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第17回 気遣いのある「結びの挨拶」で印象UP!|押さえておきたいビジネスメール


この記事の著者
一般社団法人日本ビジネスメール協会認定講師  PersonaliTV 映像ディレクター 

以前このコラムで、挨拶を書くことの大切さ、メールも「礼に始まり礼に終わる」というお話をお伝えしたかと思います。

第10回 ビジネスメールの型を身に付けよう【9】結びの挨拶

ところで「礼」という言葉を見ると、型にはまった礼儀作法を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

確かに、礼儀作法には「型」があります。その型をふまえることで、お互いの振る舞いを美しくみせ、スムーズなやり取りを行うことができます。特に社会人一年目の人にとっては、上司や取引先の方に失礼な印象を与えることがないように、あらゆるシーンでの「礼儀作法」を身につけることが必要ですね。

しかし一方では、こうした礼儀作法は、しばしば「型」だけが独り歩きしてしまうという危険もはらんでいます。「型にはまった」という言葉通り、ただ単に型をなぞっているだけでは、味気なく冷たい印象を与える「定型文」になってしまうのです。

本来、礼儀作法というものは、相手への気遣いを態度で示すためのものです。ですから、礼儀作法の「型」に、どのように心を込めるかということが、とても大切になってきます。
 
そこで私がぜひお勧めしたいのは、「結びの挨拶」に工夫を加えるということです。「よろしくお願いします」の定型文からさらに一歩進んで、気持ちを添えた「結びの挨拶」を書くようにすると、受け手側の印象が、よりよいものに変わります。

実は、今このようにコラムを書いている私も、ビジネスメールを学ぶ以前は「メールは要件を伝えるだけでいいんだから、型なんて面倒だし、結びの挨拶なんて要らないんじゃないの?」と思っていました。

しかし、本格的にビジネスメールを学ぶようになり、メールの型、特に挨拶の重要性を知ってからは、毎回、きちんと気持ちを込めた挨拶を書くように心がけています。

私が認定講師の資格を取ってからまもなく、この「結びの挨拶」の効用を感じさせてくれる出来事がありました。

インターネットを通じて買い物をした時のことです。送られてきた商品の一部がサイト上の説明と違ったので、メールで交換を依頼しました。仕事ですぐに使う必要がある機材でしたので、かなり無理なお願いをしたのにも関わらず、とても迅速で丁寧な応対をしていただきました。ご担当の方から何度も詳しく状況説明が送られてきた上、その上司の方から直接お電話をいただき、代替機を一時的に提供してもらうなど、本当に親切にしていただきました。

その後、たまたまこのお店へ直接伺うことがあり、この時のお礼をしようと、ご担当の方に取次ぎをお願いしました。

すると、出ていらしたご担当の方が、開口一番こうおっしゃったのです。

「たびたびお気遣いのあるメールをいただき、ありがとうございました。最後の挨拶でいつも癒やされて嬉しく思っていました。『この人は絶対いい人だから、いい対応をしてあげてください!』と、上司にも言っていたんですよ!」

私はただ、ご担当の方が昼夜を問わず迅速で丁寧な対応をして下さることに対し、「いつも迅速なお返事に感謝しています」とか「遅い時間までご対応ありがとうございます」など、正直な自分の気持ちを添えていただけなのですが…。

しかし、メールをきちんと学ぶ前の私であれば、上述のように「感謝の気持ちを挨拶としてメールに書く」ということは、決してしなかったでしょう。私が実際にいい人かどうかはさておき、「礼を示す挨拶」を添えたメールが、私の印象を実際以上にアップしてくれたのです。

気持ちは、きちんと表現しなければ伝わりません。「文字表現」であるメールならば、なおさらのこと、しっかり書いて伝えることが必要です。

難しい依頼を先方が引き受けてくれた時は「無理なお願いを聞いて下さり本当に感謝しています」、寒い時期には「インフルエンザがはやっているようです。どうぞくれぐれもご自愛下さい」など、相手を気遣う一言を添えた挨拶があると、より効果的です。

礼節をわきまえ、受け手を気遣う「結びの挨拶」は、あなたの印象を大きくアップし、ビジネスの進行を一層円滑にしてくれることでしょう。どうぞ皆さんも、本文を書き終えた後には、心を込めて「結びの挨拶」を書くように、ぜひ心がけて下さい。

セミナー情報

本記事の筆者が所属する「一般社団法人日本ビジネスメール協会」のセミナー情報はこちら。ビジネスメールの書き方、送り方、効率よくメールを使う上で役立つテクニックを学べます。ビジネスメールの基礎を身に付けたい方、スキルアップをしたい方にオススメです。ぜひ、ご参加ください。

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著者プロフィール

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佐藤 安南

一般社団法人日本ビジネスメール協会認定講師 PersonaliTV 映像ディレクター

TV番組取材を通じて数多くの人々とメールを交わしてきた経験から、メール教育の必要性を痛感。現在は認定講師として企業研修などに携わる。親子向けのメール教育にも尽力。

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