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200%定率法とは? 償却率の考え方や計算式をわかりやすく解説

監修者: 税理士・米国税理士・認定心理士  竹中 啓倫

200%定率法とは? 償却率の考え方や計算式をわかりやすく解説

減価償却資産の償却方法には、大きく分けて定率法と定額法があります。定率法は200%定率法と呼ばれ、資産の帳簿価格に所定の償却率を掛けて、償却費を算出します。

この記事では、経理部の社員に向けて、200%定率法の概要や考え方、計算方法などをまとめました。計算方法を紹介する章では、パターン別に分けて解説しましたので、ぜひ最後までご覧ください。


200%定率法とは?

減価償却する際、定率法が一般的な手法です。定率法では、資産の帳簿価格(期首の帳簿価格)に、所定の償却率を掛けて償却費を算出します。

200%定率法と呼ばれる理由や、250%定率法との関係性を解説します。

なぜ200%定率法と呼ばれるのか

200%定率法が登場した背景には、2011年12月の税制改正が関与しています。2012年4月1日以降に取得された減価償却資産において、定率法での償却率が250%から200%に変更されたためです。

2011年の税制改革以前では、日本の減価償却制度は資産分類が複雑で、取得価格の95%までしか償却できない制約がありました。

しかし、200%定率法により、企業は新しい設備を購入しやすくなります。取得価格の95%の制約は250%定率法導入時点に変更されています。

また、200%定率法は政府の税収を考慮しながら、早期に経費化できるのも特徴です。

250%定率法との関係性

250%定率法は、定額法の結果に250%を乗算する手法で、200%定率法に比べて償却が迅速に進みます。250%定率法は、2007年4月1日以降に取得された資産に適用され、2012年まで活用されていました。

一方、250%定率法が使われる前は「旧定率法」が一般的でした。したがって、次の年における取得資産には、3つの異なる定率法が存在しますので、会計処理時は注意しましょう。

  • 2007年以前
  • 2012年以前
  • 2012年以降

200%定率法の計算方法

200%定率法の計算式は、次の通りです。

  • 減価償却費 = 期首未償却残高 × 定額法の償却率 × 200%

具体的な計算例を見ていきましょう。

計算例①

次の条件をもとに、200%定率法で減価償却費を求めました。

  • 資産:工場の機械
  • 購入価格:1,000,000円
  • 耐用年数:10年

期首未償却残高は、最初は購入価格と同じです。定額法の償却率は、次の計算式で求めます。

1/耐用年数 = 1/10
= 0.1 (10%)

第1年の減価償却費を求めてみましょう。

減価償却費 = 1,000,000円 × 10% × 200%
= 1,000,000円 × 0.1 × 2
= 200,000円

2年目の期首未償却残高は、次の通りです。

1,000,000円 - 200,000円 = 800,000円

したがって、1年目の減価償却費は20万円で、2年目の期首末償却残高は80万円です。

計算例②

次の条件をもとに、200%定率法で減価償却費を求めました。

  • 資産:オフィスのコンピューター
  • 購入価格:200,000円
  • 耐用年数:5年

期首未償却残高は、最初は購入価格と同じです。定額法の償却率は次の計算で算出します。

1/耐用年数 = 1/5
= 0.2 (20%)

減価償却費を求めます。

第1年の減価償却費
= 200,000円 × 20% × 200%
= 200,000円 × 0.2 × 2
= 80,000円

2年目の期首未償却残高は、次の通りです。

200,000円 - 80,000円 = 120,000円

したがって、1年の減価償却費は8万円で、2年目の期首末償却残高は12万円です。


200%定率法についてのまとめ

200%定率法とは、毎期期首の未償却残高に一定率(償却率)を乗じて、減価償却費を計算する方法です。

旧定率法や200%定率法、250%定率法などでは、償却額の計算方法が異なります。

これらの計算式を業務で扱う人は、計算の仕組みを理解しておくことが重要です。取得時期により償却方法は異なりますので、慎重に確認しましょう。


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監修者プロフィール

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竹中 啓倫

税理士・米国税理士・認定心理士

上場会社の経理部門で個別決算を中心とした決算業務に従事する傍ら、竹中啓倫税理士事務所を主宰する。
税理士事務所では、所得税・法人税を中心に申告業務を行っている一方で、外国税務に関するセミナー講師を行っている。
心理カウンセラーとして、不安を抱える人々に対して寄り添って、心の不安に答えている。
税理士会の会務では、名古屋税理士協同組合理事を務める。

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