このページはJavaScriptを使用しています。JavaScriptを有効にして、対応ブラウザでご覧下さい。

第3回 著作権はどのようにして発生?

著作権を発生させるには、何か手続きが必要なのでしょうか?

特許や商標では出願が必要となるのですが、著作権でも同じなのでしょうか?

また、よく見る©(マルシーマーク)ですが、これは著作権を主張するために必要なのでしょうか?


この記事の著者
IPNJ国際特許事務所所長弁理士  知財戦略・技術経営コンサルタント 

出願が必要?

著作権の発生について、文化庁等への出願は必要ありません。創作と同時に著作権が発生します(無方式主義)。以前は、出願等を必要とする方式主義が採用されていましたが、ベルヌ条約を締結したことで、無方式主義に移行しています。

著作権では無方式主義が採用されていますが、他の知的財産権である特許や商標は方式主義が採用されています(こちらの方が一般的です)。ちなみに、特許では、出願人等に関する書誌事項を記載した願書に、特許発明の内容を詳細に記載した特許明細書・図面等を添付して特許庁に出願することが必要です。商標では、商標として使用する標章(文字やマーク)や、商標を使用する具体的な商品を明示して特許庁に出願することが必要です。

©(マルシーマーク)が必要?

現在では、実質的に必要ありません。まず、国内では必要ありませんし、海外でもほとんどの国で必要ありません。

そもそも©(マルシーマーク)は、方式主義の国においても著作権が保護されるために必要な表示です。ただし、現在において、実際にこのマークの表示が有効に機能する国は世界で1、2か国といわれています。主要国は上記ベルヌ条約に加入しており無方式主義を採用していますので、©(マルシーマーク)の表示は不要ということになっています。

現在では、©(マルシーマーク)は、著作権を主張しているということを示し、不要な侵害を予防するという役割で使用されています。

関連する表示

ちなみに、©(マルシーマーク)に関する正式な表記は、「©(マルシー)の記号」、「著作権者の氏名」、「最初の発行の年」を含む表記です(順不同)。ここで、「著作権者」ですので、「著作者」ではないことにご注意ください。

その他、®(マルアール)は、登録商標であることを示す表示として使用されています。ちなみに、「TM」と表示されることもありますが、これは「トレードマーク」の略で商標であることを示しています。登録されていない出願中の商標に使用されることもあります(使い分け)。
℗(マルピー)は、レコード・CDの「原盤権」を保護するための表示として使用されています。
また、「All rights reserved」もよく見る表示ですが、こちらも現在では権利関係には影響のない表示になっており、©(マルシーマーク)同様に、著作権を主張しているということを示し、不要な侵害を予防するという役割で使用されています。

この記事に関連する最新記事

おすすめ書式テンプレート

書式テンプレートをもっと見る

著者プロフィール

author_item{name}

乾 利之

IPNJ国際特許事務所所長弁理士 知財戦略・技術経営コンサルタント

企業の知財部員、特許事務所のパートナー弁理士として活躍後、IPNJ国際特許事務所を設立。弁理士、行政書士、MOT(技術経営修士)。知財コンサルティングや経営戦略・事業戦略立案の支援業務に注力している。

この著者の他の記事(全て見る

bizoceanジャーナルトップページ