秘書業務の基本8
慶事としては、会社が主催するものと、取引先や地域や業界が主催する祝賀行事があります。
私的なものには、上司の人脈上のお祝いごとと、上司自身のお祝いごとが考えられます。
また弔事としては、取引先や地域、業界、団体の関係者の訃報に接する場合が考えられます。
今回は慶弔に関する業務について解説していきましょう。
慶事への対応
上司が慶事に招待されたときの対応としては、次のものが挙げられます。
- 招待状への返信
- お祝い品やお祝い金の打ち合わせと準備
- 欠席の場合は、電報の手配や祝い金を送る
- あいさつ原稿の作成
招待された上司が出席する場合の服装は、礼装、正装が基本ですが、季節によっては略礼服で構わない場合があります。
平服でお越しくださいという添え書きがある場合でも、先方の秘書に確認しておくと安心でしょう。
随行する秘書は、会場内まで入る場合は、改まったスーツを着用しましょう。ア
クセサリーも含めて華美になり過ぎないように配慮しますが、胸にコサージュを着けて祝意を表現すると場にふさわしくなります。お化粧は、口紅を少し明るめの色にする程度が望ましいです。
立食パーティーの場合は、会場の係の方に上司の飲食の配膳をお任せします。
自分の分を取りに行く程度の振る舞いにし、お酒をついで回るようなことはしないようにしましょう。
また、上司のそばをなるべく離れないようにしますが、お招きいただいたのは上司ですから、上司が探さない程度に離れたところに立ち、なるべく会話の邪魔にならないように配慮しましょう。
上司が困っている様子を見せたら、指示は受けますが、何かを運ぶのは会場の係の方の仕事ですから、伝言し様子を見守るようにしましょう。
他の企業の役員に随行している秘書がいるようであれば、ぜひ積極的にあいさつして回りましょう。
ただし、上司のそばを離れるときは、必ず一声かけてからにするようにしましょう。
弔事への対応
訃報が届いたら、
- 逝去の日時と死因
- 通夜、葬儀・告別式の日時、会場、形式(仏式 神式)
- 喪主の氏名、会場住所、電話番号
をよく確認して、上司に報告しましょう。
なお、地域の関係者に関しては、直接情報が会社に入らない場合があります。新聞やWebサイトの訃報をチエックする習慣を付けましょう。
通夜、告別式ともに出席できないときは弔電を送ります。
- 参列日
通夜、葬儀・告別式のどちらに参列するかを決め、リスケジュールを直ちに行います。
- 参列者
故人とゆかりある社内の誰がふさわしいか指示を受け、連絡します。
- 香典
上司に金額を決めてもらい、金包みを準備する。上書きは、宗教によって違うので確認を怠らないようにします。
- 供物・供花
香典とともに、最近は辞退されることが多いので、必ず先方または葬儀場に確認しましょう。宗教、地域によって習慣が違うので注意します。
支店や支所の場合は、その地域の社員に確認すると事情がよくわかるでしょう。
このほか、秘書の交際業務は、病気や災害のお見舞い、記念式典や落成式、褒章受章の対応などが見込まれます。
それぞれ特徴ある催しへの対応は頻度が高くないため、記憶だけを頼りにすると落ち度があっても気づかないことが多く、知らない間に恥ずかしい思いをしてしまうことに繋がります。
必ず記録を残すようにしましょう。記録は、文字や図、表、そして、写真が撮れる場面では写真に残すと理解が深まります。
スケジュール管理
予定表は、年間、月間、週間、日々と四つを使い分けます。
- 年間予定表
入社式や株主総会、展示会や業界の総会など、多くの社員が知っておかなければならない予定を記入します。
年間の休暇もこの表で管理します。
- 月間予定表
一か月の予定を一覧表にします。年間予定表よりも詳しく記入しますが、開始時間と内容程度までの記入にします。
会議、面接、訪問、出張、ゴルフやパーティーなどの予定が主な内容です。
- 週間予定表
最も大切な予定表です。予定は、時・分単位で正確に。また、場所の記入は不可欠です。
七日間記入できるよう、土曜日や日曜日も稼働日とする表の設定にします。
備考欄には調整中の予定や進行中の案件、外出や出張の出発時間、会議に必要な資料、そして社外の会議や会合の場合、会場住所、電話番号とキーパーソンの氏名などを記入しておくと、上司から情報を求められたとき、すぐに答えることができるでしょう。
- 日々予定表
一日の行動予定の詳細を記す予定表です。市販のものを選ぶときは、稼働時間ができるだけ長いものを選ぶと使いやすいでしょう。
秘書は、社内の他部署からの問い合わせに対しても、詳細を伝えてはなりません。
「○時より○時まで外出していらっしゃいます」「○日より○日まで、出張されています」など、不在の期間を答えるのみとし、外出先に連絡を入れなければならないような場面では、秘書が電話を入れて都合をうかがい、担当者に取り次ぐという対応をするようにしましょう。
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