メールは、ビジネスシーンで無くてはならないコミュケーションツールです。速くて手軽、記録として残るなどのメリットがある一方、文章だけのやり取りのため、自分の意図がそのまま相手に届かないことがあります。悪気はなくても相手に不快感を与えることもあるのです。
一般社団法人日本ビジネスメール協会「ビジネスメール実態調査2015」の結果を見ると、メールを受け取り「不快」と感じた経験がある人は、全体の4割。その理由は、「文章が曖昧(1位)」、「文章が失礼(2位)」、「文章が攻撃的(5位)」「文章が冷たい(8位)」…と文章に関することが上位を占めています。
文章は、正しく、簡潔に、分かりやすく書くことが大前提です。特にメールは、利便性を求められるツールのため、簡潔にしようとするあまり、文章が素っ気なくなりがちかもしれません。
しかしながら、ビジネスは相手があってのこと。仕事は年齢や経験、考え方、企業文化などが異なる人と進めていきます。自分の常識が相手の常識ではないのです。不快だと思われたら、ビジネスそのものが円滑に進まないかもしれません。不快と捉えられる可能性がある表現を知り、好印象を抱いてもらえる表現方法に書き換えていきましょう。
プラスの表現を
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期日までにご提出いただけると、今月分で対応いたします。
「期日までにご提出いただかないと……」という否定形の表現は、受け取った相手は「信用されていない/上から目線だ」と不快に感じる可能性があります。同じことを伝えるにしても、否定形より肯定形の方が良い印象になります。
お断りは柔らかい表現で
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残念ですが、当日は出張のため出席を見送ることにします。 せっかくのお誘いにもかかわらず、申し訳ありません。 ご案内いただきまして、ありがとうございます。
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あいにく、○日は不在にしております。 こちらの都合で恐縮ですが、下記候補日はいかがでしょうか。
面談候補日 ・○月○日(月) 10時~18時 ・○月○日(火) 10時~12時
「できません」「無理です」は拒否感が強い言葉で、拒絶されたと感じる人もいます。断りの場合、クッション言葉を用いて柔らかな印象にし、理由を合わせて伝える。また、一言お詫びやお礼の言葉を加えます。代替案を出す場合は、相手が答えやすいように具体的に提示すると良いでしょう。
お願いには命令形を依頼形に
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お忙しい中恐れ入りますが、○日までに返信をお願いできますか。
「~してください」という表現は、命令されていると捉え抵抗感を抱く人もいます。仕事は、相手に動いてもらわないと進みません。気持ちよく引き受けてもらう、相手のイエスを引き出すために、命令形ではなく「~していただけますか」「~をお願いできませんか」などの依頼形に書き換えます。クッション言葉も合わせて用います。
ちょっとした表現の工夫で、メール全体の印象、そしてあなたの印象が良くなります。メールはコミュニケーションの手段にすぎませんが、お互い良好な関係性の中で仕事を進めたいもの。相手に与える印象を考えながら、メールを活用していきましょう。
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