このページはJavaScriptを使用しています。JavaScriptを有効にして、対応ブラウザでご覧下さい。

第30回 「届いていないようなので、再送します」に冷たさを感じる理由

文章は、送り手と受け手の関係性や、それぞれの性格・感性などによって、印象が大きく変化します。

人によっては同じ1行でも、よく見る定型文だと思い、特に何も感じなかったり、逆に威圧感を与えられ、「冷たい」「失礼」と感じることがあり、受け取り方はさまざまです。

だからこそ、ビジネスメールのやり取りでは、誰が受け取っても、不快な気持ちにさせない文章を送るように、心掛ける必要があります。

本記事では、ビジネスメールにおけるトラブルを避けるための、注意点や配慮を紹介しています。


この記事の著者
一般社団法人日本ビジネスメール協会認定講師  オフィスミカサ 

(1)待っているメールが来なくて電話で催促

「添付ファイル、メールで送ります」といわれたものの、1日経ってもメールが来ない。相手が送信してくれたかどうかはわかりません。このような場合、みなさんならどうしますか。おそらく、電話等で「まだメールが確認できないので、送っていただけませんか」と依頼されることでしょう。メール上よくある、やりとりの1つですよね。

(2)同じ文章でも、受け手によって、印象が変わる

その後、メールがやってきました。本文は、これのみです。

昨日メールをお送りしましたが、届いていないようなので、再送します。

いかがでしょう。どのように感じますか。

「送りましたが、届いていないようなので、再送しますね。」それだけの意味で受け取る方もいらっしゃるでしょう。しかし、ある方はこの文章を「先日メール送りましたよ?届いていないっていわれても困ります。そちらのPC環境の問題では?仕方ないから再送してあげますよ」と受け取りました。少し極端かもしれませんが、この文面ではこのように解釈されることも0ではないのです。このように解釈されないためには、心遣いを文字にして表現していく必要があります。

(3)配慮をどのように文面に盛り込むか

先日のメールが届いていないとのこと、
到着の確認をしておらず、大変失礼いたしました。
再度メールをお送りいたしますのでご確認ください。

ご不明な点がございましたら、お気軽にご連絡ください。

こちらの非にも触れながら、再送の連絡。お気軽にご連絡くださいね、という一文で近しさを表現しています。いかがでしょうか。先ほどのメールと比較すると、冷たい印象を受ける方は少なくなるでしょう。

(4)たった1行の文章で、相手に威圧感まで与える

実際に、先のメールを受信した方は「電話では、やさしそうな人だったのに」「何か失礼なことをしてしまったのか」「受信がうまくできなかったから怒らせてしまったか」と考えていらっしゃいました。たった1行で「相手の威圧感・自分の落ち度・相手が怒っている」など様々な不安を感じさせてしまうものですね。

特に、お互いの人間関係が出来上がっていない場合、このように感じさせてしまう傾向があります。メールは文面からだけでなく、こうしたもともとの相手との距離感から、いろんな意味を与えてしまうので注意が必要です。

(5)重要なのは「どう伝えたか」ではなく「どう伝わったか」

メールは、「自分がどういうつもりで、どう伝えたか」ではなく、「相手がどう受け取ったか・どう伝わったか」が、1番重要なのです。そのため「用件だけ伝わればいい」と言い切ることは難しいでしょう。依頼をされたから相手のためにメールを送ってあげたのに、感謝されるどころか、悪い印象を与えてしまっては残念ですよね。再送というシンプルな内容だからこそ、誤解を与えないように気を付けたいものです。

セミナー情報

本記事の筆者が所属する「一般社団法人日本ビジネスメール協会」のセミナー情報はこちら。ビジネスメールの書き方、送り方、効率よくメールを使う上で役立つテクニックを学べます。ビジネスメールの基礎を身に付けたい方、スキルアップをしたい方にオススメです。ぜひ、ご参加ください。

■ビジネスメールコミュニケーション講座(ベーシック編)
https://businessmail.or.jp/curriculum/basic/

■ビジネスメールの各種セミナー
https://business-mail.jp/


無料ファイル送付サービス Temply(テンプリー)

この記事に関連する最新記事

おすすめ書式テンプレート

書式テンプレートをもっと見る

著者プロフィール

author_item{name}

長野 裕香

一般社団法人日本ビジネスメール協会認定講師 オフィスミカサ

元市職員として、市民、市役所内部、大手企業の社員など、さまざまな相手と、メールでやり取りを行ってきた経験から、メールの重要性を痛感。現在は講師として、講演や執筆などでビジネスメール教育の普及を行う。

この著者の他の記事(全て見る

bizoceanジャーナルトップページ