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第14回 好感度メール術~相手に合わせる


この記事の著者
一般社団法人日本ビジネスメール協会認定講師  カラーマーケティング・LABO 

「メール上手」は合わせ上手

みなさんは過去1年間でメールを受け取って不快に感じたことはありますか。

それに対するYESという回答が全体の約50%もあり、その上位5位には「文章が失礼」52.20%、「文章が曖昧」36.53%、「言葉遣い」23.83%「文章が冷たい」20.34%、「文章が長い」18.65%、などメールにおいて【自分との何らかの違い】が不快感に影響しているようです。(アイ・コミュニケーション「ビジネスメール実態調査2013」より)

「文章が失礼」というのが1位なのは、その意味には2位以下の様々な理由が含まれるのではないかと推測します。

自分よりも相手が丁寧でない、自分都合だ、言葉遣いがおかしい、など自分は留意していることや自分はしないだろうということを相手がやっていると気になったり不快感を感じるものです。

ですから相手に不快感を与える要素を減らし関係性をより良好に保つには、「相手に合わせる」ということが1つのポイントになります。

具体例:相手に合わせるメール術

メールでは、対面ではわからなかった相手の一面があらわれることがあります。時々、メール文と会った時の印象があまりにも違いすぎて驚くことがありませんか。

例えば私が経験したことですが、会ったときにはフランクで話しやすい印象でしたが、メールでやりとりをする時には非常に礼儀正しく端正なイメージだということがありました。

一人一人個性がにじみ出るメールですから予想外のメールに戸惑うということもあります。以下はそんな場合の一例です。

相手からとても硬い文章のメールが送られてきた場合。

オフィシャルな場面でのメールでは、相手に失礼がなく節度のある礼儀正しいメールであることが大事です。

しかし現代では使わないような言葉(「かたじけない」「されど」「なれど」など)や難しい漢字の羅列。そんな硬いメールが届いたとします。受け取ったあなたは、多分違和感を覚えるでしょう。実は私も経験があります。

こんなときは、自分のメールも通常より少しだけ硬めの文章にします。なぜならば、相手からすると逆にあなたのメールは柔らかすぎだと感じているかもしれません。メールで違和感を持たれてしまうとスムーズなやり取りや信頼関係がうまれにくくなるので敢えてそうします。

特に硬いとされる業界の方やご高齢の方などは、硬めのメールでやり取りをされることが多いように思います。

例えば、「拝啓」で始まり季節の挨拶、そして「敬具」で終わるというような古き日本的手紙式メール。こちらのメールも「拝啓」からはじめなくてもよいのですが、軽く気候や街の変化など季節が関わるような内容を取り入れたり、努めて節度のある文章になるように留意するとよいでしょう。

無理をして普段使わないような言い回しや難しい漢字を使うと、不自然なメールになるので気をつけましょう。

相手のメールと自分のメールのボリュームが大きく違う場合(長文、短文)

ボリュームのあるメール(長文)というのは色々なパターンがあります。

例えば、伝えたいことが沢山ある場合や熱く伝えたいことがある場合などです。こういった場合の長文メールは作成時にはかなり気合が入るものです。

そんなメールに対する回答が短文なら相手は物足りなさを感じてしまいます。相手と自分のメールのボリュームがかなり違うときは、自分も相手に合わせてボリュームを調整します。

ただし長文メールの中には単純に情報が整理できていないだけのものもあります。こういった場合は、文章のボリュームを調整することよりも相手のメール内容を整理する必要があります。相手の内容を箇条書きにして間違いはないか確認するほうがよいかもしれません。

逆に相手のメールのボリュームが少ない場合は双方の感情が逆転します。私の経験からいいますと、特に理系業界の方はこの傾向があるように思います。短いメールでも、無駄がなく大事なポイントをコンパクトにまとめてあるメールです。相手は自分よりもボリュームのあるメールを見ると、瞬時にうんざりしてしまうかもしれません。

メールの文章がとても短い相手には、自分のメールもできるだけコンパクトに、無駄を省いて作成するほうが相手からの印象はよくなります。

メールをしない方との場合は・・

ビジネスコミュニケーションにおいて、メールという手段を敢えて取らない方はいらっしゃいます。これは業界にもよるでしょう。

例えば私の知り合いの建築業界の現場の方はこのタイプです。状況が常に変化する現場ですから相手に何か聞きたいことが生じた場合、基本的に相手の回答を待つ姿勢のメールではなく、変化にすぐ対応できる電話のほうが都合がよいのです。

当然こういった方にメールをしても返事が来ないこともあります。メールが届く代わりに電話がかかってくるのです。相手が欲しいのはメールではなく電話です。メールはむしろ迷惑になります。

こんな場合はこちらもメールという手段はとらないで、相手と同様電話でコミュニケーションをとります。

敢えて合わせない場合

しかし敢えて合わさないメールが必要とされる場面もあります。強く主張しなければならないことがあるときなどがそうです。

例えば、クレームを入れるとき。クレームは相手を怒らせることが目的ではなく、こちらの状況をポイントを押さえて説明し正しく把握していただくことが大事です。

相手のメールがいつも短く簡潔であったとしても、どうして困っているのかを理解してもらうために現状、希望する対応、今後のことなどをしっかりと説明すると相応のボリュームのメール文になります。どんな時でも相手に合わせることが重要という訳ではないのです。

相手が見えないからこそ使いたいテクニック

メール・コミュニケーションは対面でないからこそ相手の状況や表情・感情がわからず、自分の知らないところで相手の不快感を招いている可能性があります。それを少しでも防ぎ、より好感度をあげるための「相手に合わせるメール術」。よりよいメールコミュニケーションのテクニックのひとつです。

セミナー情報

本記事の筆者が所属する「一般社団法人日本ビジネスメール協会」のセミナー情報はこちら。ビジネスメールの書き方、送り方、効率よくメールを使う上で役立つテクニックを学べます。ビジネスメールの基礎を身に付けたい方、スキルアップをしたい方にオススメです。ぜひ、ご参加ください。

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著者プロフィール

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片桐 かほり

一般社団法人日本ビジネスメール協会認定講師 カラーマーケティング・LABO

カラーマネージメントを行っています。仕事への問い合わせやご依頼はメールにて受けていますが、短期間で依頼者と信頼関係を結ぶことが重要だと痛感。そのためには「心の通い合うメール」が鍵を握ると考えてます。

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