路線価とは? 図面の見方、調べる流れや計算方法を解説!
土地の相続税や贈与税を算出する際は、「路線価」という基準を用いて土地の評価額を算出します。
本記事では、路線価を含む情報が掲載された「路線価図」に書かれている数字やアルファベットの意味、実際に評価額を算出する方法をわかりやすく解説します。
土地の価値を調べたい方は、ぜひ参考にしてください。
路線価とは
路線価とは、路線(道路)に付けられた価格のことです。道路に面した土地などの価格を評価するのに用いられ、一般的に路線価とは1㎡あたりの土地の評価額を指します。
土地の価格を表したものには、路線価のほかに「地価公示価格」があります。国土交通省が毎年3月に公示しており、土地の価格相場を知るうえで最も精度が高いといわれていますが、地価公示価格が示されている土地は限られています。
一方の路線価は、日本のほぼすべての公道に価格が設定されており、使い勝手がよいのが特徴です。
路線価の種類
路線価には、「相続税路線価」と「固定資産税路線価」の2種類があります。
相続税路線価とは、相続税や贈与税を算出する際の基準になる土地の評価額で、路線価方式が用いられます。一般的に「路線価」といわれているのは相続税路線価のことで、本記事でも「路線価」は相続税路線価を意味します。
国税庁が、毎年7月1日にその年の1月1日時点の相続税路線価を発表しています。
固定資産税路線価とは、固定資産税を算出する際の基準になる土地の評価額です。市区町村もしくは東京都知事によって定められ、3年に1度のペースで見直されます。
新たに戸建てや土地を購入する際に、土地の固定資産税の目安を把握するのに用います。
出典:路線価図の説明|国税庁
路線価図で評価したい土地を探し、その土地が面している道路の路線価を確認しましょう。1㎡あたりの価格が千円単位で表示されています。
路線価が定められていない地域の場合は同ページの評価倍率表を参照してください。
また、路線価は全国地価マップで調べることもできます。国税庁ホームページの路線価図よりも地図の切り替えがしやすく、検索が簡単なのでぜひ試してみてください。
インターネット以外では、税務署を訪問して路線価を確認する方法があります。
路線価を使って評価額を計算する方法
ここでは、路線価を使って評価額を計算する方法を紹介します。
土地が1つの道路に面している場合
計算式は次のようになります。
路線価 × 奥行価格補正率 × 地積
※奥行価格補正率の表は平成30年分以降用のものです。
奥行価格補正率とは、土地の奥行きを評価額に反映するために用いるものです。同じ面積の土地でも、極端に奥行きが長かったり短かったりする土地は使い勝手が悪くなるため、奥行価格補正率を用いて評価額に反映します。
複数の道路に接地している場合は、単純に路線価の大小だけで正面路線価を判断する勘違いが散見されるため、注意が必要です。
土地が2つの道路に面している場合
2つの道路に面している土地は、1つの道路のみに面している土地に比べて使い勝手がよくなるため、その分を評価に加算します。
2本の道路が「土地の正面と側方」「土地の正面と裏面」のどちらにあるかによって、計算式が2つに分かれます。
土地の正面と側方に道路がある土地
土地の正面に加えて側方にも道路がある土地は、「側方路線影響加算率」を用いて評価を上乗せします。
計算式は次のようになります。
① 正面路線価 × 奥行価格補正率
② 側方路線価 × 奥行価格補正率 × 側方路線影響加算率
③(① + ②)× 地積
正面路線価とは、土地が1つのみの道路に接地している場合の、その道路の路線価のことです。
仮に土地が複数の道路に接地していた場合、それぞれの道路がどのように利用されていたかは無関係です。
基本的には、その路線価に奥行価格補正率を乗じて、一番大きい数字の道路が正面路線になります。
土地の正面と裏面に道路がある土地
土地の正面と裏面に道路がある場合は、「二方路線影響加算率」を用いて評価を上乗せします。
計算式は次のようになります。
① 正面路線価 × 奥行価格補正率
② 裏面路線価※ × 奥行価格補正率 × 二方路線影響加算率
③(① + ②)× 地積
※ 正面路線価以外の路線
借地権割合の確認
路線価を計算しようとしている土地が借地や貸付地の場合は、借地権割合も確認しましょう。路線価の数字の横に表記されているアルファベット記号が借地権割合を表します。
記号 |
A |
B |
C |
D |
E |
F |
G |
---|---|---|---|---|---|---|---|
借地権割合 |
90% |
80% |
70% |
60% |
50% |
40% |
30% |
路線価についてのまとめ
路線価図を用いれば、土地の評価額を自分で計算できます。計算方法もそれほど難しくないため、土地の相続税を知りたい方は、ぜひ本記事を参考に評価額を計算してみてください。
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