ご出産祝い)には、花結び(蝶結び)をお使い頂いた方が良いと思われます。