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メンターとは?意味や役割、導入する目的を解説

メンターとは?意味や役割、導入する目的を解説

メンターは定期的な対話を通して、メンティーを精神的にサポートする役割を担う存在です。メンター制度を導入する企業も増えていますが、どのようなメリットがあるのでしょうか。

今回は、メンターの意味や役割、導入する目的やメリットを解説します。人材の確保や育成に効果がある制度ですので、ぜひ参考にしてください。


この記事の監修者
  キャリアコンサルタント / 外国人雇用管理士® 

メンターとは

まずはメンターとは何か、どのような役割を担うものかについて解説します。

メンターの定義

日本メンター協会では、メンターとは「人間的に信頼・尊敬でき、公私ともに安心して相談できる人」と定義されており、メンターに支援してもらう人をメンティーと言います。

メンターとメンティーの対話はメンタリングと呼ばれ、「メンターとメンティーが楽しみながら自由に対話をし、共に成長すること」と定義されています。メンタリングはメンティーのためだけでなく、メンターも共に成長するという点がポイントです。

メンターの役割

メンターというと、上司や先輩社員からの指導や支援の役割というイメージを抱きがちですが、本来のメンターは自ら誰かのメンターであると名乗るものではありません。対話を通して、メンティーがその人のことを「メンター」だと認識するようになるというのが自然な形です。

メンターは必ずしもメンティーと同じ職場にいる必要はなく、基本的には定期的な対話を通してメンティーの精神的なサポートとなるような役割です。

メンターの必要性

メンターが必要とされる背景には、職場の上司のプレイングマネージャー化が進み、部下に対して親身になって話を聞く時間を持てなくなっていることがあります。

また、会社の事業や人材の多様化もメンターが必要とされる理由の1つです。現職だけではなく、将来のキャリアの相談相手としての役割を上司に求めることは、現実的ではなくなってきているからです。


メンター制度を導入する目的

メンター制度を導入する目的は、以下の3つが挙げられます。

  • 人材の育成
  • 人材の確保と離職防止
  • コミュニケーションの活性化

それぞれの目的について、詳しく解説していきます。

人材の育成

メンター制度では、メンターとメンティーが組織の上下関係から離れ、お互いに一人の人間としてリスペクトの気持ちを持ちながらコミュニケーションを図ります。

メンティーがメンターのサポートで成長するのはもちろんのこと、メンター自身もメンティーの考え方や視点を知り、支援することにより学びが得られます。お互いに良い影響を与えながら成長を促すため、会社の人材育成につながるでしょう。

人材の確保と離職防止

メンター制度は、部下を支援し、相談相手となるという従来の上司の役割を、別部署の先輩社員に担ってもらうことが前提です。

若手社員は担当業務に関する悩みや転職に関する相談もしやすくなります。そのため、誰にも相談できないまま、悩みや不安を抱え込んでしまうことによる離職リスクの軽減の効果が期待できるでしょう。メンター制度を上手く機能させることにより、人材の流出を防ぐことにつながります。

コミュニケーションの活性化

メンター制度では、定期的にメンターとメンティーが対話をする機会が設けられ、その内容は仕事以外のことも含まれます。メンターとメンティーの組み合わせの数が増えることが、そのまま社内のコミュニケーションの活性化につながるということです。

さらに、メンター制度が組織内で定着するにつれ、自分のメンターやメンティー以外の他部署の社員とも以前よりも気軽に交流できるようになり、組織全体でコミュニケーションが活発になることが期待できます。


メンター制度導入のメリット

ここからは、メンター制度を導入するメリットについて解説します。サポートを受けるメンティーだけではなく、サポートを行うメンターにもよい影響があることがポイントです。

メンターのメリット

メンターはメンティーを人として尊重し、丁寧に話を聞くことが求められます。繰り返し対話や助言を行うことで、メンター自身のコミュニケーションスキルやマネジメントスキルの向上につながります。

また、自分とは異なる道や視点を持つメンティーから刺激や影響を受けると共に、かつての自分の仕事に対する想いを思い起こすきっかけになります。

メンター自身がキャリアプランを見直したり、組織の一員としてさらに成長することへの意欲が再燃したりといったメリットもあるでしょう。

メンティーから別部署について話を聞くことで、社内の各部署についてより理解を深めることもできます。

メンティーのメリット

メンティーのメリットは、自分一人で悩みを抱え込まずに相談できる存在がいることと、自身の成長を見守ってもらえることです。

職場でのちょっとした気になることや自身の成長に関する悩みを気軽に相談できることは、精神的な大きな支えとなります。上司や同僚との関係がうまく行かない場合も、メンターに話すことによって、一人では得られない視点を得られるでしょう。

直接的なアドバイス以外にも、メンターの経験談や仕事に対する考え方が、メンティーの働き方や人生観にも気づきを与える可能性があります。上司や同僚以外の先輩社員との交流は、メンティーがさまざまな面で成長する助けにもなります。


メンター制度導入における注意点

メンターになる人の選択は慎重に検討する

メンターを必要とする若手社員がいる場合、誰をメンターにつけるかはとても重要です。メンターが気軽に仕事もプライベートのことも話せるよう、業務上の利害関係のない別組織の先輩社員の中から、適性を慎重に検討する必要があります。

上下関係はなく、互いに成長を応援し合う関係性であることを理解させる

メンターとメンティーに上下の関係はないことを良く理解させたうえで、メンタリングを実施することが重要です。この理解があるのとないのとでは、効果に大きな差が出る可能性があります。

お互いにメンタリングで話した内容は他言しない

メンタリングでは、相互理解とリスペクトが欠かせません。メンタリングの中で知った相手のプライベートの部分は、決して他言しないのがルールです。メンティーの上司であっても、本人の了解なく個人的な状況を話してはいけないことをメンターに周知する必要があります。


メンターについてのまとめ

メンターは、支援を受けるメンティーにとって精神的な大きな支えとなる存在です。上下関係がないため、仕事以外のことも気軽に相談することができ、自身の成長の助けにもなります。また、メンターにとっても、コミュニケーションスキルを磨く機会になるといったメリットがあります。

企業にとっては、人材の育成や離職防止、組織のコミュニケーションの活性化などに効果が期待できますので、メンター制度を上手に導入して活用してください。

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監修者プロフィール

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木村 千恵子

キャリアコンサルタント / 外国人雇用管理士®

2度のアメリカ留学経験をはさみ、20年以上外資系IT企業を渡り歩きグローバルプロジェクトに従事したのち、2016年にキャリアコンサルタントとして活動を開始。

現在は中小企業の従業員のキャリア、メンタルヘルス、テレワークに関する課題解決支援、外国人留学生の就職支援、個人向けキャリアセミナーなどを中心に活動中。

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