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第10回 ビジネスメールの型を身に付けよう【9】結びの挨拶


この記事の著者
一般社団法人日本ビジネスメール協会認定講師  PersonaliTV 映像ディレクター 

メールも「礼に始まり、礼に終わる」!

今回は、メールを書く際の「結びの挨拶」についてお伝えします。

時々、冒頭の挨拶は書いてあるのに、結びの挨拶が書かれていないメールを見ることがあります。「いつも大変お世話になっております」と丁寧に始まっていて、本文もしっかり書かれているのに、最後に何の挨拶も無いのです。

結びの挨拶がないと、メールを受け取った側は「あれ、これはまだ書きかけなのかな?」「このあと、更に話が続くのかな?」と、何となく落ち着かない気持ちになるのではないでしょうか。

対面や電話の時は、必ず別れ際に「ありがとうございました」「どうぞよろしくお願いします」と挨拶をしますね。何も言わずに立ち去ったり、電話を切ったりする人はいないはずです。

では、なぜメールでは、「結びの挨拶」を書かない人がいるのでしょうか。

それは、「メールは要件だけ伝えればそれでよい」と考えている人が、まだ少なからずいるからだと思われます。

ですが、メールも、対面や電話と同じく、コミュニケーションの一つの手段です。そしてコミュニケーションを円滑に進める大切な要素の一つが、挨拶です。ですから、メールにも挨拶は必要ですし、「最初の挨拶」だけでなく「結びの挨拶」も当然必要になります。

「結びの挨拶」は、メールにおいては、「要件はここまで」という合図であると同時に、相手を気遣い、相手に感謝の気持ちを伝えるための重要な要素でもあります。

武道では「礼に始まり礼に終わる」が大切な基本精神と言われます。このことは、実はメールにもあてはまります。

メールによって営業や新規顧客の獲得が期待されているのであれば、それこそメールの一通一通が「真剣勝負」です。 また、時にはクライアントに相当無理な依頼をメールでしなければならないこともあるでしょうし、反対に、依頼をやむなく断らなければならないという時もあるでしょう。

そういう時にこそ必要になるのが、受け手の状況に思いを馳せ、思いやりと節度を持って接する姿勢、すなわち「礼」です。「礼に始まり礼に終わる」精神を示す形が、メールでは「挨拶」なのです。

ビジネスメールでの「結びの挨拶」とは

では、ビジネスメールでの「結びの挨拶」は、どのように書いたらよいのでしょうか。

社内、社外を問わず、メールは何かの依頼や用事があるから送るのが常だと思います。
ですから、その気持ちを端的に表す挨拶がふさわしいでしょう。

・「よろしくお願いいたします。」
・「今後ともよろしくお願いいたします。」
・「お忙しいところ誠に恐縮ですが、どうぞよろしくお願いいたします。」

こうした挨拶があるだけで、メールの印象が、ぐっと良くなります。

また、送った内容について、確認や検討の返事が欲しい場合は、その気持ちを挨拶の中に組み込むとよいでしょう。

・「ご確認よろしくお願いいたします。」
・「お手数ですが、どうぞご検討よろしくお願いいたします。」

いかがでしょうか。本文の締めを表すと同時に、受け手に行動をさりげなく促す、効果的な挨拶のフレーズです。

ところで、結びの挨拶といえば、こういう言葉を思い起こす方も多いでしょう。

・「以上」

これは、ビジネス文書では良く使われる言葉です。「記」と書かれた内容に対応して「以上」と書くことがビジネス文書の定型とされています。

しかし、メールの場合には、この言葉はあまりふさわしくありません。メールは文章ではありますが、話し言葉にやや近い表現で書かれるものです。その中で急に「以上」という硬い言葉が出てくると、メールの印象がとたんに冷たく堅苦しいものになってしまいます。

・「以上、どうぞよろしくお願いいたします。」

このように書き換えると、ぐっと印象が和らぎ、丁寧な表現になります。

たったの一言ではありますが、「結びの挨拶」があるだけで、メールの印象がより丁寧なものに変わります。これからはぜひ、対面や電話のときだけでなく、メールでも「最初に挨拶、最後も挨拶」を心がけるようにして下さい。

セミナー情報

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著者プロフィール

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佐藤 安南

一般社団法人日本ビジネスメール協会認定講師 PersonaliTV 映像ディレクター

TV番組取材を通じて数多くの人々とメールを交わしてきた経験から、メール教育の必要性を痛感。現在は認定講師として企業研修などに携わる。親子向けのメール教育にも尽力。

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