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資金繰り表とは? 作り方と作る際の注意点を解説

資金繰り表とは? 作り方と作る際の注意点を解説

資金繰り表は、自社の資金の動き・入出金のタイミングを把握するために欠かせない管理表です。

黒字倒産防止につながる、銀行で融資を受ける際に交渉しやすくなるなど、丁寧に作っておけばさまざまなメリットがあります。

この記事では、資金繰り表の作成手順や注意点を解説します。

すぐに使える資金繰り表のテンプレートもご紹介していますので、合わせて参考にしてください。


この記事の監修者
北原中小企業診断士事務所  代表 

資金繰り表とは

資金繰り表とは、一定期間における資金の動きを把握するために作る管理表のことです。

資金繰り表を作って将来の資金の流れを把握しておくことで、入出金のタイミングを踏まえた経営判断がしやすくなります。

銀行に融資を頼む際も、資金繰り表を提出することで交渉がスムーズに行きやすくなる場合もあります。

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※出典:資金繰り表02(年次)|bizocean(ビズオーシャン)

また、よく似たものに「キャッシュフロー計算書」がありますが、資金繰り表とは特徴が異なります。

キャッシュフロー計算書は、過去の資金の流れを一定期間内でまとめて計算したものです

しかし資金繰り表は、将来の資金の流れをまとめたものです。

また、作った後の用途にも違いがあります。

キャッシュフロー計算書は貸借対照表・損益計算書と並ぶ財務三表の1つで、投資家向けの資料としても使われます

一方、資金繰り表はあくまでも自社の経営状況を把握するために作る資料で、外部に提出する機会はそれほど多くありません。

参考:J-Net21「資金繰り表を活用する


資金繰り表が必要な理由

資金繰り表を作ることには、大きく2つの理由があります。

1.資金ショートを防ぎ、黒字倒産を避けるため

資金繰り表を作って入出金の時期を正確に把握することで、「黒字倒産」を避けやすくなります

黒字倒産とは、企業の売上が黒字であるにも関わらず倒産してしまうことです。

要因の1つとしては、売上の発生と現金の回収に時間差があることが挙げられます。

売上としては黒字であるものの、その分の現金が回収できない場合、借入返済ができずに倒産につながってしまいます。

2.銀行の融資を受けやすくするため

資金繰り表を作成することで、銀行の融資も受けやすくなります

資金繰り表を金融機関に提出することで、銀行は企業の決算状況の正確な把握や将来のキャッシュフローを予測しやすくなります。

融資の判断も、しやすくなるのです。


資金繰り表の作り方

ここからは、資金繰り表の作り方を実例を交えて解説します。なお、本項では以下のテンプレートを使用して解説します。

出典:資金繰り表02(年次)|bizocean(ビズオーシャン)

資金繰り表の作成の準備

資金繰り表を作る前に、必要書類をそろえましょう。最低限、以下の書類は準備しておくと良いでしょう。

  • 月次残高試算表(月次推移試算表)
  • 手形帳
  • 現金出納表
  • 預金出納帳(預金通帳)
  • 借入金返済明細表(借入金がある場合)
  • 設備投資予算、将来の販売計画、人員計画

必要な書類がない場合、おおよその感覚や普段の取引状況の記憶を頼りに作成できます。

ただし、資金ショートを起こす危険性が上がることは理解しておきましょう

感覚や記憶といった不正確な情報で資金繰り表を作成すると、本来の目的である財務状況の正確な把握ができなくなるためです。

どうしても必要な資料が用意できないのであれば、数値はより厳しく見積って作成しましょう。

資金繰り表の作成手順

資料がそろったら、資金繰り表を作っていきます。手順は以下のとおりです。

  1. 資金繰り表のテンプレートを用意する
  2. 事前に用意した資料を基に、テンプレートに内容を記入する
  3. 2.の数値から将来の売上や仕入予測を立てる
  4. 3.の数値もテンプレートに反映する

使用するテンプレートは、どんなものでも構いません。インターネット検索をして、使いやすいものを見つけると良いでしょう。

また、資金繰り表に記載すべき期間も、特に決まりはありません。

一般的には、基準となる月+2~3ヵ月分ほどで作ることが多いようですが、状況に応じて決めてください。

ただし期間を長くするほど資金繰り表の精度は下がるため、ある程度の期間で区切りましょう


資金繰り表を作るときの注意点

資金繰り表を作る際、注意すべき点もあります。

推測の入る部分は後から書く

資金繰り表には書く欄が多くありますが、まずは毎月発生する費用から記入しましょう。

そのうえで、将来の売上・仕入予測など推測の入る部分を書きます。

ただし、このときも感覚で予測を立てて記入することは避けてください。

前年同期と比べたり、受注見込みや他部署の意見も踏まえたりして、なるべく具体的に予測することが重要です

入金は遅めの時期、出金は早めの時期に予測する

入出金のタイミングが分からない場合、入金は想定より遅めの時期、出金は早めの時期で予測して記入しましょう。

こうすることで、それぞれが想定していた時期とずれたとしても、資金不足は避けやすくなります


資金繰り表のまとめ

たとえ多額の売上が立っていたとしても、実際に手元に入ってくるまで期間が空くことも珍しくありません。

入金を待つ間に経営が悪化し、黒字倒産となってしまえば元も子もないでしょう。資金繰り表を作り、入出金のタイミングを把握することは、盤石な会社経営に欠かせないものです。

ぜひ、今回の作り方を参考に作ってみてください。

資金繰り表は、テンプレートを使うと効率よく作れます。ビズオーシャンでは資金繰り表のテンプレートを用意していますので、ぜひご利用ください。


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監修者プロフィール

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北原 竜也

北原中小企業診断士事務所 代表

2017年に中小企業診断士を取得。補助金等の事業計画書作成支援を中心にコンサルティングを開始。

ITコーディネータ、健康経営エキスパートアドバイザーの資格も保有しており、中小企業を中心に幅広い知見を活かした支援・助言を行っている。

カウンセラーとしての側面もあり、カウンセリングの聴く技術を活かし、クライアントが望む姿を明確にし、具体的な行動に移せるコンサルティングを得意としている。

【保有資格】

・認定経営等革新支援機関 中小企業診断士

・ITコーディネータ

・健康経営エキスパートアドバイザー

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