アクションプランをタスクにまで細かく分解
前回ご紹介した書式ではアクションプラン全体を“見える化”しましたが、今回はアクションプランを実行するチームごとの計画表となり、内容はタスク単位にまで分解され、期間も週単位で細かく区切られています。現場で「事業計画の中で自分は何をすればよいのか」は、このくらい細かく計画したほうが、一人ひとりにとって「自分が今やっている作業がゴールにつながるのだ」とアクションプランが等身大の内容と感じられるため、実現に向けて細かなところまで目配りがいきやすくなります。
この計画表は、事業計画書には必ずしも盛り込む必要はありませんが、チームでは室内に掲示するなどして、常に参照できるようにしておきたいものです。
計画表でチームの納期を管理
チーム別計画表は、アクションプランを担う各チームのリーダーが中心となって作成していくとよいでしょう。ゴールの内容や期日は、作成時には事業計画書とアクションプランで設定したものになります。ゴールに向けてなるべく高品質で短期間で行けるよう、チームリーダーが現場担当者から必要なタスクや確認項目を聞きだしながら作成します。
ここで、作業やタスクの目標を管理する方向性として使われるのが、QCDと略される3つの項目です。QCDとは、Quality(品質)、Cost(価格やコスト)、Delivery(納期)の略であり、いずれもゴールまでに適時確認するために欠かせないものです。これらが目標の数値以上のよい結果となるよう、アクションプラン実行の際には適切なチェックが必要となります。
この計画表をもとに管理できるのは、QCDのうちD(Delivery、納期)となります。
なお、この書式を作る際にチームリーダーの役割は重要です。アクションプランの策定に関わるとともに、チーム別計画表の作成を中心となって行い、さらに事業計画やアクションプランを現場に共有するのですから。経営学ではこうしたリーダーのことを“連結ピン”とも言うのですが、チームリーダーに“連結ピン”として組織の上と下をつなぎ情報伝達を行う責務を負わせることは、幹部候補としての自覚促しや能力開発にもつながります。
書式を応用すれば予実管理にも
この書式は、少しアレンジすればスケジュールの予実管理にも使えます。
アレンジとは、Excelに落とし込み、各タスクの行の下にもう1行足すものです。上の行は詳細計画表に記述した「予定」がそのまま残っているので、下の行には「実際の進捗」を記号で入れていきます。すると、見返したときに、上の行と下の行を比べることで、各タスクの予実が把握でき、遅れ気味のタスクがあれば対策ができます。
ちなみに、ビジネスで使う書式を選ぶ際は、この書式のようにアレンジしやすいものを選んでおくと、情報共有がしやすかったり同じ作業の別の切り口で分析に使えたりして、業務の効率化にもなります。
さて、次回はアクションプランを構成する作業やさらに細かいタスク単位で、QCDのうちQ(Quality)を管理する書式を紹介いたします。