(1)件名を入れる、自分が誰かを名乗る
SNSや携帯メールはお互いに相手を知っている状態で、メッセージのやりとりを行います。そのため、お互いに自分が誰かを名乗る必要がありません。またチャット形式で会話が進んでいくので、メッセージに対して、件名を付けなければならないというものでもないですね。この違いを知らずにビジネスメールを送信すると「名乗りがなく、誰からのメールかわからない」その上「件名が空欄」という、大変失礼なメールを送信してしまいます。また、迷惑メールと判断され目を通さずに削除されてしまうかもしれません。注意しましょう。
(2)型に沿って書く
宛名、挨拶、名乗り・・・ビジネスメールには、どの順番でどういった情報を入れるべきか、という型があります。この形式の通りに記載すれば、ビジネスメールを学んだことがない方でも、最低限のビジネスマナーを維持しメールを書くことができます。型と順番、各項目にどのような配慮が必要かについては、bizocean連載記事「ビジネスメールの型を身に付けよう」の、第2回から第11回を参考にご覧ください。
第3回 ビジネスメールの型を身に付けよう【2】件名
第4回 ビジネスメールの型を身に付けよう【3】差出人(送信者)
第5回 ビジネスメールの型を身に付けよう【4】正しい「宛名・敬称」とは
第6回 ビジネスメールの型を身に付けよう【5】「挨拶」で好印象を
第7回 ビジネスメールの型を身に付けよう 【6】名乗り
第8回 ビジネスメールの型を身に付けよう【7】要旨(導入)
第9回 ビジネスメールの型を身に付けよう【8】本文
第10回 ビジネスメールの型を身に付けよう【9】結びの挨拶
第11回 ビジネスメールの型を身に付けよう【10】署名
(3)顔文字・絵文字は使わない
SNSを利用している感覚で、絵文字を入れても、パソコン上から閲覧した場合、絵文字は全く表示されない、あるいは正しく表示されません。先日も「OKです」の「OK」の部分を、絵文字にしたため「=です」と表示され、1番大事な用件が伝わらない、という事例がありました。文字を組み合わせて作成したいわゆる顔文字であれば、もちろん表示はされますが、ビジネスメール上、顔文字は利用しないということが基本です。
(4)用件をしっかり伝える
メールを送るときは、相手にこの件について知ってほしい、返信がほしいなど、相手に対して何らかの「望むアクション」があるはずです。そのためには、なんのためにこのメールを書いているのか、用件を明確にし、伝えたいことをきちんと文章にまとめて記載しましょう。何度も無駄なやりとりが発生するときは、用件がまとまっていないとき。正しく相手に伝われば「確認しました」も含めて、メールのやりとりは1往復半で終了します。決して、チャット形式のように、何度もやりとりをすることを前提としないように、気をつけましょう。
(5)メールでよい案件かどうかを考える
急に仕事を休む、謝罪をしなくてはならない。そんな場面でビジネスメールを使って叱られた、というお話を最近よくお聞きします。なぜメールを送ったのかをお聞きすると、「SNSではなく、ビジネスメールを使うことで、ビジネスシーンとして丁寧な対応をしているつもりだった」とのことでした。ビジネスメールはコミュニケーションツールの1つでしかなく、万能ではありません。メールには感情が伝わりにくい、誤解を生みやすいなどのデメリットもあります。緊急性、重要性、情報の内容、相手との関係性等で、電話や対面と使い分けるようにしましょう。
ビジネスメールとSNSの共通点は「テキストで、相手に伝えることができる」という点ですが、その書き方、伝えるべきこと、配慮すべきこと、利用シーンなどは完全に別物です。パソコンのメールの操作ができることと、ビジネスシーンにそったメールを書くことは、全く別のスキルであり、SNSが使えるからビジネスメールも使いこなせる、という感覚でビジネスメールを利用すると、大失態を引き起こしかねません。しかしこのビジネスメール上のマナーは、1度学べば、身につく一生モノのスキルです。ビジネスメールに慣れがないようでしたら、ぜひ一度基礎から学んでみることをお勧めします。
セミナー情報
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