かたい言い回しをすることがビジネスメールではない
そもそも「ビジネスメールとは」というところで、多くの方が勘違いをしている様子なのが、かたい表現をするメールが、ビジネスメールだと思っていらっしゃることです。「よろしくご査収ください」ではなく「ご確認をお願いいたします」でも構いません。「幸甚に存じます」とあえて難しくせずに「幸いです」、「嬉しく思います」で十分です。自分にとって自然な敬語で書けばよいでしょう。慣れないかたい表現を、ビジネスメールの場面で使うと、失敗したり、不自然な印象を与えることもありますので要注意です。
件名は具体的に
文字数は、20から30文字程度。重要なキーワードを前に持ってきましょう。「昨日のメールについて」より「 【12月10日】面接のご案内、確認いたしました」、「【ご案内お礼】12月10日面接について」など、「メールがどのような内容か」ということが、タイトルから推測できるようにすることがポイントです。
詳細は過去記事をご覧ください。
第3回 ビジネスメールの型を身に付けよう【2】件名
本文は型が命
(1)宛名、(2)挨拶、(3)名乗り、(4)要旨、(5)詳細、(6)結びの挨拶、(7)署名 の7要素。ビジネスメールに必要なのはこれらの要素。そして順番を守ることです。毎回、これらが入っているか必ず確認をしてください。全くビジネスメールに慣れていない人でも、書くことができるようになる、基本の形です。
また、各要素に「具体的に何をどう書くか」を意識すれば、時間短縮にもつながるでしょう。複雑に感じる方は、電話と同じとイメージしてください。「(1)○○様でいらっしゃいますか、(2)お世話になります。(3)私○○大学の○○と申します。(4)本日○○の件でご連絡いたしました。(5)実は・・・。(6)それでは失礼いたします」そして、最後に(7)署名で締めます。
各要素の書き方ポイントは、「ビジネスメールの型を身に付けよう」の、第2回から11回を参考にご覧ください。
テンプレート利用で注意すべきこと
ネット上にあるテンプレートの利用自身は、悪いことではありません。ただ受信側に「どの会社にも、このメールを使いまわしているのだろう」と思われると、マイナスです。文章をそのままコピーするのではなく、あくまで書き方の参考にする程度にしましょう。
また、2通目以降、うまくテンプレートが見つからず、メールのレベルが大きく落ちてしまうこともあります。できれば1通目から、ビジネスメールの型や必須事項を理解して、自分の言葉で書きたいですね。
ビジネスメールは奥が深い
先ほど、件名についての基本をご紹介しました。しかし、上級者になると「お互いが認識できる固有名詞を書く、相手が後で検索した時に引っかかりやすいキーワードを盛り込む、相手に望む行動を書く、受信者が必要としている事柄を書く」等、「相手の時間を奪わない、惑わせないことがマナー・配慮である」という視点から、メールを書くようになります。
もちろん、挨拶一つでも、初めてのやりとりの場合、相手との距離感、これまでのやり取りの経過などで、使い分けます。ビジネスメールはコミュニケーションツールの1つであるため、とても奥が深いのです。
社会人になっても、急にビジネスメールが書けるようにはならない
当然新入社員になったからといって、短時間で完璧なビジネスメールが書けるようになるわけではありません。社員研修では「名刺交換や接遇」の研修はあっても、ビジネスメールのマナーや書き方を教えてくれる企業は1割に満たず(※)、自分で学ぶしかない状況です。
(※)出典:一般社団法人日本ビジネスメール協会「ビジネスメール実態調査2015」
こうした事情からも、就活の準備の1つとして、ビジネスメールを最初からきちんと学ぶことをおすすめします。一度学ぶだけで、就活時点はもちろん、その後何十年と、あなたの社会人スキルとして役に立つことでしょう。
セミナー情報
本記事の筆者が所属する「一般社団法人日本ビジネスメール協会」のセミナー情報はこちら。ビジネスメールの書き方、送り方、効率よくメールを使う上で役立つテクニックを学べます。ビジネスメールの基礎を身に付けたい方、スキルアップをしたい方にオススメです。ぜひ、ご参加ください。
■ビジネスメールコミュニケーション講座(ベーシック編)
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