不渡手形とは? 種類や不渡りになった場合の経営への影響をわかりやすく解説
不渡手形が発生すると、取引先からの信頼を失い、資金繰りに深刻な影響が及ぶ可能性があります。事業継続が困難になる場合もありますので、不渡りを起こさないよう十分に注意しなければなりません。
本記事では、不渡手形とは何かや、不渡りが起こった場合に企業にどのような影響があるかをわかりやすく解説します。
約束手形を利用する企業にとって、信用維持や資金繰りに欠かせない重要な知識ですので、ぜひ最後までご覧ください。
不渡手形とは?わかりやすく解説
まずは、不渡手形とはどのような手形を指すのかについて解説します。
不渡手形とは
約束手形とは、後日の代金支払いを約束することで振り出される手形のことです。支払期日までに、代金を銀行口座に入金し、決済ができるようにしておく必要があります。
しかし、約束の支払期日までに資金が銀行口座にない場合には、約束手形を受け取った人は決済ができません。このような約束手形の決済ができない状態を「不渡り」といいます。
不渡手形とは、約束手形の満期日が到来し、手形の所持人が手形代金の支払いを請求したにもかかわらず、決済等ができずに支払いを拒絶された手形のことです。
不渡手形の種類
不渡手形はその原因と内容によって、以下の3種類に分類されます。
【0号(ゼロゴウ)不渡り】
0号不渡事由(0号不渡り)は、振出人の信用に関係のない不渡りです。
<不渡事由例>
- 振出人の署名が不完全
- 手形の期日の不備
- 手形の支払呈示期間を過ぎている
- その他手形の内容に不備がある
【1号不渡り】
一般的に想像される「不渡り」のパターンであり、当座預金に十分な残高がなく、支払いできない場合が「1号不渡り」です。信用に関する問題になるため、不渡り処分を受けることになります。
【2号不渡り】
0号不渡りにも1号不渡りどちらにも該当しない不渡りは、全て「2号不渡り」になります。事由としては、盗難や紛失・詐欺、契約不履行などが該当します。
小切手の不渡り
小切手の不渡りを出してしまった場合、金融機関は不渡届を手形交換所に提出します。手形交換所は、受け取った不渡届の内容を「不渡報告」に掲載します。さらに、6ヶ月以内に2度目の不渡りを出すと、2年間の銀行取引停止処分を受けます。
不渡りを出したからといって、すぐに倒産になるわけではありません。
しかし、不渡りを出した会社は、取引先から信用力が低いと判断されます。資金調達等で不利になりますので、資金計画・事業計画はしっかりと策定する必要があります。
不渡りを起こすとどうなる?
手形の振出人が不渡りを起こした場合、会社経営にどのような影響があるのでしょうか。1回目と2回目のそれぞれについて解説します。
1回目の不渡り
金融機関が不渡届を手形交換所に提出します。手形交換所が不渡届を受け取ると、その内容を「不渡報告」に掲載します。
不渡りを起こした場合、取引先への信用を失ってしまったり、新たな融資を受けることが難しくなったりといったことが危惧されます。
2回目の不渡り
6ヶ月以内に2回目の不渡りとなると、2年間の銀行取引停止処分を受けます。取引停止処分を受けるため、手形や小切手の発行ができなくなる、融資を受けることができなくなるといったことが挙げられます。
もし現状で受けている融資があれば、一括返済を求められてしまうでしょう。
2回目の不渡りを起こし、2年間の当座取引停止となると、事業の継続がかなり難しくなり、一般的に「事実上の倒産」と考えられています。
不渡手形についてのまとめ
約束手形は支払いを繰り延べできる取引手段ですが、支払い期日までに資金が用意できずに決済ができなくなった場合に「不渡り」となるリスクがあります。
不渡りを出した場合、取引先からの信用を失ったり、銀行からの資金調達が難しくなったりと、会社経営に与える影響は甚大です。
手形を発行する際は不渡手形を出すことがないように、資金繰りを徹底するようにしてください。
【書式のテンプレートをお探しなら】